1)
プライミングは使用直前に行うこと。[プライミングの実施が早すぎると、システム内の細菌増殖や患者への感染を引き起こす可能性があるため。また、事前にプライミングを行うとチューブが広がり、システム内に気泡が発生して患者に空気塞栓を起こす可能性があるため。]
2)
CARDIOHELPコンソールを患者の近傍に設置すること。
3)
電源と酸素の供給が十分可能であることを確認すること。[患者サポートが不十分になる可能性があるため。]
4)
HLSモジュールを吸引用に使用しないこと。
5)
チューブやケーブルは垂れ下がらないように配慮し、また引っ張ったりしないこと。
6)
機械的な衝撃や打撃を避けること。
7)
チューブやケーブルのキンクを避けること。
8)
HLSモジュールの血液学的パラメータ測定セルを清潔に保つこと。[検出面の汚れは、測定が不正確になり、結果として患者を危険にさらす可能性があるため。]
9)
患者の体位の変更や搬送する場合は、チューブへの張力や機械的損傷による抜管のリスクがあるため、細心の注意を払うこと。[不十分な患者サポートにつながる可能性があるため。]
10)
CARDIOHELPコンソールは、患者より低い位置に設置すること。[HLSモジュールに空気が入り、患者に空気塞栓症を引き起こす可能性があるため。]
11)
人工肺のガス流入口を上にして使用すること。
12)
体外循環の開始前に、HLSモジュール及び接続した機器が完全に脱気されていることを確認すること。
13)
タイバンドを使用し、カニューレと機器との接続部を二重に固定すること。静脈血流入ポートのコネクタまたは動脈血流出ポートのコネクタで漏れがあった場合は、更に3つ目のタイバンドを使用して固定すること。[空気が入らないようにするため。] 静脈カテーテルに空気を含まないように接続し、 青ラインに接続されている全ての補助コンポーネントは、外気に近づけ完全にエアフリーにすること。また、正しい流れの方向に注意すること。
14)
併用するカニューレの挿入部位や還流部位には十分注意し使用すること。[血管解離は禁忌となる場合があるため。]
15)
CARDIOHELPコンソールの機能とバッテリーチェックを行う。詳細はCARDIOHELP コンソールの取扱説明書等を参照すること。
16)
圧力ケーブルと流量/気泡センサのコネクタをCARDIOHELPコンソールのそれぞれのスロットに接続する。静脈プローブをCARDIOHELPコンソールの安全バーのスタンバイ位置に固定し、短い接続ケーブルをCARDIOHELPコンソールに接続すること。
17)
血漿増量剤が必要な場合は、回路内で泡立たないようにすること。
18)
セットが受動的にプライミングされ、フローが停止するまで待つこと。 ラインが挟まれたりねじれがないことを確認すること。
19)
部品が損傷する可能性があるため、硬いものは使用しないこと。患者の塞栓症および感染を引き起こさないよう、システムに残っている気泡を取り除く場合は、手でチューブシステムと人工肺を軽く叩くようにすること。
20)
熱交換器用水は清潔な水のみを使用し、水に汚れや粒子が含まれていないことを定期的に確認すること。また、洗浄した後、冷却回路から使用した洗浄剤と消毒剤を取り除くこと。[汚れた水や添加剤を含む水は、熱交換器の繊維を詰まらせ、人工肺の性能を低下させる可能性があるため。また、患者が過熱や低体温を患う危険性があるため。]
21)
滅菌包装を開けてすぐに全てのコネクタが保護キャップで閉じられていることを確認し、全てのコネクタが保護キャップで閉じられていない場合は使用しないこと。使用直前に保護キャップを取り外すこと。[保護キャップの紛失は製品の汚れに繋がる。結果、患者が感染する場合があるため。]
22)
使用中に、構成品に機械的な力がかかりチューブの接続が緩むことがあるため、すべての接続を確認し、過度の張力がかかるのを避けて構成品の完全性と漏れ防止機構をすぐに確認すること。また、チューブが曲がっていないことを確認すること。[失血、塞栓症、不適切な患者サポートにつながる可能性があるため。]
23)
漏れがあった場合、および空気塞栓症の場合には、患者の感染症、失血および塞栓症を予防するために、体外循環システムをクランプすること。常時、金属製クランプを4本用意し、鋭角がないことを確認すること。
24)
灌流前または灌流中に細胞増殖抑制剤を投与しないこと。
25)
矢印に注意し、流量/気泡センサの接続が、正しい流れの方向に接続されていることを確認すること。また、流量/気泡センサは動脈側に置き、ロック装置が所定の位置でカチッと収まっていることを確認すること。[不十分な接続は、ポンプが始動せず、また患者の空気塞栓症や患者への供給不足につながる可能性があるため。]
26)
ポンプの速度を極端に下げないこと。遠心ポンプが停止した場合、動脈側をクランプすること。[逆流を防止するため。また遠心ポンプは非閉塞血液ポンプであり、ポンプが停止すると、動脈の逆流が起こり、患者サポートが不十分になる可能性があるため。]
27)
構成品が全て揃っていることを確認すること。
28)
静脈血流入ポートのねじれ、締め付け、および閉塞を避けること。また、クランプが必要な場合、血流を0.6 L/min以下に減らし、 可能であれば、CARDIOHELPコンソールのLPMモードを停止すること。[ねじれ、締め付け、または閉塞は、特にポンプの高速度でキャビテーションを引き起こす可能性があり、患者に空気塞栓症を引き起こす可能性があるため。]
29)
血流およびガスフロー、ならびに血液側およびガス側の圧力許容最大値に注意すること。[許容最大値を超過すると、人工肺が損傷し、塞栓症を招く、あるいは患者サポートが不十分になる可能性があるため。]
30)
HLSモジュールに結露の兆候がないか監視し、環境と水回路との間の温度差が小さいことを確認すること。 結露の兆候がある場合、HLSモジュールを使用しないこと。また医療ガス/酸素供給でガスフローを開始する前に、水漏れテストをすること。[HLSモジュールに結露が発生し、それが水蒸気透過につながる可能性があるため。]
31)
本品はCARDIOHELPコンソールと併用し使用すること。本品の取り付けまたは取り外しはCARDIOHELPコンソールのポンプが停止している状態でのみ行うこと。ドライブと遠心ポンプの磁気的な干渉を防ぐため、本品がドライブに正しく取り付けられ、しっかり固定されていることを確認する。[本品の誤った設置は、装置の誤動作の原因となり、患者を危険にさらす可能性があるため。]
32)
緊急時にのみ、ルアポートの「クイックベント」を使用すること。 プライミング中および灌流中は、「クイックベント」が閉じていることを確認すること。
33)
冷温水槽の清掃に過酸化水素を使用しないこと。[HLSモジュールの完全性に影響を与える可能性があるため。]
34)
熱交換水路圧力は、1bar(750 mmHg)を超えないこと。[水圧が高すぎると、人工肺を損傷し、血液に水が入る可能性があり、 感染の危険があるため。]
35)
使用前に温度センサの機能を検査し、合格した温度センサのみを使用すること。[検査に合格していない温度センサは、不正確な測定につながる可能性があり、患者の不整脈、凝固の問題または血液の損傷を引き起こすため。]
36)
動脈出口の温度センサの測定値について、外気温によって精度が変化することを留意すること。
37)
遠心ポンプは、静脈側に高い陰圧を生じさせることがあるため、最小流量での高速回転は避け、静脈側の陰圧をモニターすること。[患者の気泡の形成および溶血の増加につながり得るため。]
38)
CARDIOHELPコンソールにポンプ障害が発生した場合は、非常用ドライブユニットを使用すること。そのため、非常用ドライブユニットをCARDIOHELPコンソールの近くに配置し、いつでも手動操作に切り替えられるように準備しておくこと。また、常に非常用ドライブユニットをきれいに保っておくこと。[CARDIOHELPコンソールがポンプ故障を起こすと、患者への血流を減少させる又は中断することがあり、患者サポートが不十分になる、溶血または血栓の形成が起こる可能性があるため。]
39)
サンプリング用ルアーロックコネクターのリンスが不十分な場合、凝固や空気の混入を引き起こす可能性があるので注意すること。
1)
体外循環中は、常に静脈血の戻りが十分にあり、患者の水分バランスが生理学的に正しいことを確認すること。患者の中心静脈圧、あるいは遠心ポンプ上流の静脈チューブ内で測定される圧力(pVen)を指標とすることができる。
2)
静脈系内が陰圧の場合、ガス気泡の発生を引き起こす可能性がある。可能であれば、-75mmHg以下にしないこと。また、静脈ライン内への急激な陰圧(低〜高)の移行は回避すること。[キャビテーションと溶血を防ぐため。]
3)
定期的に(例えば、ACT又はPTTを測定することにより)、抗凝固薬の効果を確認すること。
4)
血流量が0.5〜2.5L/分の場合、凝固及び外観の検査をより短い間隔で実施し、必要であればACT / PTTの値を上げること。
5)
チューブクランプを使用する前には、血流量を0.8 L/min未満に設定すること。必ず青ラインを固定する前に、赤ラインを固定すること。
6)
クランプ使用前にはLPMモードを解除すること。
7)
体外循環が一時的に中断された場合、再循環は最低流量を200-250mL/minに維持すること。
8)
灌流中は、定期的に血液ガス分析を行うこと。チェックした静脈血ガス値に基づいて、CARDIOHELPコンソールの静脈プローブを再校正すること。重大な不適合がある場合、血液ガス分析のテスト間隔を長くすること。
9)
気泡センサが正しい順序で接続されていない場合、アラームが発生し、自動逆流防止がトリガーされる場合がある。気泡センサの詳細は、気泡センサの添付文書等を参照すること。
10)
適切なガス流量、ガス/血液流量比を確保すること。
・静脈-動脈体外循環(v-a ECLS)を使用し、1:2のガス/血液流量比で灌流を開始し、酸素濃度は少なくとも80%とする。
・静脈-静脈体外循環(v-v ECLS)を使用し、1:2のガス/血液流量比で灌流を開始し、酸素濃度は少なくとも100%とする。