機械器具等 12 理学診療用器具

振せん用脳電気刺激装置

DBSリード(条件付MRI対応)

再使用禁止
取扱説明書を必ず参照する

作成又は改訂年月

**2020年10月改訂(第16版)

*2017年11月改訂(第15版 新記載要領に基づく改訂)

承認・届出等

販売名

DBSリード(条件付MRI対応)

添付文書管理コード

20700BZY00880000_A_01

承認番号

20700BZY00880000

承認・認証年月等

平成7年10月

一般的名称

一般的名称
37307000
振せん用脳電気刺激装置

警告

適用患者

1.
抗血液凝固療法
医師は患者の抗血液凝固療法の併用及び神経損傷の有無の状況を確認すること。[抗血液凝固療法を受けている患者がリード植込みを行うと、頭蓋内出血の危険性が高まる。]

2.
うつ、自殺念慮及び自殺のリスク
手術前には自殺のリスクについて、潜在的な臨床有効性も含め十分に考慮して患者を評価すること。術後は患者のうつ傾向、自殺願望又は自殺企図、精神状態、衝動性の変化等を観察し、これらの症状に対して適切な処置を行うこと。継続的なフォローアップの重要性について患者、介護者、家族等に十分に説明すること[DBS治療との因果関係は確認されていないが、DBS治療を受けている患者のうつ、自殺念慮及び自殺が海外で報告されている。]。

3.
小児
小児期の患者に脳深部刺激装置を植え込んだ場合、成長によって、リードのつっぱり感、電極の位置ずれ等の問題が起こり、治療を継続するためには侵襲的な介入が必要となる可能性がある。これらについて患者及び保護者に十分説明し、手術の実施時期を決定すること[成長に関する注意については【使用上の注意】、「ジストニアへの適用に関する注意」の「(2)患者の成長」を参照のこと。]。

併用医療機器

MRI検査
1.
本品の植込み患者にMRIを行う場合は、本品と接続されるメドトロニック社製の条件付MRI対応神経刺激装置の添付文書に記載の[MRI検査を実施する施設の条件]、[MRI検査を行うための必須条件]の全てを満たす場合にのみ、[MRI検査条件]に示された条件下で行うこと。

2.
本品のMRI撮像に対する安全性は非臨床試験(シミュレーション試験)のみで検証されている。このことに留意し、本治療法施行医師は患者に対してMRI検査を行う場合に起こり得る不具合及び有害事象(【使用上の注意】の「不具合・有害事象」を参照)について十分に説明すること。

3.
本品と「MRI全身対応」以外の医療機器とを併用した場合は、併用機器の添付文書を参照すること。

禁忌・禁止

1.
適用対象(患者)
下記の患者には本システムを用いないこと。

(1)
振戦及びパーキンソン病の運動障害への適用において、試験刺激で効果がみられない患者[効果が見込めない]

(2)
本システムを正しく操作することが不可能な患者(充電式刺激装置を使用する場合は【使用上の注意】、「重要な基本的注意」の「(5)患者選択」を参照すること。)。[治療効果の継続が見込めない]


下記の患者にはスティムロックを適用しないこと。

(1)
頭蓋縫合の上、損傷若しくは疾患のある頭蓋骨、又は厚さ5mm未満の頭蓋骨には、スティムロックを取り付けないこと[疾患のある又は不安定な頭蓋骨に取り付けた場合、リードの固定が不十分になり、リードが移動する、又は治療効果が損なわれる、またスティムロックの閉じ方が不安定になり、感染、硬膜損傷、CSF漏出及び神経(脳)組織損傷のリスクが高まる。]。


2.
使用方法
再使用禁止

3.
併用医療機器「相互作用の項参照」
本システムが植え込まれた患者に対して、下記の医療機器は絶対に用いないこと。

(1)
ジアテルミー(短波、超短波、極超短波/マイクロ波、超音波治療などによる温熱療法) [電極周辺組織を損傷し、重篤な障害又は死亡に至る可能性がある。また、刺激装置を破損する可能性がある。]

(2)
経頭蓋磁気刺激装置、精神科用の電気ショック療法装置等の電磁干渉(EMI)が発生する機器を用いた精神療法[刺激装置若しくはリードの位置ずれ又は電極周辺組織を損傷する可能性がある。また不快感を伴う刺激が起こる可能性がある。]

(3)
他社製の神経刺激装置、エクステンション又はアダプタ[本システムの破損、不十分な刺激又は過剰な刺激の原因となり、患者に対するリスクを高める可能性がある。]

形状・構造及び原理等

[構成品]

(1)
本体:DBSリード

1)
3387型


2)
3389型


[原材料]

電極・導線: プラチナ・イリジウム合金

ジャケットチューブ: ポリウレタン

(2)
DBSリードの付属品
ブーツ、バーホールカバー、トンネリングツール、パッシングチューブ、スタイレット、デプスゲージストップ、ピンコネクタ、トルクレンチ、リードキャップ、
スティムロック(3387S-40型及び3389S-40型に同梱)
スクリーニングケーブル(3550-03型、3550-07型)
テスト刺激用経皮エクステンション(3550-05型)


[付属品 組織接触部の原材料]
シリコーンゴム、ポリアミド(ナイロン)、ステンレス鋼、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、チタン合金

[原理]
本品は、電極部、ジャケットチューブ、コネクタ部の3つの部分からなる振せん用脳電気刺激装置の植込み型リードである。コネクタ部はエクステンションの遠位に接続し、神経刺激装置からの電気信号を受け取る。ジャケットチューブ内部にコネクタ部から電極に電気パルスを伝達するための導線が入っている。ジャケットチューブの遠位に脳内を刺激するための4つの電極がある。脳深部に本品の電極部を設置し、脳内を刺激する。

使用目的又は効果

本品は、脳刺激療法のため脳深部に植え込まれる電極(リード)である。

使用方法等**

組み合わせて使用する医療機器

機器の種類 販売名 承認番号 
刺激装置 アクティバ RC 22300BZX00412000 
アクティバ SC 22300BZX00414000 
アクティバ PC 22800BZX00343000 
メドトロニック Percept PC 30200BZX00163000 
アダプタ アクティバ アダプタ 22300BZX00413000 
試験刺激装置 スクリーナ 20400BZY00805000 
エクスターナルスティム 22100BZX00196000 

なお、本品を単独で、又はアダプタとともに以下の刺激装置と組み合わせて使用する場合、本品を含む神経刺激システムは全身MRI対応となる。


機器の種類 販売名 MRI条件 
刺激装置 アクティバ RC (1) 
アクティバ SC (37603型) (1) 
アクティバ PC (1) 
メドトロニック Percept PC (1)又は(2) 
アダプタ アクティバ アダプタ 刺激装置の条件による 

MRI検査条件

全身MRI対応の神経刺激システム(本品を含む)を植え込んだ患者に対しては、以下の条件下でMRI検査を行うことができる

項目 条件 
(1) (2) 
静磁場強度 1.5テスラ(T) 3.0テスラ(T) 
マグネットガントリーの形状 水平方向クローズドボア(トンネル)型 
コイルタイプ 送受信型頭部用クワドラチャRFコイル、送受信型全身用クワドラチャRFコイル及びすべての受信用コイル 
高周波(RF)強度 B1+rms:2.0μT以下
B1+rmsを表示できないMRI検査装置の場合:SAR 0.1W/kg以下 
B1+rms:2.5μT以下
B1+rmsを表示できないMRI検査装置の場合:SAR 1.0W/kg以下 
最大空間傾斜磁場 19T/m 20T/m 
傾斜磁場強度 スルーレート:200T/m/s以下 
スキャン時間 連続した90分の間に通算で30分を超えないこと。 
刺激装置の出力 オフ又はバイポーラ刺激設定へ変更もしくはMRIモードに変更* 
MRI検査前の体温 38℃以下 
MRI検査時の患者の姿勢 腹臥位又は仰臥位 


リード植込み術
以下の手法は植込み術の一例であり、これに限定されるものではない。

(1)
リードの挿入

1)
定位脳手術用のステレオ装置を頭部に固定し、目標とする部位の座標を確認する。

2)
皮膚切開を行い、14mm径のバーホールを開ける。バーホールカバー又はスティムロックのいずれかを選択し、バーホールリングを取り付ける。

※ スティムロックを選択した場合は、センタリングツールを使用してバーホール上にバーホールリングを保持し、骨スクリューをスクリュードライバで固定する。


3)
小穿孔をし、インサーションカニューラ中空を通して目標部位までリードを挿入する。

※ 必要に応じてデプスゲージストップを使用する。


(2)
術中テスト刺激

1)
スクリーニングケーブル(ツイストロック式又はアリゲータクリップ式)を、コネクタスリーブに取り付ける。

2)
スクリーナ出力(Amplitude)がオフになっていることを確かめてから、スクリーニングケーブルのプラグをスクリーナコンセントに差し込む。

3)
スクリーナ出力(Amplitude)をオンにして、テスト刺激を開始する。

4)
適切な刺激が得られるように、いろいろな電極の組合せを試す。


(3)
インサーションカニューラの除去及びリードの固定

1)
頭蓋から現れている部分のリードを保持して、スタイレットを引き出す。

2)
リード保持器からリードを開放したあと、インサーションカニューラをリードから取り除く。

3)
バーホールリング上の溝へ慎重にリードをはめ込む。

※ スティムロックを選択した場合は、インサーションツールを使用してリードクリップをバーホールリングの内側に装着し、リードを開口部に挟んで固定してから、バーホールリング上の溝へリードをはめ込む。


4)
バーホールキャップをバーホールリングに慎重にはめ込む。

5)
「(2)術中テスト刺激」と同様の方法で、刺激パターンを再度確認して、リードのずれが生じていないことを確認する。ツイストロック式スクリーニングケーブルを使用する場合はピンコネクタをリード端部に差し込んで接続する。


[テスト刺激を行う場合]

(4)
経皮トンネル法

1)
頭蓋上のバーホール切開部端で、左右いずれかの側に鈍的切開を加え、余ったリード及びリード/テスト刺激用経皮エクステンション接続部を納めるポケットを設ける。

2)
テスト刺激用経皮エクステンションを導出する部位に、切開創を設ける。

3)
トンネリングツールをパッシングチューブに通してから、ポケットに挿入し、皮下を這わせて切開創から導出する。

4)
パッシングチューブのみを皮下に残し、トンネリングツールを除去する。

5)
パッシングチューブにテスト刺激用経皮エクステンションを通し、パッシングチューブを除去する。

6)
余ったリードはポケット内に25mm径以上のコイル状に巻いて納める。


(5)
リードとテスト刺激用経皮エクステンションとの結合

1)
露出しているリード端部にブーツを被せる。

2)
リード端部をテスト刺激用経皮エクステンションのセットスクリューコネクタ内にしっかりと挿入したあと、付属のトルクレンチを用いて4つのセットスクリューを右回しに回転して締める(刺激を与える前に、セットスクリューは必ずコネクタスリーブと噛み合っている必要がある。)。

3)
ブーツをスライドさせ、リードとテスト刺激用経皮エクステンションとの結合部を覆い、非吸収性縫合糸を用いて結合部の両端を縛る。

4)
リード/テスト刺激用経皮エクステンション結合部をポケットに納める。テスト刺激用経皮エクステンションのピンコネクタを経皮的に体外に残したまま、初期切開口及び創を閉鎖する。


(6)
テスト刺激

1)
テスト刺激用経皮エクステンションのピンコネクタをスクリーニングケーブル(ツイストロック式)のツイストコネクタに取り付ける。
2)
ツイストコネクタをロックする。
3)
スクリーニングケーブルのプラグをスクリーナコンセントに差し込む。

注意:スクリーニングケーブルを接続又は取り外す前には、必ずスクリーナ出力(Amplitude)をオフにする。


4)
テスト刺激を行う。
いろいろなパラメータセッティング(レート、出力及びパルス幅)下で、様々な電極組合せの評価を行う。最適なパラメータセッティング及び電極の組合せが決定したら、システムの残りのコンポーネントの植込み術へ移行する(刺激装置/エクステンションの使用説明書を参照)。


[テスト刺激を行わない場合]

(7)
リードの固定後、残りのシステムを植込む。
リードの固定後すぐに残りのシステムを植え込まない場合は

1)
露出しているリード端部にブーツを被せる。

2)
リードキャップにリードのコネクタ部を差し込み、付属のトルクレンチを用いてセットスクリューを右回しに回転して締める。

3)
ブーツをスライドさせ、リードとリードキャップとの結合部を覆い、非吸収性縫合糸を用いて結合部の両端を縛る。

4)
バーホール切開部端で鈍的切開を加え、皮下ポケットを設ける。リードキャップを皮下ポケット内の適切位置に留置し、余ったリードを25mm径以上のコイル状に巻いて皮下ポケットに納め、創を閉鎖する。

全身MRI検査を行うための植込み基準

特定の検査条件下で全身へのMRI検査を可能にするためには、以下の基準を満たすこと。基準が満たされない場合、全身MRI検査を行うことはできない。

・全身MRI検査への適合が確認された構成品のみを使用すること。

・本品のみを植え込まれた患者の場合は、近位部にリードキャップが接続された状態で、本品が完全に体内へ植え込まれていること。

・患者の体内に、以前植え込まれたものの、既に使用していない脳深部刺激用構成品(リード、エクステンション及びアダプタ、又はそれらの一部)が残存する場合は、すべて抜去すること。

・ほかに植え込まれている医療機器がある場合は、最も厳しいMRI適合性条件に従うこと[ほかの植込み医療機器によって、MRI検査が行えなくなったり、制限されたりする場合がある。]。

・植え込まれたすべての機器のモデル番号及び植込み部位に関する情報、並びにMRI撮影可能部位に関する情報を植込み患者手帳に記入し、患者に渡すこと。

・患者のMRI撮影が必要となった場合は、その都度、検査の依頼前に患者手帳の内容を確認の上、MRI適合性シートに必要事項を記載して、MRI検査実施者に提供すること。

全身MRI検査の実施手順

1.
MRI適合性シートに記載されている内容を確認することで、全身MRI検査が可能であることを確認する。
2.
刺激装置、アダプタ及び本品を植え込まれた患者の場合
MRI検査室への入室前に患者用プログラマ又は医師用プログラマを用いて、設定を刺激装置の指定する条件に合わせて変更する。

3.
本品のみが植え込まれた患者の場合
近位部にリードキャップが接続された状態で本品が完全に植え込まれており、損傷がないことを確認する(本品の一部又は本品に接続された経皮エクステンションが体外に出ている場合及び近位部にリードキャップが接続されていない場合は、全身MRI検査を行うことはできない。)。

4.
定められた条件下でMRI検査を行う。
5.
検査終了後は検査室外で、患者用プログラマ又は医師用プログラマを用いて、刺激装置の設定を元に戻す。

使用方法等に関連する使用上の注意

1.
取扱い
・リードを鉗子で扱うときは、ラバーコートされた鉗子のみを使用すること。

・リード周辺で鋭利な器具を使用する場合は、リード本体の絶縁部に切込みを入れたり、傷つけたりしないように細心の注意を払うこと。

・リードに挿入されたスタイレットは、個々のリードに特に適合させたものであるため、他のリードに挿入して使用しないこと。同じモデル間又は違うモデル間でスタイレットを交換しないこと[適合しないスタイレットを使用するとリードが破損し、交換又は再配置を行うための追加手術が必要となるおそれがある。]。

2.
リードの挿入
・リードの挿入中に抵抗又は摩擦が高まれば、それはリードが意図した進路から逸脱している可能性がある。この状態になったら、リードを引いて戻し、対象に達するまで再度進めること。

・リードを適切な位置に留置するために、メドトロニック社が提供しているバーホールキャップ及びリング、又はスティムロックを使用すること。リードを直接縫合しないこと。他の方法(接着剤、セメント又はプレート)を使用した場合の本システムの安全性、有効性及び考えられる作用については確立されていない。

・スタイレットを抜去したのちにリードの再配置が必要な場合は、新しいリードを使用すること。植え込まれたリードにスタイレットを再び挿入しないこと。

・リードを体外式神経刺激装置に接続する際、スタイレットハンドルがコネクタ部に正しく装着されているか確認すること[正しく装着されていない場合、刺激が断続的になったり、喪失したりするおそれがある。]。

3.
リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションの接続及び取り外し

(1)
リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションとの接続
・接続する前に体液をふき取り、すべての接続部位を乾燥させること[接続部位が汚れていると本システムの作動に影響する。]。

・接続部で生理食塩液などのイオン溶液を使用しないこと[これらの溶液を使用すると短絡を引き起こすおそれがある。]。接続部をブーツで保護する際、ブーツがうまく被せられない場合には、滅菌水を潤滑剤として使用すること。

・付属のトルクレンチのみを使用すること[他のレンチの使用はリードの破損又は不十分な電気接触の原因となる。]。

・リードキャップのセットスクリューを締める際には、コネクタブロックの部分をしっかりと指でつまんで固定し、コネクタブロックが回転しないように注意してトルクレンチを操作すること[コネクタブロックが回転するとリードを損傷するおそれがある。]。

・セットスクリューを締める際は、付属のトルクレンチをセットスクリューの面と垂直になるように保持して、カチッと音がするまで締めること[垂直以外の角度で締めた場合、セットスクリューが完全に締まらなかったり、締め損ねたりするおそれがある。]。

・接続部をブーツで保護する際、縫合糸をきつく縛り過ぎないこと[ブーツ又はリードに損傷を与えるおそれがある。]。

・ポリプロピレン製の縫合糸を使用しないこと[ポリプロピレン製縫合糸がシリコーン製の構成品を破損するおそれがある。]。

・接続後、一時的な植込み位置までリードを移動する際は、リードを折り曲げたり、引っ張ったり、ねじったりしないこと。鉗子を使用する場合は、ラバーコートされた鉗子を使用し、リードキャップのみをつかみ、リードはつかまないこと[リードを直接鉗子でつかむと、リードが破損し交換又は再配置を行うための追加手術が必要となるおそれがある。]。

(2)
リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションの取り外し
・透視下又は触診によってリードキャップの植込み位置を確認し、リードを損傷しないようにリードキャップにアクセスすること。

・リードキャップを皮下から取り出すときは、リードが位置ずれしないように、引っ張らず静かに取り出すこと。リードにたるみをもたせる場合は、リードを慎重につかみ、リードキャップをゆっくり持ち上げて行うこと。

・リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションを取り扱う際は、リードを折り曲げたり、引っ張ったり、ねじったりしないこと。

・ブーツから縫合糸を取り外す際、リードの絶縁部を損傷しないように注意すること[リードの絶縁部を損傷すると、刺激が喪失するおそれがある。]。

・リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションのセットスクリューを緩める際は、セットスクリューコネクタの部分をしっかり指でつまんで固定し、回転するのを防ぐこと[回転するとリードが損傷するおそれがある。]。

・リードキャップ又はテスト刺激用経皮エクステンションからリードを抜去する際に抵抗が感じられる場合は、少しセットスクリューを緩めてコネクタ部を遮らないようにすること。その際、セットスクリューが外れないようにすること。抜去する前に抵抗を感じた場合は、コネクタ部に損傷(リードの平坦化又は伸長)がないか点検すること。(リードキャップ及びテスト刺激用経皮エクステンションは、一時的な使用を意図して設計されている。)


4.
バーホールカバー又はスティムロックの取付け

(1)
バーホールカバー又はスティムロックの固定
固定中に、リードを引っ張り過ぎないこと[引っ張り過ぎると、植え込んだリード電極の位置がずれ、元の位置に戻す必要が生じる。]。

(2)
スティムロックの取付け
・スクリューは締め過ぎないこと[スクリューを締め過ぎると、バーホールリングが損傷し、交換が必要になる場合がある。]。

・リードクリップの取付けの際、植え込まれたリード電極の位置がずれないように、慎重に行うこと[リード電極の位置がずれた場合は、元の位置に戻す必要がある。]。

・わずかに角度をつけてリードクリップをバーホールリングに挿入すること[リードクリップが急角度で挿入されると、適切に固定されない場合がある。]。

・バーホールリングにバーホールキャップをはめ込む前に、リングのスロットにリード本体があることを確認すること[リード本体がスロットに正しく設置されていないと、キャップによってリードが破損し、リードの取替えが必要になる場合がある。]。


5.
**MRI検査
MRI全身対応の構成品のみ植え込んでいる場合、【使用方法等】の[MRI 検査条件]において、以下の注意事項を守って全身へのMRI検査を行うこと[制限を超えると、過剰な発熱による組織損傷のリスクが高まる。]。

・植込み患者手帳の作成時、植え込まれている構成品を確認するには、医師用プログラマを用いるほか、必要に応じてX線検査を実施し、植え込まれている構成品が全身MRI検査に対応しているか否かを確認すること。

・リードのみを植え込んだ患者について、近位部にリードキャップが接続されていない場合は、【使用上の注意】、「相互作用」の「(2) 併用注意」に記載された条件に従った頭部MRI検査のみが可能であることに注意すること。

・3本以上のリードが植え込まれているケース及び同側に2本以上のリードが植え込まれているケースでは、全身MRI検査を実施した場合の安全性が確認されていないため、全身MRI検査は行えないことに注意すること。

・本システムを植え込んだ患者に対するMRI検査は、本当に必要な場合にのみ行うこと。CT、X線、超音波その他のより安全な方法で十分な診断情報が得られる場合は、MRIの使用は検討されるべきではない。

・植え込まれているリードが断線している患者に対してMRI検査を行わないこと[断線部又はリード電極部において過剰な発熱による組織損傷のリスクが高まる。]。

・トラブルシューティング時に、インピーダンステストの結果のみをあてにしないこと[テスト時と治療用パラメータが設定されたときとでは、神経刺激装置のインピーダンス確認時のデータの精度は変動する。]。

・MRI撮像を行うために患者に植え込まれている神経刺激装置の出力をオフにするかどうかの判断は、その患者の病状を基に慎重に行うこと。

・振戦の軽減を目的として本品を植え込んでいる患者にMRI撮像を実施するかどうかの判断は慎重に行うこと。神経刺激装置の出力をオフにすると、振戦症状が戻り、MRIの画質が低下する。

・リードのみを体内に留置したままにする患者に対してMRI撮像が予定されている場合は、留置される前に、リードの接続部がリードキャップで覆われているか確認すること[リードの接続部が露出している場合、MRI撮像中に予期しない刺激が生じるリスクが高まる。]。

・オートプレスキャンののちに手動でMRI撮像の設定を行う場合、SARが増加するようないかなる調整も行わないこと[MRI装置の中には、自動的にSAR値の表示が更新されないものもあるため、過剰な発熱による組織損傷のリスクが高まる。]。

・体外で使用する機器(体外式神経刺激装置、患者用プログラマ、医師用プログラマ、リチャージャー等)をMRI検査室に持ち込まないこと[これらの機器はMRIの磁場による影響を受ける可能性がある。]。

・MRI検査の際に刺激装置の出力をオフにする場合は、検査の前に刺激がオフになっていることを確認すること[検査中に刺激装置がオンであると、不快な意図しない刺激が生じるおそれがある。]。

・SAR値が正確に算出されるよう、MRIコンソールに患者の正確な体重を入力すること[RFが不適切に高い場合、過剰な発熱による組織損傷のリスクが高まる。]。

・本品の近傍が撮影ターゲットである場合、実寸法に対して電極部分で約3〜4倍、ボディ部で約2〜3倍の範囲でイメージの歪み(アーチファクト)が発生する可能性がある。撮影の際は、本品によるアーチファクトについて考慮すること。本現象を回避するには、刺激装置、アダプタ及び本品の除去又はMRI以外の方法での撮影が必要になる可能性がある。
刺激装置及びアダプタによるアーチファクトの範囲については、接続する機器の添付文書を参照のこと。

・可能な限り鎮静をかけず、MRI検査中は患者の状態を観察すること。不快感、予期せぬ刺激、発熱などを患者が検査技師に報告できるようにすること。患者が問いかけに反応しなかったり、問題を訴えたりした場合には、直ちにMRI検査を中止すること。

使用上の注意** *

適応

脳深部刺激療法については、以下のガイドラインを参照し、患者への適用を検討すること。

・パーキンソン病治療ガイドライン(日本神経学会)

・定位・機能神経外科治療ガイドライン(日本定位・機能神経外科学会)

ジストニアへの適用に関する注意

(1)
試験刺激
ジストニアに対しては術中刺激において治療効果を検出することは難しい。試験刺激を行う場合は、副作用の発現する閾値を記録することを目的とするべきである。ジストニアに対して試験刺激を行う場合は、パルス幅を120μs以上に設定すること。

(2)
患者の成長

1)
身体的成長が継続している患者に対しては、リード及びアダプタの緊張に対する緩衝が十分であるか術後継続して評価すること。アダプタを1サイズ長いものに変更する必要性について考慮すること。

2)
脳の成長が90%以上完了していると考えられる患者(手術時年齢7歳以上)に対し、脳深部刺激療法を行うことを推奨する。脳及び頭蓋の成長に伴い、リードが適切な位置から移動する可能性がある。また、脳の成長が見込まれる場合、植込み時には電極の1又は2を使用するように植え込むことで、成長に伴う刺激効果の変化に対しプログラムによって対応できる可能性がある。


(3)
治療効果
ジストニアの患者では急激な症状の抑制は得られにくい。非侵襲的なパラメータの調整が数週間から数ヶ月にわたり複数回必要となることがある。

(4)
症状の再発及びリバウンド効果
充電忘れなど何らかの理由による刺激装置の停止は、症状が再発する原因となる。再発した場合、システム植込み前より症状が強くなることがあり(リバウンド効果)、緊急的な医療処置が必要となる場合がある。患者及び介助者には、充電の重要性及び機器の交換時期の確認方法を説明し、症状が再発した場合は早急に担当の医師に連絡するよう指導すること。

ジストニア重積が懸念される患者には、刺激装置を2台用いて片側ずつ刺激することで、リスクが低減される可能性がある。

重要な基本的注意

(1)
使用注意

1)
リードの複数植込み、使用しなくなったリードの放置、リード交換及びリード摘出に関する長期の安全性は不明である。

2)
リード材質であるポリウレタンの長期安全性は不明である。

3)
DBS治療の36か月を超える長期安全性及び有効性に関しては十分に情報が得られていない。


(2)
刺激装置のケース部の損傷
外部からの力によってケース部に亀裂又は穿孔が生じた場合、内部電池の化学薬品で重度の火傷を引き起こす可能性がある。

(3)
パラメータ設定に関する注意

1)
過度の刺激を回避すること。
患者を観察しながらパラメータを設定すること。臨床使用可能なパラメータ範囲でも、患者の状態又はリード配置によって強い刺激が発生する可能性がある。また、頻回刺激によってキンドリング発生のおそれがある。

2)
刺激パラメータをプログラムする際には、電荷密度に関する以下の事項について考慮すること。
電荷密度:神経細胞の電気的刺激に関する文献調査によると、当該製品を使用した場合30μクーロン/cm2/フェーズ(単一刺激パルス)を超えると、神経組織を損傷する可能性があることが示唆されている。刺激装置は、この30μクーロン/cm2/フェーズを超える電荷密度を出力する性能を備えている。


表の縦軸は、設定可能な振幅(V)、横軸はパルス幅(μsec)を示している。表の曲線は、電極抵抗が500、1,348及び2,000Ωの場合に電荷密度が30μクーロン/cm2/フェーズになる線であり、安全域と危険域との境界を表している。この境界線は電極抵抗によって異なり、抵抗値が高いほど安全域は広くなる。選択するパラメータ設定値が、各患者の電極抵抗値曲線の下側にあれば、電荷密度は30μクーロン/cm2/フェーズより小さいことになり、上側にあれば電荷密度がこれを超えることになる。なお、臨床試験における電極抵抗の平均値は、1,348Ω(610〜2,000Ω)であった。以上のことを参考にし、十分に注意してパラメータを設定すること。

振幅、パルス幅などのパラメータを高く設定した場合、脳組織を損傷するリスクがある。推奨出力設定を超える値にパラメータを設定する場合には、ソフトウェアプログラミングガイドに記載されている電荷密度に関する警告を十分に考慮して設定すること。電荷密度の基準範囲を超える値に刺激パラメータを設定する場合、プログラマに警告が表示される。

3)
30Hzより低いレートに設定しないこと。
振戦及びパーキンソン病の運動障害で30Hzより低いレートに設定すると、振戦が誘発されるおそれがある。

4)
電池寿命及び脳の標的部位の選択
本システムを淡蒼球(GPi)に植え込んだ場合は、視床下核(STN)に植え込んだ場合よりも強い刺激設定になる可能性があり、その結果電池寿命が短くなるおそれがある。


(4)
患者選択
充電式刺激装置に対する患者の適性は慎重に判断すること。植込み期間中は、以下に示す患者の能力を考慮すること。

・自力又は介助者による補助の下で、患者用プログラマ及びリチャージャを正しく操作する能力

・自力又は介助者による補助の下で、ホルスターを正しく装着する能力

・自力又は介助者による補助の下で、刺激装置の電池残量確認を毎日の習慣として行う能力

米国では、患者が電池残量の確認を習慣として行う意志及び能力の判断材料のひとつとして、患者の継続的な服薬コンプライアンス状況を確認しているので、これを参考としてもよい。

(5)
植込み時の注意
リードとアダプタとのコネクタ部は、頸部の軟部組織に植え込まないこと[リード破損の発生率が高まる。]。

複数のリードを植え込む場合、両者の間の面積が最小となるようにリード-アダプタ(又はエクステンション)の経路を決めること(下図) [リード-アダプタをループ状にして通した場合、患者が何らかのEMI源(盗難防止装置など)にさらされたときに瞬間的な刺激の増大を感じるおそれがある。]。


2本のリード-アダプタの経路の決定


(6)
患者フォローアップ
パーキンソン病患者には、うつ若しくは精神症状を合併する場合又は薬の副作用等によって同症状を引き起こす場合があり、DBS治療との因果関係は確認されていないが、自殺企図の報告がある。患者の心理状態及び病態の変化を注意深くフォローアップすること。

(7)
医療処置間の調整―刺激装置の電源切断
診断又は医療処置のために、患者に植え込んだ刺激装置の電源を切ろうとする場合、患者の病状を考慮して慎重に決定すること。適切な医療専門家(処方医師及び植込み医師)に相談することが望ましい。

(8)
** *患者の活動

1)
体内に植え込まれている構成品に過度の応力がかかるおそれがある活動(急激、過度又は反復的な曲げ、ねじり、若しくは伸長)は避けるよう、患者に助言すること。また、皮膚の上から刺激装置及び構成品をむやみに触らないように指導すること[構成品の破損又は脱落によって、刺激の喪失、刺激の一時的な停止又は破損部位の刺激を引き起こし、交換又は再配置を行うための追加手術が必要となるおそれがある。びらん又は植込み部位での刺激が起こる可能性がある。]。

2)
DBSの副作用として、泳ぐことができなくなる等の協調運動失調の可能性があるため、潜在的な危険を伴う活動(水泳等)に参加するときに注意が必要である。
術後もしくは刺激調整後は、協調運動に対するDBSの効果が確認されるまでは安全が確保できる監視の下で活動を行うこと。

3)
スキューバダイビングまたは高気圧室

10メートル(33フィート)を超えて深く潜ったり、2.0絶対気圧(ATA)を超える高気圧室に入ったりしないこと[水深10メートル(33フィート)以下または2.0絶対気圧以上の圧力は、DBSシステムに損傷を与えるおそれがある。ダイビングまたは高圧室入室前に、高圧力の影響について担当医に相談すること。]。


4)
スカイダイビング、スキーまたは山中でのハイキング

高度によるDBSシステムへの影響はないが、計画している活動に伴う動作について考慮し、植え込まれているシステムに過度の圧がかからないように注意すること[スカイダイビングでは、パラシュートが開くときに突然ぐっと引っ張られることによって、リードのずれや破損を引き起こし、リードの修復または交換のための外科手術が必要になるおそれがある。]。


(9)
**使用環境における注意

1)
患者の活動
本システムは電池消耗及びその他の原因によって予期せず機能が停止することがあるため、患者の状態が再発した場合を考慮して、潜在的な危険を伴う操作(電動工具の使用、自動車の運転等)をしないよう医師が助言すること。

2)
盗難防止装置/金属探知機
公共図書館、デパート、空港等に設置された盗難防止装置によって、刺激が途切れたり、瞬間的に刺激が強くなったり、刺激装置のオン/オフを切り替えたりする可能性がある。また、閾値の低い患者の中には、盗難防止装置のそばを通過する際に一時的に刺激が増加すると感じることがあり、この強い刺激を「ショックを受ける」、「ぎょっとする」などと報告することがある。以下を患者に指導すること。

・可能な限り盗難防止装置から離れて歩き、立ち止まらないこと。

・ハンディタイプの探知機が使用される場合は、刺激装置の周囲を避けてもらうよう担当者に伝えること。

3)
商工業用電気機器
商工業用電機機器によるEMIは、接近し過ぎると刺激装置の動作干渉を起こすほどのEMIを生じることがあるため、患者は次の機器若しくは環境に注意する、又は避ける必要がある。

CB無線又はアマチュア無線のアンテナ、溶接機器、電気誘導加熱炉、電気製鋼炉、高出力のアマチュア無線発信器、高電圧領域(塀で囲われた領域外では安全)、線形電力増幅器、消磁装置、強い磁場を作り出す磁気装置又はその他の装置、マイクロ波通信発信器(塀で囲われた領域外では安全)、潅流装置、抵抗溶接機、テレビ及びラジオの送信塔(塀で囲われた領域外では安全)、全自動麻雀卓、露出したエンジン、磁石を用いた大型ステレオスピーカ 


これらの機器が刺激装置の機能を干渉している(本システムの間欠刺激、一時的な刺激の増大、プログラム値のリセットなど)と疑われる場合、患者は以下を実施すること。

・その機器若しくは対象物から離れる、又は刺激装置をオフにする。

・可能であれば、その機器又は対象物の電源をオフにする。その後必要であれば、患者用プログラマを使って刺激装置の電源をオン、オフなど希望する状態に戻す。

・その機器の所有者に発生事実について知らせる。

これらの機器が刺激装置の機能を干渉している(本システムの間欠刺激、一時的な刺激の増大、プログラム値のリセットなど)と疑われる場合、患者は以下を実施すること。

・その機器若しくは対象物から離れる、又は刺激装置をオフにする。

・可能であれば、その機器又は対象物の電源をオフにする。その後必要であれば、患者用プログラマを使って刺激装置の電源をオン、オフなど希望する状態に戻す。

その機器の所有者に発生事実について知らせる。

以上のことを実施しても干渉の影響が解決されない場合、又はEMIにさらされたのちに治療の効果がないと疑われる場合、患者は医師に連絡する必要がある。

4)
高周波発生源
アナログ式及びデジタル式携帯電話、AM/FMラジオ、コードレス電話及び従来型の有線電話には永久磁石が内蔵されている可能性がある。刺激装置のオン/オフが誤って切り替わらないようにするため、体内に植え込まれている刺激装置と上記機器との距離を10cm以上離すこと。

5)
家庭電化製品
正しく接地され正常に作動している一般的な家庭電化製品は、本システムの動作と干渉を起こすほどのEMIを生じることはない。次の家庭用機器は、患者が以下のガイドラインを守っていれば通常は安全である(正しく接地されていない、又は漏電の可能性のある電化製品には触れないように指導すること。)。

・冷蔵庫又は冷蔵庫のドア若しくは防風ドアなどの磁石:ドアの磁気帯の部分に寄り掛からないこと。

・電動工具:モータを刺激装置、リード及びエクステンション/アダプタから離して使用すること。

・ミシン又はサロンのヘアドライヤ:刺激装置をモータから離して使用すること。

・パソコンのディスクドライブ:刺激装置から離して使用すること。

・IH調理器:ヒータがオンになっている間は刺激装置をヒータから離すこと。


(10)
症状の再発及びリバウンド効果
ジストニア以外の適応においても、電池消耗、予期しない故障その他の原因によって刺激装置の機能が突然停止した場合、システム植込み前より症状が強くなることある(リバウンド効果)。患者及び介助者には、症状が再発した場合は早急に担当の医師に連絡するよう指導すること。

相互作用

併用する機器からのEMIは、一時的な刺激の増加、間欠刺激など不快感を伴う刺激を受ける原因となり得るほか、植え込んだ機器が発熱し周囲組織を損傷することによって、患者への重篤な障害又は死亡を招くおそれがある。また、本システムが損傷したり、刺激装置の動作が変化(リセット、停止など)したりする原因となるおそれがある。

本システムの一部を摘出後、いずれかの構成品(刺激装置、リード、エクステンション及びアダプタ、又はそれらの一部)が体内に留置されている患者は、EMIによって有害な影響を受けやすい状態にある。

本システムの構成品が体内に植え込まれている患者が医療処置を受ける前に、本システムが植え込まれていることを医療従事者に伝えること。

(1)
併用禁忌(併用しないこと。)
医療機器の名称等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
ジアテルミー 電極植込み部位が発熱し、周辺組織に損傷を引き起こした結果、患者が重大な障害を受けたり、死亡したりするおそれがある。また、刺激装置を破損させるおそれもある。この損傷は、刺激装置のスイッチのオン/オフにかかわらず発生し、リードのみが植え込まれている患者にも、同様なリスクがある。また、本システムの植込み部位に限らず、身体のいずれかの部位でジアテルミーを使用しても、同様のリスクがある。
[措置] 絶対に行わないこと。 
高周波エネルギーが伝達し、発熱する。 
経頭蓋磁気刺激装置及び精神科用の電気ショック療法装置 刺激装置又はリードの位置ずれが生じたり、過大な電流の発生又は電極部位の発熱によって電極周辺組織が損傷したりする可能性がある。また、「ぎょっとする」又は「ショックを受ける」ような不快感を伴う刺激の原因となり得る。
[措置] 絶対に行わないこと。 
電磁波によって誘導電流が発生し、発熱する。
磁場又はRF波が金属に影響する。 
他社製の神経刺激装置、エクステンション又はアダプタ 刺激装置の破損、不十分な刺激又は過剰な刺激によって、患者に対するリスクを高める可能性がある。  


(2)
併用注意(併用に注意すること。)
本システムの植込み患者に、本項に記載されている医療処置を施した場合は、使用後に本体の機能が正常であることを確認すること[EMI等による機能不全が生じる可能性がある。]。

医療機器の名称等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
MRI 本品は、MRI全身対応機器である。MRIを使用する際は、必ず取扱説明書を参照すること。
本品と組み合わせて植え込まれる構成品に適した条件及び注意事項に従ってMRI検査をすること。
構成品が全身MRI検査の条件を満たさない場合:頭部MRI検査を行う場合は下記の項目に従い実施すること。
・MRIを使用する際は、必ずMRIガイドラインを参照すること。
・他の植込み機器などによってMRIが禁止される要因がある場合には、MRIを行わないこと。
・CTスキャン、X線、超音波などで十分に情報が得られる場合は、他の診断方法を使用すること。
・振戦患者の場合は、刺激装置をオフにするとぶれが生じて画像の質が下がる可能性がある。MRIの必要性を十分に検討すること。
・リードが断線している場合はMRIを行わないこと。
・刺激装置をオフにすること。
・送受信型頭部用RFコイルのみ使用すること。
・本システムの植込み部位に送受信型頭部用RFコイルが重ならないようにすること。
・1.5T水平方向クローズドボア(トンネル)型、静磁場強度の空間的勾配の最大値19T/mのMRIシステムを使用し、高周波(RF)磁場の周波数は約64MHzであること。オープン型又は他の磁場強度によるMRIは使用しないこと。
・MRIコンソールに正しい患者体重を入力し、頭部SAR値が正しく算出されることを確認すること。
・頭部SAR値を0.1W/kg以下に制限すること。
・MRI装置に表示されたSAR値が頭部のSAR値であることを確認すること。
・傾斜磁場強度をスルーレート200T/m/s以下に設定すること。
・可能な限り鎮静をかけず、MRIスキャン中は患者のモニタリングを行うこと。
構成品に適さない措置及び条件でMRI検査をした場合
・本システムが発熱する。特に電極植込み部位が発熱し、周辺組織を損傷させることによって、重篤な障害に至る可能性がある。リードが断線している場合、断線部分又は電極部分で通常以上に高い熱が発生する可能性がある(リード/アダプタのみ植え込まれている場合も起こり得る。)。
・刺激装置の振動、引っ張られるような感覚又は術創の不快感が生じる可能性がある。
・不快な刺激が生じる可能性がある(リード/アダプタのみ植え込まれている場合も起こり得る。)。
・本システムの破損(摘出・交換が必要)又はプログラム値のリセット(医師用プログラマによる再プログラミングが必要)が起こる可能性がある。 
MRIからの磁場又はRF波による誘導電流の発生及び本システムの温度上昇。
磁場又はRF波が金属に影響する。 
植込み型心臓ペースメーカ/植込み型除細動器 併用機器の動作・治療に、センシング阻害、不適切な作動等の悪影響のおそれがある。
本システムの損傷又は組織損傷の可能性がある。
[措置]
・本システム及び植込み型心臓ペースメーカ/植込み型除細動器に関与する医師が、両装置間で生じる可能性のある相互干渉について手術前に話し合うこと。
・両装置をできるだけ離れた位置に植え込むこと。
・心臓治療用装置による刺激装置の出力感知を最小限に抑えるため、刺激装置を双極、レート60Hz以上にプログラムし、心臓治療用装置は双極センシングにプログラムすること。 
刺激装置からの出力によるセンシングへの干渉。
除細動治療による刺激装置の損傷。 
体外式除細動器 本システムの損傷又は組織損傷の可能性がある。
[措置]
・本システムに流れる電流を最小限にするため、以下に従い使用すること。
 - 除細動器のパドルを刺激装置からできる限り離すこと。
 - 除細動器のパドルを刺激装置及びリードと垂直になるように置くこと。
 - 最小エネルギーを出力すること。
・使用後に本システムが正常に作動することを確認すること。 
除細動治療による刺激装置の損傷。
併用機器からの出力が本システムに流れる。 
CTスキャン 刺激装置がオンの状態でCTスキャンを実施すると、刺激が増大し、組織損傷及び本システムが損傷するリスクが高まる。
[措置] 刺激装置をオフにすること。 
X線照射による電子回路の誤作動。 
電気メス 刺激装置の一時的な出力抑制若しくは増大又はプログラム変更のおそれがある。
リード又はアダプタの絶縁が損傷するおそれがある。その結果、構成品が故障したり、患者の体内で誘導電流が発生し組織損傷又は不快な刺激を引き起こしたりするおそれがある。
[措置]
・刺激装置をオフにすること。
・刺激装置又はリードの植込み部位周辺で用いないこと。
・リードと体外式刺激装置とを接続するケーブルを外すこと。
・双極メスを用いること。
・やむを得ず単極メスを使用する場合は、次を遵守すること。
 - 低電圧モード及び低出力で使用すること。
 - 本システムから電流路(接地板)及び伝導経路をできるだけ離すこと。
 - フルレングスの手術台用接地パッドを使用しないこと。
 - 電気メスの電流が刺激装置とリード電極との間に引いた線に対して垂直方向に流れるようにして使用すること。
・電気メス使用後、刺激装置の機能を確認すること。 
高周波による電子回路の損傷。 
レーザ処置 特にリード電極の植込み部位が加熱され、組織損傷を引き起こすおそれがある。
[措置]
・刺激装置をオフにすること。
・レーザを本システムの方向に向けないこと。 
出力エネルギーによる本システムの損傷。 
高周波(RF)又はマイクロ波焼灼機器 安全性は確認されていない。組織損傷を引き起こすおそれがある。 併用機器からの出力が本システムに流れる。 
骨成長刺激装置 安全性は確認されていない。
[措置] 使用中は両装置とも正常に作動していることを確認すること。 
併用機器からの出力が本システムに流れる。 
脳記録装置(EEG、EMG、PET等) EMIを発生する機器を用いた記録法の安全性は確認されていない。 併用機器からの出力が本システムに流れる。 
経皮的末梢神経電気刺激(TENS) 干渉するおそれがある。
[措置]
・本システムのTENS電流が流れるような位置にTENSの電極を配置しないこと。
・干渉している場合は、TENSの使用を中止すること。 
併用機器からの出力が本システムに流れる。 
磁気治療器(磁気ネックレス等) 刺激装置のオン/オフが切り替わるおそれがある。
[措置] 使用しないよう患者に助言すること。 
磁力による電子回路への干渉。 
放射線照射治療(コバルト60及びガンマ放射線等) 刺激装置の作動が一時的に阻害されたり、刺激装置を損傷したりするおそれがある。
[措置]
・放射線源を刺激装置に向けないこと。
・刺激装置の近くで放射線療法を施行する場合は、装置の植込み部位を鉛シールドで覆い、放射線による損傷を防ぐこと。 
放射線による電子回路の損傷。 
超音波診断装置 刺激装置が機械的な損傷を受けるおそれがある。
[措置] 植込み部位を直接スキャンしないこと。 
超音波による電子回路の損傷。 
結石破砕装置(高出力超音波) 刺激装置が高出力の超音波にさらされて破損するおそれがある。
[措置] 高出力超音波治療を行わないこと。万一必要な場合は、ビーム焦点を装置から15cm以上離すこと。 
高出力超音波による電子回路の損傷。 
心電図(ECG) 刺激装置をオンにした状態でECGを施行すると、ECGの記録機能が有害な影響を受け、不正確な結果が得られる可能性がある。その結果、患者に対して不適切な治療が行われるおそれがある。
[措置] 刺激装置をオフにすること。 
刺激装置からの出力によるECGへの干渉。 

不具合・有害事象

(1)
重大な不具合
予期することのできない故障(短絡、断線、絶縁被覆の破損その他回路の故障)又は(使用期限満了前の)電池の不良によって本システムの機能が完全に停止することがある。

(2)
重大な有害事象

1)
リード、エクステンション/アダプタ若しくは刺激装置、又はそれらすべての植込み手術において、予想される有害事象は以下のとおり。
・術直後の頭蓋内出血又は脳梗塞[一時的若しくは恒久的な神経障害又は死亡に至るおそれがある。無症候性の場合もある。]

・麻酔に関連する合併症(アレルギー反応、低血圧症、吐き気及び嘔吐、頭痛等)

・機器の植込み及び抜去に関連する問題又は合併症(リードの植込み又は抜去が困難、バーホールリング及びカバーの脱落、機械的・電気的な作用で発生する合併症等)

・髄液瘻、気脳症

・深部静脈血栓等の一般的な合併症

2)
*リード、エクステンション/アダプタ若しくは刺激装置、又はそれらすべての植込み後、予想される有害事象は以下のとおり。
・遠隔期の頭蓋内出血又は脳梗塞[一時的若しくは恒久的な神経障害又は死亡に至るおそれがある。無症候性の場合もある。]

・材質に対するアレルギー反応又は免疫性反応

・手術部位における合併症(敗血症に至る感染、創離開、一時的若しく又は持続的な疼痛又は一時的若しくは持続的な漿液腫又は血腫)

・リード、エクステンション/アダプタ又は刺激装置植込み部位における皮膚の浸食(びらん)リード又は刺激装置の移動

・エクステンション/アダプタ又は刺激装置植込み部位での線維症

・ジストニア重積、およびジストニア重積による呼吸困難や横紋筋融解症[DBS治療中断時、またはDBS治療中においても、ジストニア重積が発生するおそれがある。]

・脳及び(又は)中枢神経系にかかわる感染から生じた髄膜炎、脳炎、脳膿瘍

・リード周囲の局部の巣状の浮腫

・リード先端部周辺の脳実質内無菌性嚢胞形成

・以下のような、一時的又は恒久的な新しい神経症状の発現又は既存の神経症状の悪化

- 視覚障害(例:複視、眼球運動障害その他視野への影響)

- 言語障害又は嚥下障害(構音障害、発語障害、流涎症など)

- 運動障害及びバランス障害(失動症、すくみ、運動緩慢、ジスキネジア、麻痺、無力症、筋痙攣/筋固縮、振戦、バランス失調/協調運動失調、歩行障害、めまい、不随意運動、舞踏病、ジストニアなど)

- 知覚異常(感覚異常又は感覚減退)

- 知的障害(注意力欠如、認知障害、書字障害、記憶障害、混乱、傾眠症、無気力など)

- 睡眠障害(不眠症又は異常な夢見)

- 精神障害及び行動障害(大うつ病、自殺念慮、自殺行動、心因性精神病、妄想、幻覚、不安、異常行動、興奮、せん妄、強迫性障害又は固執)

- 症状の進行

- てんかん発作

- 効果の喪失


3)
ジストニアへの適用について、文献調査で報告された有害事象は以下のとおり。
・片麻痺

・運動障害の悪化、嚥下障害

・知覚障害

・発語障害、言語障害

・皮下出血又は血腫

・脳脊髄液異常

・感染、皮膚の浸食(びらん)

・デジャブ(既視感)

・刺激がオンのときの不快な咳

4)
MRIの実施における不具合及び有害事象
昏睡状態、麻痺状態又は死亡といった重篤かつ恒久的な障害(本品の電極周辺組織の発熱による)、不快な刺激、ポケットの組織損傷(刺激装置の発熱による)、デバイスの移動、デバイス周辺の組織損傷・不快感(デバイスの振動による)、不適切なプログラミング又は回路若しくは電池の予測できない故障

保管方法及び有効期間等

有効期間

スティムロックを含まない製品:4年[自己認証(当社データ)による]

スティムロックを含む製品:3年[自己認証(当社データ)による]

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

日本メドトロニック株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

(記載なし)

電話番号

イネイブリングテクノロジー/ニューロモデュレーション事業部 TEL:0120-901962