機械器具等 12 理学診療用器具

半自動除細動器

半自動除細動器 TEC-2500シリーズ カルジオライフS

取扱説明書を必ず参照する

作成又は改訂年月

**2011年12月22日改訂(第5版)

*2010年8月20日改訂(第4版)

承認・届出等

販売名

半自動除細動器 TEC-2500シリーズ カルジオライフS

添付文書管理コード

22000BZX00119000_A_01

承認番号

22000BZX00119000

承認・認証年月等

平成20年2月

一般的名称

一般的名称
37805000
半自動除細動器

警告

(記載なし)

禁忌・禁止

併用医療機器[相互作用の項参照]

・高圧酸素患者治療装置内での使用
・可燃性麻酔ガスおよび高濃度酸素雰囲気内での使用
・磁気共鳴画像診断装置(MRI装置)
 

使用方法

・除細動を行うときは、患者の胸部に装着した電極および貼付してある薬剤を取り除いてください。[除細動器のパッドがこれらの物に直接触れると、除細動の効果が減少します。また放電エネルギによりその部位で熱傷を生じます。]
 
・除細動を行うときに、患者の体が濡れている場合は、体の表面を拭き、両方のパッドが電気的につながらないようにしてください。[除細動の効果が減少します。]
 

形状・構造及び原理等

本装置は、心室細動時に心臓に大電流を短時間通電させることにより、心室細動または心室性頻拍を除去する除細動器です。
本装置は、心室細動および心室性頻拍の検出機能を持つ小型、軽量な半自動除細動器で、除細動が必要な不整脈を検出した場合、自動的にエネルギを充電することによって、救急医療現場での迅速な処置を可能にした医療従事者専用の装置です。
また、3リードまたは6リードによる心電図、動脈血酸素飽和度(SpO2)、CO2濃度を画面上でモニタリングできます。
本装置の機種による機能の相違を以下に示します。

機 能     機 種 
  TEC-2503     TEC-2513   
記録器     − 有り 


 
外観図
 


上図はTEC-2513です。

 

構成一覧

名 称 個 数 
本体 TEC-2503/TEC-2513        選択   
付属品   一式   


備考:
 
・構成品および付属品は単独で販売されます。

・本装置の付属品については、取扱説明書 技術資料「付属品」の項を参照してください。

・本装置で使用する電極・センサ類については、日本光電工業(株)で認証または届出済みです。詳細は、取扱説明書 技術資料「オプション」の項を参照してください。

 

原理

 
高圧充放電部
 
バッテリからの電圧をスイッチング回路により昇圧し、コンデンサにエネルギを充電します。本体のショックボタンに同期して、コンデンサに接続されている半導体スイッチによりコンデンサ側から除細動パッド側へ切り換え、エネルギを除細動パッドへ一定時間放電します。その後、スイッチング回路により逆方向に電流を流します。

 
モニタ(セミオートモード、セミオートモード(小児モード)共通)
 
除細動パッド、電極リード線より入力された心電図は、患者回路、増幅器、フィルタを通り、アナログーデジタル変換され、LCD画面に表示されます。心電図解析処理は、ソフトウェアにて行われ、平均振幅0.1mV以上の心室細動および心拍数が180以上の心室性頻拍の検出を行います。

CO2は、CO2センサキット内でアナログ−デジタル変換処理された信号が、シリアル通信で除細動器本体へ入力され、LCD画面に表示されます。

SpO2は、プローブより入力されたSpO2信号が、増幅器、フィルタを通り、アナログ−デジタル変換され、LCD画面に表示されます。

 

使用目的、効能又は効果

使用目的

本装置は心電図を解析し、除細動が必要な不整脈の場合、自動的にエネルギを充電し、心臓に大電流を短時間通電させることにより、心室細動または心室頻拍を除去します。

 

品目仕様等

 
1. 除細動部

 
1) 選択エネルギ表示
選択エネルギ表示(負荷抵抗50Ωに供給されるエネルギのジュール表示)がある

 
2) 出力エネルギ精度
 
充電エネルギに対して(負荷抵抗50Ω) 10%以内
負荷抵抗 25Ω (0.85×Eset)±15%以内
負荷抵抗 75Ω (1.06×Eset)±15%以内
負荷抵抗 100Ω (1.10×Eset)±15%以内
負荷抵抗 125Ω (1.12×Eset)±15%以内
負荷抵抗 150Ω (1.14×Eset)±15%以内
負荷抵抗 175Ω (1.15×Eset)±15%以内

 
3)エネルギの充電時間
 
マニュアルモード

200Jまで5秒以内(新品満充電バッテリ、常温(20℃)のとき)

200Jまで5秒以内(新品満充電バッテリにて200Jを15回放電後、常温(20℃)のとき)

電源オンから充電完了まで200Jまで7秒以内(新品満充電バッテリにて200Jを15回放電後、常温(20℃)のとき)

 


セミオートモード

解析開始から充電完了まで200Jまで7〜14秒以内(新品満充電バッテリにて200Jを15回放電後常温(20℃)のとき)

電源オンから充電完了まで200Jまで9〜16秒以内(新品満充電バッテリにて200Jを15回放電後常温(20℃)のとき)


 
4) モニタの回復
 
パッドECG
  ・復帰時間 :3秒以内
  ・VF認識時間:20秒以内

(パッド貼り合わせ)
  ・復帰時間 :10秒以内
  ・VF認識時間:20秒以内

リードECG
  ・復帰時間 :10秒以内(他装置からの除細動出力印加時)
  ・復帰時間 :3秒以内(自己の除細動出力印加時、時定数:0.32秒にて)

 
5) モニタの妨害
 
10Hz 1mVp-p正弦波入力時、充電中および内部放電中の乱れが
  ・パッドECG:0.2mV以下かつ20%未満
  ・リードECG:0.2mV以下かつ20%未満

 
6) 内部電源
 
動作時間

新品満充電 20℃
  ・除細動(200J):60回以上
  ・モニタ動作 :80分以上
   (SpO2プローブ、CO2センサキット未接続時)

新品満充電 0℃
  ・除細動(200J):
    マニュアルモード:50回以上
    セミオートモード:45回以上

交換の要求
  交換要求指示後少なくとも3回の200J充放電が可能

充電完了表示
  充電完了の表示がある

7日間放置
  7日間放置(20℃ 65%)後
    ・マニュアルモード
     15回目の200J充電時間:15秒以内
    ・セミオートモード
     15回目のVF入力から充電完了まで:30秒以内

 
7) 同期モード
 
同期モード表示がある

同期パルスと放電指示の両方があるときのみ放電する

遅れ時間
  ・パッドECG:60ms以下
  ・リードECG:60ms以下

電源ON時のモード:非同期

 
8) 波形解析精度
 
除細動適用波形(VF):感度90%以上
除細動適用波形(VT):感度75%以上
除細動適用外波形 :特異度95%以上

 
9) 放電波形
切取型指数関数−定電力二相性波形

 
10) 放電波形の形状


上記放電波形の負荷抵抗ごとの各パラメータが下表を満たすこと。

 
負荷抵抗ごとのパラメータ[標準値]
 
出力エネルギ:200J時

 負荷抵抗 
パラメータ 25Ω 50Ω 75Ω 100Ω 125Ω 150Ω 175Ω 
一相目パルス幅
D1(ms) 
3.85 6.36 8.86 11.4 13.9 16.4 18.9 
二相目パルス幅
D2(ms) 
3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 
二相目パルス幅
D3(ms) 
<6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 
一相目と二相目
の間の時間(ms) 
≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 
一相目ピーク
電流 Ipk1(A) 
58.1 35.4 25.4 19.8 16.2 13.7 11.9 
一相目終端電流
It(A) 
22.6 13.3 9.45 7.32 5.97 5.05 4.37 
二相目ピーク
電流 Ipk2(A) 
13.0 10.9 9.45 8.45 7.71 7.14 6.67 


注) D2はIpk2の50%における幅を、D3は一相目終端からIpk2の10%までの幅を示す。

 


出力エネルギ:150J時

 負荷抵抗 
パラメータ 25Ω 50Ω 75Ω 100Ω 125Ω 150Ω 175Ω 
一相目パルス幅
D1(ms) 
3.85 6.36 8.86 11.4 13.9 16.4 18.9 
二相目パルス幅
D2(ms) 
3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 
二相目パルス幅
D3(ms) 
<6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 
一相目と二相目
の間の時間(ms) 
≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 
一相目ピーク
電流 Ipk1(A) 
50.4 30.8 22.1 17.2 14.1 11.9 10.3 
一相目終端電流
It(A) 
19.6 11.5 8.19 6.34 5.18 4.37 3.79 
二相目ピーク
電流 Ipk2(A) 
11.3 9.42 8.19 7.32 6.69 6.18 5.78 


注) D2はIpk2の50%における幅を、D3は一相目終端からIpk2の10%までの幅を示す。


 

出力エネルギ:70J時

 負荷抵抗 
パラメータ 25Ω 50Ω 75Ω 100Ω 125Ω 150Ω 175Ω 
一相目パルス幅
D1(ms) 
3.86 6.36 8.87 11.4 13.9 16.4 18.9 
二相目パルス幅
D2(ms) 
3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 
二相目パルス幅
D3(ms) 
<6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 
一相目と二相目
の間の時間(ms) 
≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 
一相目ピーク
電流 Ipk1(A) 
34.6 21.1 15.2 11.8 9.66 8.18 7.09 
一相目終端電流
It(A) 
13.4 7.88 5.59 4.33 3.54 2.99 2.58 
二相目ピーク
電流 Ipk2(A) 
7.71 6.44 5.59 5.00 4.57 4.22 3.95 


注) D2はIpk2の50%における幅を、D3は一相目終端からIpk2の10%までの幅を示す。

 


出力エネルギ:50J時

 負荷抵抗 
パラメータ 25Ω 50Ω 75Ω 100Ω 125Ω 150Ω 175Ω 
一相目パルス幅
D1(ms) 
3.86 6.37 8.88 11.4 13.9 16.4 18.9 
二相目パルス幅
D2(ms) 
3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 3.62 
二相目パルス幅
D3(ms) 
<6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 <6.5 
一相目と二相目
の間の時間(ms) 
≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 ≦0.5 
一相目ピーク
電流 Ipk1(A) 
29.4 17.9 12.9 10.0 8.20 6.95 6.02 
一相目終端電流
It(A) 
11.3 6.67 4.73 3.66 2.99 2.53 2.19 
二相目ピーク
電流 Ipk2(A) 
6.52 5.45 4.73 4.23 3.86 3.57 3.34 


注) D2はIpk2の50%における幅を、D3は一相目終端からIpk2の10%までの幅を示す。


各パラメータの許容範囲

パラメータ   設定エネルギ   
20〜200J 
一相目パルス幅 D1(ms) ±10% 
二相目パルス幅 D2(ms) ±10% 
一相目ピーク電流 Ipk1(A) ±10% 
一相目終端電流 It(A) ±10% 
二相目ピーク電流 Ipk2(A) ±20% 


 
11) 二相性波形の負荷抵抗範囲
15〜175Ω

 
12) 内部放電
以下の状態の時に充電エネルギがリセットされること

(1) 充電完了より40秒±5秒経過したとき

(2) 電源OFFしたとき

(3) 内部放電キーを押したとき

 


2. 信号入力部

1) 入力インピーダンス
 
リードECG 5MΩ以上(10Hz、2mVp-pにて±300mVの分極を加えた状態)
パッドECG 100kΩ以上(10Hz、2mVp-pにて±300mVの分極を加えた状態)

 
2) ハムフィルタ減衰量
 
リードECG -20dB以上(50Hzと60Hzにて)
パッドECG -20dB以上(50Hzと60Hzにて)

 
3) 感度
 
リードECG 10mm/mV ±5%以内(感度×1)
パッドECG 10mm/mV ±15%以内(感度×1)

 
4) 過渡特性
 
リードECG 時定数3.2秒時 3.2秒以上
      時定数0.32秒時 0.32秒以上、1秒以下

パッドECG 時定数0.32秒時 0.32秒以上、1秒以下

 
5) 心拍数表示精度
±3% ±1BPM


3. 画面表示部

1) 波形表示感度
10mm/mV ±10%以内(ECGアンプを含めた感度)

 
2)波形掃引速度
25mm/s、50mm/s ±10%以内


 
4. SpO2 

1) 測定精度(rms)
 
本体単体精度(プローブによる誤差を含まず)
80≦SpO2≦100% SpO2 ±1% SpO2 
50≦SpO2<80% SpO2 ±2% SpO2 


 

操作方法又は使用方法等

それぞれの操作の詳細は別途用意されているTEC-2500シリーズの取扱説明書を参照してください。

 
1. 準 備

(1)
バッテリパック(NKB-102V)を“バッテリカバー部”を開け、“バッテリ挿入口”に装填します。

(2)
SDメモリーカードの挿入
“SDカードカバー”を開けて、SDメモリーカードを挿入し、“SDカードカバー”を閉じ、さらに“バッテリカバー部”を閉じます。

(3)
記録紙のセット(TEC-2513のみ)
“マガジン開放レバー”を押して、レコーダカバーを開けます。
“レコーダカバー”の軸受けに記録紙(RQS50-3)をセットし、レコーダカバーを閉じます。

(4)
出動前チェック
バッテリパックを挿入すると自動的に立ち上がる出動前チェック画面にて、バッテリ残量、SDカード、簡易セルフテストが“OK”と表示されているか確認します。

(5)
セットアップの設定操作
“画面切換ボタン”を押してセットアップ画面を表示させます。
ECG設定、SpO2設定、CO2設定、画面設定など、各項目ごとの設定を行います(設定操作は、画面に表示されているキー名に対応するキーを押して行います)。“画面切換ボタン”を再度押して、セットアップを終了します。


 
2. 電源投入
“電源ボタン”を押して電源を投入します。

 
**3. 除細動パッドの接続
 
除細動パッドを袋から取り出します。パッドのコネクタが接続されていない場合は、本体の“パッドコネクタ”に接続します。
本装置で使用可能な除細動パッドは以下の届出品があります。

販売名   :使い捨て除細動パッド P-521
届出番号  :13B1X00206000288
製造販売業者:日本光電工業株式会社

販売名   :使い捨てパッド P-511
届出番号  :13B1X00206000287
製造販売業者:日本光電工業株式会社

販売名   :乳児用使い捨てパッド P-513
届出番号  :13B1X00206000313
製造販売業者:日本光電工業株式会社

販売名   :使い捨て除細動パッド P-530シリーズ
届出番号  :13B1X00206000277
製造販売業者:日本光電工業株式会社

販売名   :小児用使い捨て除細動パッド P-532
届出番号  :13B1X00206000283
製造販売業者:日本光電工業株式会社

 
4. 除細動パッドの装着
除細動パッドの保護紙をはがして、患者に装着します。

 
5. セミオート/マニュアルモードの選択
 
“電源ボタン”を押すと、自動的に“セミオートモード”になります。
“小児モード切換ボタン”を押しながら電源を投入すると、“セミオートモード(小児モード)”になります。
“画面切換ボタン”を押しながら電源を投入すると、“マニュアルモード”になります。

 
<セミオートモードによる除細動>
 
(1)
自動的にパッド誘導が選択されます。また、自動的に初期エネルギ(150J)が選択されます。

(2)
“解析/充電ボタン”を押して、解析状態にします。

(3)
画面中に「患者に触れないでください 解析中」と表示され、「患者に触れないでください」と音声指示があり、自動的にあらかじめ設定されたエネルギが充電されます。解析結果が除細動適用外であったときは、「除細動が必要な心電図は検出しませんでした」と表示されて、「ポーン」という音が発せられ、充電されたエネルギが内部放電されます。

(4)
解析状態で、除細動が必要な心電図を検出すると、「患者に触れないでください 電気ショックが必要です」と表示され、「ショックが必要です」と音声指示があります。

(5)
設定されたエネルギ値の充電が完了すると「患者に触れないでください ショックボタンを押してください 充電完了」と表示され、「充電完了」と音声指示があります。

(6)
充電されたエネルギ値を画面で確認します。エネルギ値を変更するときは、“エネルギ選択キー”を押して、必要なエネルギ値を選択します。

(7)
“ショックボタン”を押し、患者に通電します。

充電したエネルギを装置内部で放電したい場合は“内部放電キー”を押すか、電源を切ります。これにより、装置内部でエネルギが自動放電されます。また、充電完了後40秒経過(設定変更可能)すると、安全のため装置内部で自動的にエネルギが放電されます。

 
<セミオートモード(小児モード)による除細動>
 
(1)
自動的にパッド誘導が選択されます。また、自動的に初期エネルギ(50J)が選択されます。

(2)
“解析/充電ボタン”を押して、解析状態にします。

(3)
画面中に「患者に触れないでください 解析中」と表示され、「患者に触れないでください」と音声指示があり、自動的にあらかじめ設定されたエネルギが充電されます。解析結果が除細動適用外であったときは、「除細動が必要な心電図は検出しませんでした」と表示されて、「ポーン」という音が発せられ、充電されたエネルギが内部放電されます。

(4)
解析状態で、除細動が必要な心電図を検出すると、「患者に触れないでください 電気ショックが必要です」と表示され、「ショックが必要です」と音声指示があります。

(5)
設定されたエネルギ値の充電が完了すると「患者に触れないでください。ショックボタンを押してください 充電完了」と表示され、「充電完了」と音声指示があります。

(6)
充電されたエネルギ値を画面で確認します。エネルギ値を変更するときは、“エネルギ選択キー”を押して、必要なエネルギ値を選択します。

(7)
“ショックボタン”を押し、患者に通電します。

充電したエネルギを装置内部で放電したい場合は“内部放電キー”を押すか、電源を切ります。これにより、装置内部でエネルギが自動放電されます。また、充電完了後40秒経過(設定変更可能)すると、安全のため装置内部で自動的にエネルギが放電されます。

 
<マニュアルモードによる除細動>
 
(1)
誘導切換キーを押して、3リード使用時は「パッド誘導、I誘導、II誘導、III誘導」、6リード使用時は「パッド誘導、I誘導、II誘導、III誘導、aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導、V1誘導、V2誘導」のいずれかを選択します。

(2)
“エネルギ選択キー”を押して必要なエネルギ値を選択します。

(3)
除細動が必要な心電図であることを確認し、“解析/充電ボタン”を押して、エネルギを充電します。キーを押すと「充電中」と表示されます。

(4)
設定されたエネルギ値の充電が完了すると「充電完了」と表示されます。

(5)
充電されたエネルギ値を画面で確認します。

(6)
“ショックボタン”を押し、患者に通電します。

 
<マニュアルモードによる同期式除細動>
 
(1)
誘導切換キーを押して、3リード使用時は「パッド誘導、I誘導、II誘導、III誘導」、6リード使用時は「パッド誘導、I誘導、II誘導、III誘導、aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導、V1誘導、V2誘導」のいずれかを選択します。

(2)
画面切換ボタンを押して、セットアップ画面を表示させます。

(3)
画面に表示されているキー名に対応するキーを押して、同期設定を選択します。

(4)
“同期放電”をONに設定して同期モードにします“。画面切換ボタン”を再度押して、セットアップを終了します。

(5)
画面に「同期放電」と表示され、心電図上に同期位置確認マークが表示されます。

(6)
“エネルギ選択キー”を押して必要なエネルギ値を選択します。

(7)
同期位置確認マークが心電図のQRSに同期して表示されていることを確認し、“解析/充電ボタン”を押して、エネルギを充電します。キーを押すと「充電中」と表示されます。

(8)
設定されたエネルギ値の充電が完了すると「充電完了」と表示されます。

(9)
充電されたエネルギ値を画面で確認します。

(10)
“ショックボタン”を通電完了するまで押し続けます(押してから最初のQRS同期点を検出した時点でエネルギを患者に通電します)。


 
6. ECGモニタリング

<3リードによりECGをモニタリングする場合(I、II、III誘導)>
 
(1)
電極リード線の接続
電極リード線(BR-923P)を“ECGコネクタ”に接続します。

(2)
ディスポ電極の装着
ディスポ電極のシールをはがして患者に装着し、電極リード線に接続します。

(3)
誘導の選択
誘導切換キーを押して、IIIIII誘導のいずれかを選択します。

(4)
感度の調整
感度切換キーを押して、×1/2、×1、×2、×4のいずれかを選択します。


 
<6リードによりECGをモニタリングする場合(I、II、III、aVR、aVL、aVF、V1、V2誘導)>
 
(1)
電極リード線の接続
電極リード線(BR-926P)を“ECGコネクタ”に接続します。

(2)
ディスポ電極の装着
ディスポ電極のシールをはがして患者に装着し、電極リード線に接続します。

(3)
誘導の選択
誘導切換キーを押して、IIIIII、aVR、aVL、aVF、V1、V2誘導のいずれかを選択します。

(4)
感度の調整
感度切換キーを押して、×1/2、×1、×2、×4のいずれかを選択します。

 
<ECG中継コードを使用する場合>
 
(1)
ECG中継コードの接続
ECG中継コード(JC-256V)を“ECGコネクタ”に接続します。

(2)
電極リード線の接続
電極リード線を、ECG中継コードの中継コネクタに接続します。

以降の操作方法および使用方法は、<3リードによりECGをモニタリングする場合(IIIIII誘導)>、<6リードによりECGをモニタリングする場合(IIIIII、aVR、aVL、aVF、V1、V2誘導)>に準じます。


 
7. SpO2モニタリング
 
SpO2をモニタリングする場合

(1)
SpO2プロ−ブの接続
SpO2プロ−ブを“SpO2コネクタ”に接続します。

(2)
SpO2プロ−ブの装着
SpO2プロ−ブを患者の指に装着します。
本装置で使用可能なSpO2プローブは以下の届出品があります。

販売名     :フィンガープローブ TL-201T
製造販売届出番号:13B1X00206000030
製造販売業者  :日本光電工業株式会社


 
8. CO2モニタリング
 
CO2をモニタリングする場合

(1) CO2センサキットの接続
CO2センサキットをCO2コネクタに接続します。
本装置で使用可能なCO2センサは以下の認証品があります。

販売名    :CO2センサキット TG-900シリーズ
認証番号   :21400BZZ00536000
製造販売業者 :日本光電工業株式会社

 
(2) エアウェイアダプタの装着
エアウェイアダプタ(YG-101T)をCO2センサキットに接続し、エアウェイに装着します。


 
9. 記録(TEC-2513のみ)
 
“記録ボタン”を押すと、心電図が“レコーダ”で記録されます。
“レポートボタン”を押すと、通電前後の心電図が記録されます。なお、記録波形が不明瞭な場合は、サーマルヘッドクリーナペン(Y-011)で、レコーダのヘッドを清掃します。

 
10. バッテリの充電

(1)
“バッテリを交換してください”または“バッテリがありません 交換してください”のメッセージが出たら、バッテリを取り出します。

(2)
バッテリチャージャ(SB-201V)に電源コードWを接続します。

(3)
電源コードWのプラグをAC電源に接続することで、バッテリチャージャの電源を投入します。

(4)
バッテリ挿入口にバッテリパックを挿入し、充電を行います。


 
11. SDメモリーカード記録
 
電源を入れた後は、心電図、本装置周辺の音声、時刻などが、SDメモリーカードの記憶容量分記録されます。
なお、除細動レポート表示ソフトウェア(QP-551V)をパーソナルコンピュータにインストールし、SDメモリーカードに記録されたデータを読み込むことにより、パーソナルコンピュータにて心電図、本装置周辺の音声、時刻などを再生し、レポート形式で表示することができます。

 

使用上の注意

使用注意(次の患者には慎重に適用すること)

 
除細動操作
 
・植込み型ペースメーカ使用患者[除細動のエネルギにより、植え込まれたペースメーカの機能に障害を与えることがあります。また、正確な解析結果が期待できません。]

 
心電図のモニタリング
 
・植込み型ペースメーカ使用患者[ペースメーカ使用患者をモニタリングする場合は、ペースメーカパルス除去を「ON」に設定してください。ペースメーカ使用患者でもQRS検出が正しく行えるように、ペーシングパルスを検出し、QRS波と区別しています。「OFF」のままモニタリングすると、ペーシングパルスをQRS波と誤認識し、ペーシング不全を見落とすことがあります。]

 
SpO2のモニタリング
 
・高熱の患者、末梢循環不全を起こしている患者[センサの位置を頻繁に変えてください。SpO2プローブの装着部位は通常2〜3℃温度が上昇するため、熱傷を生じることがあります。また、装着部位で圧迫壊死を生じることがあります。]

・以下の場合は、正しく測定できない可能性があります。
   ・異常ヘモグロビンの量が多すぎる患者(COHb、MetHb)
   ・血液中に色素を注入した患者
   ・CPR処置をしている患者
   ・静脈拍動がある部位で測定している場合
   ・体動がある患者
   ・脈波が小さい患者

 
CO2のモニタリング
 
・換気量の少ない患者[エアウェイアダプタ(YG-101T)は5mLの死腔、ネイザルアダプタ(YG-120T、121T、122T)は1.2mLの死腔を考慮した換気を行ってください。死腔があるためアプニア検出が困難になることがあります。]

・換気量の少ない患者[エアウェイアダプタ(YG-101T)またはネイザルアダプタ(YG-120T、121T、122T)は吸気補正式のため、死腔により吸気にCO2が混入して測定値が不正確になることがあります。]

・呼吸数が非常に多い患者または不規則な呼吸をしている患者[測定値自体が不正確になることがあります。]

・出血傾向、全身状態、栄養状態の悪い患者[マウスガイドが口元に接触し、褥瘡が形成されることがあるので、適時患者の状態を確認してください。]

 

重要な基本的注意

 
装置本体
 
・バッテリが劣化していたり、バッテリの充電が不足している場合は、除細動を行えないことがあります。

・電源投入時に装置の異常を示すメッセージが表示されていないことを確認してください。特にバッテリの残量には十分注意を払ってください。詳細は、取扱説明書 メッセージ表示の項を参照してください。

・少なくとも1ヵ月に1回は通電テストを行って、装置が正常に動作することを確認してください。点検には、専用のエネルギチェッカ(AX-103V)を使用してください。

・携帯電話や小型無線機などにより装置にノイズが混入するときは、携帯電話や小型無線機を装置から遠ざけるか、携帯電話や小型無線機の電源を切ってください。[携帯電話や小型無線機などが発する電波を心電図や脈波と誤認し、誤った測定値を表示することがあります。]

・静電気により心電図にノイズが混入する場合は、装置にしばらく触れた後に解析/充電ボタンを押してください。また、除細動器や患者の周辺から静電気の発生しやすいアクリル製品を離してください。

・救急車内に除細動器を設置する場合は、無線機などからの影響を考慮し、適切な場所に配置してください。[配置場所により、無線機などが発する電波を心電図や脈波と誤認し、誤った測定値を表示することがあります。]

・本装置での心拍数、SpO2、CO2のモニタリングには、アラーム機能はありません。常に目視にて患者の状態を確認してください。

・除細動パッド、電極リード線や電極類、プローブなどは当社純正品または指定品を使用してください。[指定外のものを使用すると、本装置が発熱したり、故障し、測定が停止します。]

・ディスポーザブル製品の再使用はおやめください。

・SDカードは、装置の電源がオフの状態で抜いてください。[装置の電源がオンの状態でカードを抜くと、SDカードに保存されているデータが破損することがあります。]

・簡易動作チェックは、除細動パッドを患者に接続した状態で実施しないでください。[放電により、患者が電撃を受けます。]

・保守資格のない人は、底蓋の着脱を行わないでください。

・ウォールマウントは、本装置専用のものを使用してください。[転倒あるいは落下することがあります。]

*・廃棄する場合には、各自治体または施設の基準に従ってください。
感染のおそれがある製品を廃棄する場合には、感染性廃棄物として各自治体または施設の基準に従ってください。[正しく廃棄されない場合には、感染や環境に影響を及ぼす可能性があります。]

 
バッテリについて
 
・バッテリは本装置の専用品を使用してください。[本装置が正しく動作しないことがあります。]

・常に、充電されたバッテリを2個以上用意しておいてください。

・バッテリは貯蔵・保管方法および使用期間等の項に記載されている環境で保存し、バッテリに表示されている使用開始期限内に、使用を開始してください。

・バッテリの充電は、専用のバッテリチャージャ(SB-201V)を使用してください。

・バッテリには以下のことをしないでください。液漏れ、発熱、破裂、発火の原因となります。
  ・+端子と-端子をショートする
  ・火の中に投入したり、過熱する
  ・分解または改造する
  ・強い衝撃を与えるまたは変形させる
  ・指定以外の機器に使用する
  ・専用の充電器以外で充電する
  ・患者の手が届くところに放置する

・破損などで電池(バッテリ)から漏れた液が目や口に入った場合、皮膚に付着した場合は、こすらずに、きれいな水で洗った後、直ちに医師の治療を受けてください。

・使用開始時に交換年月をお客様の手で記入してください。

・1年ごとに新しいバッテリに交換してください。

・以下のことはバッテリの発熱、液漏れの原因になります。
   ・長期間(約1年)の放置
   ・水や海水に浸けたり、濡らす

・液漏れしたり、変形、変色しているバッテリは使用しないでください。[バッテリが発熱、破裂、発火する原因になります。]

・バッテリを直射日光の強いところ、炎天下の車内、ストーブの前面などの高温の場所で使用、放置しないでください。[バッテリが液漏れする原因になることがあります。また、バッテリの性能や寿命を低下させることがあります。]

・バッテリは、装置の電源がオフの状態で抜いてください。[SDカードへのデータ書込み中に、電源をオフにせずにバッテリを抜くと、SDカードに保存されているデータが破損することがあります。]

・定期的に電池点検済ラベルに記入されている点検日を確認してください。点検日から1ヵ月以上経過したバッテリは、直ちにリフレッシュ充電を行ってください。

・バッテリは月に1度、点検を行ってください。特にバッテリ点検済ラベルに記載されている点検日から1ヵ月以上経過したバッテリは必ず点検を実施してください。
点検実施後は、バッテリに付属している点検済ラベルに点検年月日を記入し、バッテリの側面に貼付してください。

・バッテリに関する取扱いの注意事項については、TEC-2500シリーズの取扱説明書を参照してください。

 
バッテリチャージャについて
 
・電源コードは必ず、付属品の3ピンプラグ付き電源コードを使用してください。[他の電源コードを使用した場合、患者および操作者が電撃を受けることがあります。]

・装置の電源がオンのときは、電池挿入部に手や金属の棒などを差し込まないでください。[奥のコネクタ部に触れると、装置が故障したり、電撃を受けることがあります。]

・バッテリチャージャに関する取扱いの注意事項については、TEC-2500シリーズの取扱説明書を参照してください。

 
除細動パッド
 
・除細動パッドのコネクタ部分のコネクタのピンを曲げないように取り扱ってください。曲がっている場合には、新しい除細動パッドと交換してください。[装置に接続したとき、導通不良で充電エネルギを通電できない可能性があります。]

・除細動パッドを重ねて貼らないでください。[患者が熱傷を負うことがあります。]

・除細動を行うときは、患者の胸部に装着した電極および貼付してある薬剤を取り除いてください。[除細動パッドがこれらの物に直接触れると、除細動の効果が減少します。また放電エネルギによりその部位で熱傷を生じます。]

・患者に貼付した除細動パッドは、24時間ごとに新しいものに交換してください。[モニタリングに使用していない場合でも、ゲルが乾燥し、除細動パッド本来の性能が損なわれます。]

・除細動パッドは再使用しないでください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・使用期限の過ぎた除細動パッドは使用しないでください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドは開封後できるだけ早く使用してください。[そのまま放置したものを使用すると、患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドの袋が破れていた場合には、そのパッドは使用せずに廃棄してください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドのゲルが乾燥しているものは使用しないでください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドのゲルに変質(ゲルが液化したり、周囲にはみ出している)などの異常があるものは使用しないでください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドのゲルが茶褐色に変色し、保護シートにも茶色の部分が付着しているものは使用しないでください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・除細動パッドは当社指定品を使用してください。また、予備の除細動パッドも必ず用意してください。

・除細動パッドに重いものを載せたり、折り曲げたりしないでください。[パッドが損傷、劣化して、患者が熱傷を負うことがあります。]

・除細動パッドの保管時は、パッドのパッケージに記載された保管環境を厳守してください。[使用できなくなります。]

・除細動パッドに関する取扱いの注意事項については、除細動パッドの添付文書を参照してください。

 
除細動操作−全般−
 
・除細動器は高電圧を発生するため、正しく訓練された方または有資格者以外は使用しないでください。

・万一の事故に備えて、もう一台の除細動器を用意してください。他の除細動器を使用する場合は、患者からパッドを剥がしてください。

・救急車内で除細動を行う場合には、車の走行を停止してください。

・除細動パッドの出力コネクタを装置のパッドコネクタに接続する際には、コネクタのピンが曲がらないように注意してください。[除細動パッドへの放電ができなくなります。]

・除細動を行うとき周囲の人は、患者の体の一部および患者に接続されている装置やコード類の金属部分には触れないでください。[放電エネルギにより電撃を受けます。]

・除細動を行うとき、またはのマークのないコネクタ部に接続されたトランスデューサや電極は、患者から取り外してください。[放電エネルギで操作者が電撃を受けることがあります。]

・除細動を行うとき、本装置に接続された電極およびトランスデューサが、患者に装着されているものは、装置に確実に接続されていることを確認してください。[はずれているコードの金属部に触れると、放電エネルギにより電撃を受けます。]

・充電および通電するときは、パッド、コネクタ部およびレコーダヘッド部に触れないでください。[放電エネルギにより操作者が電撃を受けます。]

・レコーダモジュール内部のヘッド部には手を触れないでください。[静電気によるヘッドの破損や手を触れたことによる汚れが原因で、印字不良が発生してデータが正しく記録できないことがあります。]

・除細動用のエネルギが充電状態にあるときは、装置を移動または運搬しないでください。[落下などの衝撃を与えた場合、エネルギを放電し、電撃を受けることがあります。]

・除細動パッドの両方の電極が重なっていたり、ペーストなどの導電性のものでつながった状態で通電しないでください。[熱傷を生じることがあります。また心臓に通電されるエネルギが減少します。]

・除細動パッドが胸壁にしっかりと密着していることを確認してから患者に通電してください。[患者が熱傷を負う、または除細動効果が損なわれます。]

・患者または放電試験器以外の人または物に近づけて放電することは、絶対にやめてください。[電撃を受けることがあります。]

・解析の前および除細動の前には、患者の意識、呼吸、脈のないことを確認してください。

 
除細動操作−セミオートモード時−
 
・心静止は除細動が必要な心電図と判定されず、自動充電は行われません。

・本装置は解析の対象とした心電図によっては、除細動が必要と思われる心電図を除細動適用外と判断することがあります。また、非常にまれですが、除細動が不要と思われる心電図を除細動適用と判断することがあります。適用外の判断の状態には電気ショックを与えず、CPRの継続を促します。

・正確な解析結果を得るために解析中は患者に触れたり、患者を動かしたりしないでください。また、CPRなどの救命処置は一時中断してください。心電図の基線が、周囲の状況、測定条件および電極状態などの要因で動揺している場合には、動揺の原因を除いてから解析を行ってください。

**・セミオートモード(小児モード)を未就学児の患者以外に使用しないでください。[成人の患者に使用した場合、除細動効果が損なわれます。]

 
除細動操作−同期式除細動時−
 
・心電図にアーチファクトが混入していないことを確認してください。[アーチファクトの混入は、心電図のQRS以外の信号で同期放電する可能性があります。]

・[誘導]キーで「TEST」を選択しないでください。テスト波形は装置点検のためのもので、画面に表示される波形は患者の波形ではありません。[テスト波形で同期放電を行うと患者の心電図に同期せず、患者が心室細動をおこすことがあります。]

・同期式除細動を行う際は、1回ごとに必ず、同期表示の確認をしてください。システムセットアップの設定内容によっては、同期式除細動を行った後、自動的に非同期式除細動のモードに切り換わります。

 
SpO2のモニタリング
 
・フィンガープローブはプローブやケーブルをテープで巻きつけて固定しないでください。[血流を阻害し、うっ血や圧迫壊死および熱傷を生じることがあります。]

・フィンガープローブ以外のプローブをテープで固定する際は、テープを強く巻きすぎないようにしてください。同時に、装着部位より末梢側にうっ血が生じていないかなどで、常に血流をチェックしてください。[短時間の装着でも血流を阻害し、圧迫壊死および熱傷を生じることがあります。]

・プローブは一定時間(ディスポオキシプローブは約8時間、リユーザブルプローブは約4時間)ごとに装着部位を変えてください。[SpO2プローブの装着部位は通常2〜3℃温度が上昇するため、熱傷を生じることがあります。また、装着部位で圧迫壊死を生じることがあります。]

・装着部位が血液で汚れていたり、患者がマニキュアをしているときは、汚れやマニキュアを落としてからプローブを装着してください。[血液やマニキュアの色によっては、透過光が減少し、測定誤差を生じたり、測定できないことがあります。]

・通常の使用では、光の影響はほとんど受けませんが、特に強い光(手術灯、太陽光など)の当たる場所で使用する場合は、毛布などで光を遮るようにしてください。[測定精度に影響を与えます。]

・SpO2を測定しない場合には、プローブのコネクタを本装置から抜いてください。[外れているプローブにノイズなどが混入し、値を表示することがあります。]

・プローブが故障したことを示すメッセージが表示されたときは、装置の使用を中止してください。必ず新しいプローブと交換してください。

・各プローブで推奨する厚みの部位にプローブを装着しても、たびたび「プローブ確認」、「脈波検索中」のメッセージが表示されるときは、プローブの劣化が考えられます。この場合は、プローブを交換してください。

・プローブの取扱い方法の詳細は、プローブの添付文書を参照してください。

 
CO2のモニタリング
 
・測定対象は、3歳以上または10kg以上の患者です。

・「センサ異常」や「モジュール故障」のメッセージが表示されたときは、CO2センサキットの点検および交換を行ってください。[メッセージが表示されているときは、CO2のモニタリングは停止します。]

・CO2のモニタリングにあたっては、CO2センサキット付属の添付文書を参照してください。特に酸素カニューレ取付け用ネイザルアダプタの使用時には、十分な配慮が必要です。相互作用(併用注意)の項

 

相互作用

併用禁忌(併用禁忌・禁止:併用しないこと)

医療機器の名称等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
高圧酸素患者治療装置 使用禁止 爆発または火災を
起こすことがある 
可燃性麻酔ガスおよび
高濃度酸素雰囲気内で
の使用 
使用禁止 爆発または火災を
起こすことがある 
磁気共鳴画像診断装置
(MRI装置) 
MRI検査を行うとき
は、本装置に接続さ
れている電極および
トランスデューサ類
を患者から取り外す
こと 
誘導起電力により
局部的な発熱で患
者が熱傷を負うこ
とがある
詳細は、MRI装置
の取扱説明書の指
示に従うこと 

併用注意(併用注意:併用に注意すること)

 
医薬品
 
・血管拡張作用のある薬剤を投与した場合、脈波が変化し、SpO2測定値を表示しなくなることがまれにあります。

 
電気手術器(電気メス)
 
・電気メスと併用する場合は、電気メスの対極板の全面積を適切に装着してください。[装着が不適切な場合、電気メスの電流が本装置の電極に流れ、電極装着部に熱傷を生じます。詳細は、電気メスの取扱説明書の指示に従ってください。]

・SpO2が正しく測定できない場合があります。[電気メスのノイズ]

 
人工呼吸、呼吸回路(TG-900Pの場合)
 
・吸気中にCO2ガスの混入する恐れのある口対口の人工呼吸、ジャクソンリース呼吸回路、メイプルソンD呼吸回路などを使用している患者のCO2分圧測定[実際の測定値よりも値が低く表示されることがあります。]

 
酸素マスク
 
・ネイザルアダプタ(YG-120T、121T)と酸素マスクを併用している患者のCO2濃度測定[吸気中にCO2ガスが含まれている可能性があり、実際の測定値よりも値が低く表示されることがあります。]

 
酸素補給用鼻カテーテル(酸素カニューレ)
 
・酸素カニューレ取付け用ネイザルアダプタを使用してください。また取付け可能な酸素カニューレであるか装着前に確認してください。

・酸素カニューレが正しく装着されていることを、他のパラメータの数値を参考にしたり、定期的に患者を観察して確認してください。動脈血酸素分圧の上昇が確認できない場合は、直ちにCO2のモニタリングを中止してください。

・YG-122T(酸素カニューレ取付け用)に取り付けた酸素カニューレは、酸素カニューレのチューブが曲がったり、折れたり、ネイザルチューブで塞がれていないか確認してください。[酸素カニューレのチューブ先が上や下に向きすぎるとO2の供給量が不足したり、CO2の値が不正確になります。]

・使用上の注意および装着方法の詳細は、CO2センサキットTG-900Pシリーズ(TG-920P)の添付文書を参照してください。

 
麻酔器を併用し、揮発性麻酔ガスを使用する場合
 
・麻酔器と併用し、揮発性麻酔ガスを使用する場合は、CO2の測定値が不正確になります。

ガス名 濃度 測定誤差(mmHg) 
TG-900P TG-920P 
ハロセン  4%   +0.9   約+1  
エンフルラン 5% +1.5 約+1 
イソフルラン 5% +1.8 約+2 
セボフルラン 6% +2.8 約+3 


条件:1気圧において5%(38mmHg)CO2、N2バランスを混合させた乾燥ガス


 
周辺機器
 
・バッテリチャージャを他のME機器と併用するときは、機器間に電位差が生じないように等電位接続してください。[筐体間にわずかでも電位差があると、患者および操作者が電撃を受けることがあります。]

 

小児等への適用**

 
除細動操作−セミオートモード時−
 
・未就学児の患者に対してはセミオートモード(小児モード)で使用してください。
パッドを未就学児の患者に貼付する際には、特に、2枚のパッドが触れ合うことがないように注意してください。

 
除細動操作−マニュアルモード時−
 
・未就学児の患者に対して除細動を行う際は、エネルギ設定に注意してください。[高いエネルギで除細動を行うと、心臓に致命的なダメージを与えることがあります。]

 
心電図のモニタリング
 
**・未就学児の患者では、ペースメーカパルス除去を「ON」に設定しないでください。[未就学児の患者の幅のせまいQRSを認識できず、心拍数を正しく数えない可能性があります。]

 
SpO2のモニタリング
 
・新生児、低出生体重児にプローブをテープで固定する際は、テープを強く巻きすぎないよう特に注意してください。同時に、センサの装着部位より末梢側に鬱血が生じていないかなどで、常に血流をチェックしてください。[短時間の装着でも血流を阻害し、圧迫壊死および熱傷を生じることがあります。また、血流の阻害で正しく測定できないことがあります。]

・新生児、低出生体重児については、症状および程度に応じてセンサの装着部位をより頻繁に変えてください。[新生児および低出生体重児は皮膚が未成熟であり、SpO2プローブの装着部位は通常2〜3℃温度が上昇するため、熱傷を生じることがあります。また、装着部位で圧迫壊死を生じることがあります。]

 
CO2のモニタリング
 
・患者の年齢・体重・換気量を考慮してネイザルアダプタを選択してください。測定値が不正確になることがあります。

・ネイザルアダプタの死腔を十分考慮してください。死腔があるために吸気にCO2が混入して測定値が不正確になったり、アプニア検出が困難になったりすることがあります。

・本装置のCO2測定は吸気補正式のみです。絶対値式での測定は行えないため、新生児へのCO2測定は行えません。

 

貯蔵・保管方法及び使用期間等

貯蔵・保管方法

使用環境条件
 
温度範囲   0〜45℃
湿度範囲   30〜95%(相対湿度、結露なし)
       (TG-900P:30〜90%)
気圧範囲   700〜1060hPa

 
保存環境条件
 
温度範囲   -20〜70℃
       (TG-900P:-20〜65℃)
湿度範囲   10〜95%(相対湿度)
       (TG-900P:10〜90%)
気圧範囲   500〜1060hPa
       (TG-900P:700〜1060hPa)

 

耐用期間

4年(当社データの自己認証による。
  指定の保守点検を実施した場合に限る。)

 

保守・点検に係る事項

装置を正しく使用するために、定期点検を実施してください。
詳細は、保守点検の章を参照してください。

 

包装

1台単位で梱包

 

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

日本光電工業株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

東京都新宿区西落合1-31-4

電話番号

03-5996-8000

緊急連絡先

氏名又は名称
日本光電コールセンタ

住所等
東京都新宿区西落合1-31-4

電話番号
0120-49-0990

その他の安全性情報

(記載なし)

企業リンク先