<構造図>
No. | 名称 | 機能 |
1 | [AC/電池充電中]ランプ | 電源の状態を表す。 |
2 | [表示切換]スイッチ | 流量・積算量・不応期の表示を切り換える。スイッチ操作が終了してから約15秒以上経過した場合には自動的に流量表示に戻る。 |
3 | カバー | 動作中の誤操作を防止する。 |
4 | [開始/停止・消音]スイッチ | 停止状態でスイッチを押すと運転を開始する。運転状態でスイッチを押すと停止する。また、ブザーが鳴っているとき押すとブザー音が止まる。 |
5 | [積算クリア]スイッチ | 積算量表示状態で約2秒以上押すと、ブザーが鳴り、積算量をクリアする。 |
6 | [電源]スイッチ | 電源スイッチを約1秒以上押すと電源が入り、電源ONの状態から約2秒以上押し続けると電源が切れる。 |
7 | 動作インジケータ | 本品の動作状態を表す。 緑点滅:開始/早送り中 消 灯:停止中 赤点滅:警報発生中 |
8 | 押し子アーム | シリンジの押し子を保持し、装着を検出する。 |
9 | 設定表示部 | 流量、積算量及び不応期を表示する。 |
10 | スライダー | シリンジの押し子を押す。 |
11 | [早送り]スイッチ | 押している間ブザーが鳴り、5mLシリンジで約30mL/h、10mLシリンジで約60mL/hの流量で急速注入される。また、早送り中は積算量表示に切り換わり、早送り中の注入量を表示する。 |
12 | クラッチレバー | クラッチのロック/解除をする。 |
13 | スリット | シリンジのフランジを装着する。 |
14 | スライダーのフック | シリンジの押し子を装着する。 |
15 | 警報表示部 | 警報の発生を表示する。 |
16 | [設定]スイッチ(+、−) | 停止状態で流量及び不応期の設定を変更する。 |
17 | シリンジクランプ | シリンジを装着後、シリンジを保持し、シリンジサイズを検出する。 |
18 | バッテリカバー | リチウムイオン充電式バッテリが装填されている。 |
19 | カバーロック | バッテリカバーの開閉をする。 |
20 | DCコネクタ | 電源アダプタのDCプラグを接続する。 |
21 | PCAコネクタ | PCAスイッチを接続する。 |
*●電源アダプタ(標準付属、別売設定有り)
*●リチウムイオン充電式バッテリ(以下バッテリ、標準付属、別売設定有り)
●PCAスイッチ(コード番号:TE-361PCAのみ付属)
*●リチウムイオン急速充電器(以下急速充電器、別売)
●キャリングケース(別売)
●セーフティロックセット(別売)
・セーフティロック
・スイッチシート付きカバー
(在宅用ラベル付き)
・セーフティロックキー
※製品の同梱内容については箱に記載
特定保守管理医療機器に該当するのは、本体のみである。
[機器の分類]
電撃に対する保護の形式による分類 | クラスII機器及び内部電源機器 |
電撃に対する保護の程度による装着部の分類 | CF形装着部 |
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) | IPX1 |
[電気的定格]
1)交流電源
定格電圧 | 100V |
周波数 | 50又は60Hz |
消費電力 | 11VA |
2)充電池(リチウムイオン電池)
電圧 | 3.7V |
容量 | 1100mAh以上 |
連続使用時間 | 1mL/hの設定による連続送液において24時間以上(新品充電池、満充電時) |
[仕様に係る事項]
使用条件
周囲温度:5〜40℃
相対湿度:20〜90%RH(ただし、結露なきこと)
<原理>
本品は設定した時間あたりの流量で持続的に薬液等を送液する装置である。送液の制御は、マイクロコンピューターにて情報を処理し、モーター回転信号を生成することにより行う。モーターはスライダー等を介してシリンジのピストンを押し込み、送液を行う。
1.
本品のDCコネクタに電源アダプタを接続する。このとき、[AC/電池充電中]ランプが点灯又は点滅することを確認する。
2.
[電源]スイッチを入れると、動作インジケータ、[AC/電池充電中]ランプ、液晶表示が点滅し、また、ブザー等のチェック機能が動作するので、これを確認する。
3.
薬液が満たされたシリンジのフランジをスリットに装着し、クラッチをロックしてシリンジの押し子をスライダーのフック及び押し子アームで保持し、対応するシリンジサイズが表示されることを確認する。
4.
[設定]スイッチを押して流量を設定する。
5.
[早送り]スイッチを押しながら、シリンジに接続した輸液ラインの静脈針の先端まで薬液を満たす。
6.
静脈針を穿刺した後、[開始/停止・消音]スイッチを押して注入を開始する。
7.
途中で注入を一時停止するときは、[開始/停止・消音]スイッチを押す。
8.
注入が完了したら電源を切り、シリンジを本品から取り外す。
[PCA操作方法(コード番号:TE-361PCAのみ)]
1.
PCAスイッチのコネクタの向きに注意して本品のPCAコネクタに接続し、電源を投入する。
2.
[表示切換]スイッチを2回押して、表示部に「不応期」が表示されているのを確認し、[設定]スイッチ(+、−)にて不応期の設定をする。
3.
流量を設定し、患者に穿刺後、注入を開始する。
4.
PCAスイッチを押すと、不応期中でなければ、動作インジケータが緑色に点滅し、開始/停止中を問わず、設定量が追加投与される。なお、流量が10.1mL/h以上の場合は、PCAスイッチを押しても追加投与しない。
5.
薬剤投与が完了した場合は、通常の完了操作を行い、PCAスイッチのコネクタを取り外す。
6.
補足説明
・不応期中に電源を切り、その後電源が再投入された場合でも、前回投与時刻から不応期間以上経過していない場合はPCAスイッチを押しても薬剤が投与されない。
・PCA投与中に電源が切れた場合には、再度電源を投入しPCAスイッチを押すと、不応期間設定の半分の時間内であれば、前回投与時の残量を投与する。ただし、PCA投与中に電源を切った場合は、再度電源を投入しPCAスイッチを押しても、前回投与時の残量を投与しない。
・不応期中の不応期設定の変更は有効。最後にPCAスイッチを押したときから、新たに設定した不応期間を過ぎれば、追加投与できる。
・不応期中の流量設定の変更は有効。次回PCA投与時には、変更後の流量で投与される。
・不応期設定変更等の操作を制限する場合には、セーフティロックセット(別売)を使用する。
[セーフティロックセット(別売)の使用方法]
1.
流量を設定する。また、PCA機能を使う場合は不応期設定を行う。
2.
セーフティロックのネジを本品裏面ネジ穴に位置合わせし、指で回して仮固定する。
3.
セーフティロックキーを使用し、セーフティロックを本品にしっかり固定する。
4.
セーフティロックが、がたつきなく本品にしっかり固定されているか確認する。
5.
患者に輸液ラインの針を穿刺後、注入を開始する。
6.
セーフティロックを装着した本品を患者が携帯する場合は、キャリングケース(別売)に入れる。
7.
注入完了後、セーフティロックキーを使用して、セーフティロックを本品から取り外す。
8.
再度注入を行う場合には、シリンジ交換等を行い、注入を開始する。
詳細については、本品又はセーフティロックセット(別売)の取扱説明書を参照すること。[セーフティロックセット(別売)を使用する場合は、併せて内部設定(前回値記憶機能)の変更が必要である。]
<組み合わせて使用する医療機器>
使用シリンジ | テルモシリンジ及び指定の薬剤充填シリンジ |
シリンジサイズ | 5、10mL |
シリンジメーカー | テルモ及び指定メーカー |
<使用方法等に関連する使用上の注意>
(1)指定外のシリンジを使用した場合、流量精度や警報機能が保証できないため、指定のシリンジを使用すること。(【使用方法等】の<組み合わせて使用する医療機器>の項参照)
(2)指定外の電源アダプタを使用した場合、本品が故障する可能性があるため、付属の電源アダプタを使用すること。
(3)静脈針を穿刺、又は接続部に輸液ラインを接続する前に、また、シリンジ交換後も必ず[早送り]スイッチを押して次の操作を行うこと。輸液ラインのエアー抜きを行うこと。[エアー注入により患者に障害を与える可能性がある。]シリンジの押し子とスライダー間及びシリンジのフランジとスリット(クランプ側)の間の隙間を無くすこと。[隙間があると、開始後しばらくの間注入されない原因となる。]
(4)シリンジを装着後、シリンジサイズ表示部の「5mL」及び「10mL」が同時に点滅表示した場合は再度セットし直すこと。[シリンジが正しい位置に装着されないと、送液を開始できない。]
(5)シリンジを装着しない状態で電源を入れ、動作インジケータ、[AC/電池充電中]ランプ及び液晶表示の点滅とブザーの鳴動を確認すること。[シリンジを装着した状態で電源を入れた場合には、本品のセルフチェック(自己診断)を正常に行うことができない。]
(6)シリンジを装着する際は、クランプレバーを起こし、シリンジをセット後、ゆっくり下ろすこと。また、スライダーはクラッチレバーを解除の位置に倒してから移動させること。[無理な操作、過度の操作は本品が故障する原因となる。]
(7)シリンジ装着後は、輸液ラインを引く、押し込むなどの力を加えないこと。[これらの力が加わると、シリンジの外筒が所定の位置からずれ、一時的に薬液が注入又は吸引される可能性がある。]
(8)輸液を開始する際は、積算量を確認し、適宜積算量をクリアして使用すること。[本品は、早送り量を積算量に加算する仕様であるため、プライミング量を考慮しないと実送液量との差異が発生する。]
(9)閉塞が発生した際、閉塞の原因を取り除かず輸液を再開した場合には、閉塞警報が正常に動作せず、輸液ラインの内圧が高まり、輸液ラインの接続部等の外れ、破損等が生じる可能性がある。
(1)放射線機器、MRIの管理区域内及び高圧酸素療法装置内へは持ち込まないこと。また、高圧酸素療法室内へ輸液ラインだけを入れての使用もしないこと。当該環境に本品を誤って持ち込んだ場合は、直ちに使用を中止し、以降、使用しないこと。[本品はこれらの環境での使用を想定していない。これらの環境に持ち込むことにより、本品の誤作動や破損及び劣化、又は爆発の誘因となる可能性がある。]
(2)薬液注入中(特に微量注入)に本品を上下に移動させないこと。[重力により輸液ライン内で圧力変動が生じるため、過大注入や逆流が起こる可能性がある。]
(3)本品は精密機器のため、床への落下、輸液スタンドの転倒、強くぶつけるなどによる衝撃が加えられた場合はそのまま使用しないこと。[本品外観に異常が認められない場合でも、内部が破損し、流量精度や各種警報機能等の本品が有する機能や性能が得られない可能性がある。]
(4)高粘度の薬液を細い静脈針で早送りする場合、輸液ラインが閉塞していない場合でも閉塞警報が出やすい傾向がある。このときは、閉塞圧設定値を見直すこと。[早送りし続けた場合、閉塞警報が頻発したり、送液できない原因となる。]
(5)本品の高さを、患者の心臓の高さに対して±130cm以内の範囲で使用すること。
(6)本品と他の輸液システムを並行して使用する場合は、他のシステムの影響により本品の警報機能が作動する場合があるので注意すること。
(7)使用中は、DCコネクタなど、機器の主要部分への薬液等によるぬれが無いことを十分に確認すること。また、薬液のぬれを確認した場合、電源アダプタを本体及びAC100Vコンセントから抜いた状態、かつ電源を切った状態で速やかに乾いた布等でよく拭き取ること。[本品は防水構造ではなく、内部の電子部品に影響を与え、装置故障の原因となる。]
(8)本品は電源アダプタを接続して使用し、必ずバッテリを装填すること。[バッテリは電源アダプタを接続できない場合や移動時等の補助電源であり、装填していないと緊急時又は電源アダプタが抜けた場合に使用できなくなる。]
(9)輸液ラインとの接続を確実なものにするため、ルアーロックタイプの製品の使用を推奨する。
(10)シリンジの仕様が変更された場合、流量精度や警報機能が保証できない可能性がある。異常が認められた場合は、直ちに使用を中止し、弊社担当者まで連絡すること。
[保守・点検上の注意]
(1)消毒の際は、オートクレーブや滅菌器等は使用せず、消毒液に浸したガーゼ等をよくしぼってから本体を軽く拭き、その後、水又はぬるま湯に浸してよくしぼったガーゼ等で、消毒液を拭き取り、更に乾いた柔らかい布等で水気をよく拭き取ること。なお、希釈率はその製品の添付文書の記載に従うこと。使用可能な消毒液(成分名)例は以下のとおりである。
クロルヘキシジングルコン酸塩/ベンザルコニウム塩化物
(2)アルコールやシンナー等の有機溶剤やポビドンヨードでは拭かないこと。[有機溶剤を使用したり、使用可能な消毒液以外を使用した場合、本品の破損や故障の原因となる。]
(3)薬液が固着していると、輸液や警報検出が正しく行われなかったり、ポールクランプのクランプ部や可動部が正常に動作しなくなる可能性がある。薬液が付着した場合は、速やかに綿棒等で汚れをよく拭き取るなどの清掃を行うこと。
(4)本品を、流水や水没させての洗浄は行わないこと。[本品は防水構造ではないため、破損、故障する可能性がある。]