機械器具等 07 内臓機能代用器

体外循環装置用遠心ポンプ駆動装置

キャピオックス 遠心ポンプコントローラーSP-101

取扱説明書を必ず参照する

作成又は改訂年月日

**2013年2月8日改訂(第13版)

*2010年5月19日改訂

承認・届出等

販売名

キャピオックス 遠心ポンプコントローラーSP-101

添付文書管理コード

20600BZZ00159000_A_04

承認番号

20600BZZ00159000

承認年月

平成6年2月

一般的名称

一般的名称
70523000
体外循環装置用遠心ポンプ駆動装置

** *警告

使用方法
(装置全般)

・緊急時を想定して、必ず循環を維持するためのバックアップ体制(バックアップコントローラー、セパレート型ハンドクランク等)を整えておくこと。
[緊急時に循環が維持できない。]

・体外循環中は、循環状態(装置の作動状態、リザーバーの貯血状態等)を必ず確認すること。
[本装置は1.患者の状態を監視する機能を有していないため、本装置が適正に作動していた状態で患者の状況が変化しても検知できない。2.体外循環回路の破損等による液漏れ(血液含む)を検出することはできない。3.流量センサーを使用しても、流量異常を検出できない可能性がある。4.他のシステムと並行して使用する場合、仕様どおり作動しないことがある。]

・ドライブモーター、セパレート型ハンドクランクは磁石を使用しているため、金属や磁石等を近づけないこと。
[誤作動が生じることがある。]

・動脈側圧力をモニタするとともに、人工肺の血液側圧力を常にガス流路側より高くなるよう、ポンプを調節すること。
[ガス側の圧力が血液流路の圧力より高くなると、血液中にエアーが混入する可能性がある。]

・本品の周辺で電磁波を発生する機器(携帯電話、無線機器、電気メス、除細動器等)を使用する場合は、できるだけ離れた位置で使用すること。また、これらの機器とは別系統の電源を使用し、確実に接地を行って使用すること。
[本品に誤作動が生じた場合、患者に重篤な状態を与える可能性がある。](相互作用の項参照)

(コントローラー・バックアップコントローラー)

・AC電源を接続した状態では、2極サーキットブレーカーはONの状態にすること。
[2極サーキットブレーカーがOFFの状態では、内蔵バッテリーで駆動するため、バッテリーが消耗し、充電が不十分な場合は、停電発生時等の際に内蔵バッテリーでの作動ができなくなることがある。]

・通常はAC電源を使用すること。
[内蔵バッテリーは移動時、停電時等、AC電源が適正に使用できないときの補助用電源である。バッテリーが消耗し、充電が不十分な場合は、停電発生時等の際に内蔵バッテリーでの作動ができなくなることがある。]

*・AC電源ケーブルは、コントローラー又はバックアップコントローラーのAC電源コネクターに、しっかり奥に突き当たるまで押し込み、時計回りに約30度回転させること。また、コントローラーについては操作パネルの[AC OFF](AC電源遮断)ランプが消灯していることを確認すること。
[接続が不十分な場合には、内蔵バッテリーで駆動するためバッテリーが消耗し、機器が停止し、循環が維持できなくなる。(内蔵バッテリー搭載は、コントローラーのみ)]

**・AC電源ケーブルにケーブルストッパーを取り付ける際は、AC電源ケーブルのコネクターが、反時計回りに回らないようにすること。
[AC電源ケーブルの接続が外れた場合には、内蔵バッテリーで駆動するためバッテリーが消耗し、機器が停止し、循環が維持できなくなる。]


・コントローラーが連続した警報音を発報した場合は、ポンプが止まるため、ドライブモーターをバックアップコントローラーにつなぎ代えるか、遠心ポンプをセパレート型ハンドクランクにつなぎ代えて、循環を維持すること。
[患者に健康被害が発生する可能性がある。]

・緊急時にやむを得ず、救急車に本品を搭載して患者を移送する場合は、必ず救急車の供給電力が、搭載するすべての電気機器の総消費電力を上回っていることを確認すること。
[救急車の供給電力が不足すると機器が停止し、循環が維持できなくなる。]

(流量センサー)

・流量センサーを装着するときは、流量コネクターの窓部分にまんべんなくゲルが行き渡るよう、十分な量の超音波ゲルを塗布すること。(推奨ゲル:AQUASONIC100(PARKER社))また、流量センサーを長時間使用する場合、1時間に一度は流量検出不良が発生していないことを確認すること。
[超音波ゲルの塗布量が不十分だったり、超音波ゲルが乾燥すると、流量検出不良が発生し、正確な流量の測定ができなくなる。]

**(ケーブルストッパー)

・コントローラーのAC電源ケーブルに必ずケーブルストッパーを装着すること。
[AC電源ケーブルの接続が外れた場合には、内蔵バッテリーで駆動するためバッテリーが消耗し、機器が停止し、循環が維持できなくなる。]

**禁忌・禁止

併用医療機器
**・本品には指定の遠心ポンプ(コード番号:CX-SP45、CX-SP4538、CX-SP4538X、CX-SP4538XS)、流量コネクター(コード番号:CX-FC38)、キャピオックスカスタムパックの構成品であるキャピオックス遠心ポンプ以外は使用しないこと。
[指定の遠心ポンプ及び流量コネクター以外を使用した場合、本品が有する機能、性能が得られない可能性がある。]

使用方法
・本品は、心臓及び大血管手術時の体外循環以外の使用や、また移植前のブリッジ及び心機能回復のために長期使用はしないこと。
[本品は、体外循環外使用又は長期使用を想定した設計はしていない。]

・超音波ゲルは流量コネクターに塗布し、流量センサー側には塗布しないこと。
[装置内部の電子部品に影響を与え、本品が故障する原因となる場合がある。]

・本品は精密機器のため、床への落下、強くぶつけるなどによる衝撃が加わった場合はそのまま使用しないこと。
[本品外観に異常が認められない場合でも、内部が破損し、流量精度や各種警報機能等の本品が有する機能や性能が得られない可能性があるため、点検確認が必要である。]

・放射線機器、MRIの管理区域内及び高圧酸素療法室内へは持ち込まないこと。当該環境に本品を誤って持ち込んだ場合は、以降、使用しないこと。
[本品はこれらの環境での使用を想定していない。これらの環境に持ち込むことにより、本品の誤作動や破損及び経時的な劣化、又は爆発の誘因となる可能性がある。]

・本品は気密構造ではないので、活性ガス(消毒用ガスも含む)使用、ネブライザー等の噴霧あるいは多湿環境等で使用、保管はしないこと。
[装置内部の電子部品に影響を与え、損傷や経時劣化により、本品が故障する原因となる。]

・引火性のある環境では使用しないこと。
[引火又は爆発の誘因となる可能性がある。]

・本品を吸引装置として使用しないこと。
[意図した吸引動作ができない。]

**形状・構造及び原理等

<構造図(代表図)>

1.
コントローラー

本体前面図

本体背面図

操作パネル


2.
バックアップコントローラー
NO. 名 称 機 能 
1 [CHG](充電中)ランプ 内蔵バッテリーを充電しているときは緑色に点灯する。 
2 [BATTERY](バッテリー)充電状態表示 内蔵バッテリーの充電レベルを表示する。 
3 [MESSAGE](メッセージ)ウィンドウ モーターの作動状態、警報等を表示する。 
4 [RESET](リセット)スイッチ タイマーのカウントアップ停止状態でリセットを行う。 
5 アナログバー流量表示 設定されたフルレンジにおいて38セグメントの緑色のバーグラフで流量を表示する。逆方向への場合は赤色で点灯する。 
6 デジタル流量表示 流量(L/min:小数点以上1桁、小数点以下1桁)を表示する。正方向へ流れている場合は緑色で点灯し、逆方向への場合は赤色で点灯する。 
7 デジタルモーター回転数表示 モーター
回転数(rpm:4桁)を表示する。 
8 [AUTO−PRIMING](オートプライミング)ランプ オートプライミング中は点灯する。 
9 [AUTO−PRIMING](オートプライミング)スイッチ モーターの間欠的な回転の開始と停止を行う。 
10 [START](スタート)ランプ モーターが作動しているときは緑色に点灯する。 
11 [START](スタート)スイッチ モーターの作動開始を行う。誤操作防止のため、0.5秒以上押し続けないと作動しない。 
12 [POWER](電源)スイッチ 電源の[入][切]を行う。 
13 [AC OFF](AC電源遮断)ランプ AC電源が遮断しているときは赤色に点灯する。 
14 [ERROR](エラー)ランプ エラーが発生したときに赤色に点灯する。 
15 [ALARM OFF](警報音消音)スイッチ 警報音を消音する。 
16 [MODE](モード切り換え)スイッチ モードの切り換えを行う。 
17 設定キー 設定値の増減を行う。
+:設定値を増やす
−:設定値を減らす
キーを押し続けると、数値が連続して増減する。 
18 タイマー[START/STOP](スタート/ストップ)スイッチ タイマーのカウントアップの開始、停止を行う。 
19 タイマー表示 カウントアップ時間(時:2桁、分:2桁、秒:2桁)を表示する。 
20 アナログバー流量範囲表示 アナログバー流量表示のフルレンジを表示する。(2,5,10L/min) 
21 [RANGE](アナログバー流量範囲切り換え)スイッチ アナログバー流量のフルレンジの切り換えを行う。(2,5,10L/min) 
22 モーター回転数調節ツマミ モーターの回転数を調節する。 
23 [STOP](ストップ)ランプ モーターが作動していないときは赤色に点灯する。 
24 [STOP](ストップ)スイッチ モーターの作動の停止を行う。誤操作防止のため、1秒以上押し続けないと作動しない。 


3.
ドライブモーター

4.
セパレート型ハンドクランク

5.
流量センサー

6.
**ケーブルストッパー

本品構成品は、同梱されないものがある。
内容物については、各梱包の表示を参照のこと。

<原理>

ドライブモーターは磁気的に遠心ポンプの回転体と結合しており、血液と非接触に遠心ポンプを駆動させる。血液は遠心ポンプの内部の回転体が回転することにより発生する遠心力により、血液回路内を循環する。
コントローラーは、超音波ドップラー方式を原理とする流量センサーにより、血液回路内の血液流量を計測し、その表示に基づきドライブモーターの回転数を制御することで、適切な循環動態を維持する。
商用電源の停電時に備えてバッテリーによる内部電源を設けているが、更に内部電源によってもモーターが駆動不能になったときのために、セパレート型ハンドクランクにより、遠心ポンプを駆動することもできる。
バックアップコントローラーは、万が一コントローラーが作動不能になったときに使用するもので、最低限血液循環を維持できるようドライブモーターの回転数を制御する。

[電気的定格]

(1)
コントローラー

AC電源 
定格電圧:100V
周波数 :50−60Hz
消費電力:160VA

内蔵バッテリー 
電 圧 :24V
容 量 :5Ah

外部バッテリーコネクター
電 圧 :24V


(2)
バックアップコントローラー

AC電源 
定格電圧:100V
周波数 :50−60Hz
消費電力:130VA


[機器の分類]

(1)
コントローラー

・電撃に対する保護の形式による分類:クラスI機器及び内部電源機器

・電撃に対する保護の程度による装着部の分類:BF形装着部


(2)
バックアップコントローラー

・電撃に対する保護の形式による分類:クラスI機器

・電撃に対する保護の程度による装着部の分類:BF形装着部


本品はEMC規格 IEC60601-1-2:1993に適合している


[安全装置及び警報機能]

(1)
流量センサー又はドライブモーターが未接続の場合、警報を発し、[ERROR](エラー)ランプが点灯し、[MESSAGE](メッセージ)ウィンドウにメッセージを表示する。

(2)
逆流発生時にはデジタル流量表示の表示が赤に変わり、警報を発し、[ERROR](エラー)ランプが点灯する。

(3)
**電源ONの状態でAC電源が遮断されると以下のとおり動作する。

・AC電源遮断ランプが点灯する。

・30秒間隔で警報音を繰り返し発報する。

以上の動作はAC電源が復帰するまで継続する。


(4)
内蔵バッテリーにて駆動し、電源電圧が低下すると警報を発し、[ERROR](エラー)ランプが点灯し、[MESSAGE](メッセージ)ウィンドウにメッセージを表示する。

(5)
流量センサーの検出不良時に、警報を発し、[ERROR](エラー)ランプが点灯し、[MESSAGE](メッセージ)ウィンドウにメッセージを表示する。また、デジタル流量表示が点滅する。

(6)
流量センサーの測定値がローフロー警報設定値より低下するか又はハイフロー警報設定値を超えると、警報を発し、[ERROR](エラー)ランプが点灯し、[MESSAGE](メッセージ)ウィンドウにメッセージを表示する。

(7)
各種警報発報時、[ALARM OFF](警報音消音)スイッチにて消音後、その状態にて放置された場合、一定の時間経過後に再度警報を発する。

(8)
DC電源の出力電圧が遮断した場合、連続したブザーが発報する。


[使用条件]
周囲温度 10〜40℃ 相対湿度 30〜85%RH(ただし、結露なきこと)

使用目的、効能又は効果

使用目的

本品は主として人工心肺用血液回路内の血液を灌流させるディスポーザブル遠心ポンプを作動させるための駆動システムである。

**品目仕様等

(1)
コントローラー
回転数範囲      :0〜3000rpm
**回転数誤差     :±5%(3000rpm、1500rpm及び200rpm)
流量測定範囲     :0〜9.9L/min
流量測定精度     :±0.1L/min(0〜1.0L/min)
            ±10%(1.1〜9.9L/min)
           (いずれもHt=10%以上の場合)
内蔵バッテリー駆動時間:1時間(新品バッテリー12時間充電後、回転数2500rpm、流量設定4L/min)
内蔵バッテリー充電時間:12時間(満充電まで)
**警報音量      :最小設定時  50dB以上
            最大設定時  65dB以上
           (いずれも正面50cmにおいて)

(2)
バックアップコントローラー
回転数範囲      :0〜3000rpm
**回転数誤差     :±5%(3000rpm)

(3)
流量センサー
共振周波数      :5MHz±7%
電気機械結合係数(Kt):45%以上
静電容量(Cp)    :530pF±20%

** *操作方法又は使用方法等

1.
コントローラー

(1)
*本体背面のAC電源コネクターと、付属品のAC電源ケーブルのコネクターにマーキングされている赤丸印を合わせ、コネクターをしっかり奥まで押し込む。
時計回りに約30度回転させ固定し(取り外す場合は反時計回りに回転させ引き抜く。)、AC電源ケーブルのプラグをAC100Vコンセント(アース付)に接続する。

(2)
**コントローラーのAC電源コネクター部とAC電源ケーブルのコネクター部分にケーブルストッパーのクランプリングを装着する。ケーブルストッパーのノブを時計回りに回転させクランプリングと留め具の位置を固定する。

(3)
**本体背面のドライブモーターコネクターキャップを外し、あらかじめドライブモーターのプラグキャップを外したプラグをさし込み、ロックリングを時計回りに「カチッ」と音がするまで回転させる。

(4)
流量センサーを流量センサーコネクターへ接続する。

(5)
遠心ポンプをドライブモーターの遠心ポンプ装着面に取り付ける。

(6)
*2極サーキットブレーカーをONにし、[POWER](電源)スイッチを入れ、操作パネルの[AC OFF](AC電源遮断)ランプが消灯していることを確認する。

(7)
流量センサーの作動を確認した後、流量センサーを流量コネクターへ接続する。

(8)
各種[MODE](体表面積、ハイフロー・ローフロー警報、[MESSAGE](メッセージ)ウィンドウのコントラスト、警報音量)を設定する。

(9)
回路のプライミングを行う。

(10)
[START](スタート)スイッチを押す。

(11)
遠心ポンプの血液流出側ラインをクランプしたままでモーター回転数調節ツマミで逆流が起こらない回転数まで回転させ、血液流出側ラインのクランプを解除し、循環を開始する。

(12)
モーター回転数調節ツマミで調節しながら循環を維持する。

(13)
循環終了時は、逆流に注意してクランプ操作を行い、モーター回転数調節ツマミを「0」にした後、[STOP](ストップ)スイッチを押して循環を終了し、[POWER](電源)スイッチを押し電源を切る。


2.
バックアップコントローラー

(1)
*本体前面のAC電源コネクターと、付属品のAC電源ケーブルのコネクターにマーキングされている赤丸印を合わせ、コネクターをしっかり奥まで押し込む。時計回りに約30度回転させ固定し(取り外す場合は反時計回りに回転させ引き抜く。)、AC100Vコンセント(アース付)に接続する。

(2)
ドライブモーターをドライブモーターコネクターへ接続する。

(3)
遠心ポンプをドライブモーターの遠心ポンプ装着面に取り付ける。

(4)
[POWER](電源) スイッチを入れる。

(5)
遠心ポンプの血液流出側ラインをクランプしたままでモーター回転数調節ツマミで逆流が起こらない回転数まで回転させ血液流出側ラインのクランプを解除し、循環を開始する。

(6)
モーター回転数調節ツマミで調節しながら循環を維持する。

(7)
循環終了時は、逆流に注意してクランプ操作を行い、モーター回転数調節ツマミを「0」にした後、電源スイッチを切り循環を終了する。


3.
セパレート型ハンドクランク

(1)
遠心ポンプをセパレート型ハンドクランクの遠心ポンプ装着面に取り付ける。

(2)
クランクを時計方向に回して循環を開始する。

(3)
回転数を調節しながらクランクを回し、循環を維持する。

詳細については、取扱説明書を参照のこと。

使用方法に関連する使用上の注意

(装置全般)

・遠心ポンプに液を充填しない状態で作動させないこと。[回転体の内部シール等が破損する可能性がある。]

・動脈ポンプとして遠心ポンプを使用する場合には、動脈ラインにエアーが入らないように監視して使用すること。

・ドライブモーター又はセパレート型ハンドクランクに遠心ポンプを脱着するときは、必ずモーター又はセパレート型ハンドクランクは停止状態で行うこと。

・固定フックと遠心ポンプの体外循環回路接続部分が干渉しないように、ドライブモーターの位置を調整し、遠心ポンプを装着すること。[固定フックや遠心ポンプが破損する可能性がある。]

・遠心ポンプをドライブモーター又はセパレート型ハンドクランクに装着する際は、遠心ポンプの底面が遠心ポンプ装着面と密着し、スライドフックが戻っていることを確認すること。[薬液の固着等によりスライドフックが戻らないまま回転すると、遠心ポンプが外れる可能性がある。]

・流量は遠心ポンプの回転数で調節すること。[血液流出ラインを部分的に閉塞して流量を調節すると血液の損傷が増大する可能性がある。]

・患者の血液の逆流を防止するため、ローフロー設定値での速度(落差及び患者血圧で逆流を起こさない速度)を維持するか、又はポンプ出口側ラインをクランプすること。

・循環中及びプライミングの際に、大量のエアーが遠心ポンプに入り空回りして血流が停止する場合は、血液流出側ラインをクランプ後、いったんポンプの回転を停止し、エアーを抜いてからクランプを解除して、循環を開始すること。

・遠心ポンプの回転数を下げる場合は、回転数の調節に注意すること。[血液が逆流する可能性がある。]

・血液流出側ラインをクランプしたままで長時間遠心ポンプを回転させないこと。[プライミング液の加温による変性、血液損傷の可能性がある。]

・プライミング、及び循環を停止するときは必ず血液流出側ラインをクランプしてから、遠心ポンプの回転を停止すること。[血液流入側ラインをクランプした場合、血液が逆流する可能性がある。]

・本品を陰圧脱血補助で使用する場合、リザーバーにかかる陰圧の強さによって、血流量とポンプスピードの関係が変化するので注意すること。

・循環中は、血液流入側ラインをクランプしないこと。[ポンプ内が陰圧となり、血液中に気泡が発生する可能性がある。]

・流量測定は、ヘマトクリット10%以上の血液で行うこと。[流量測定に超音波ドップラー方式を採用しているため、ヘマトクリット10%未満(プライミング液等)の状態では、流量が正確に測定できない。]

**・ドライブモーター及び流量センサーを外した際は、必ずコネクター及びプラグにカバーをすること。


(コントローラー)

**・AC電源ケーブルにケーブルストッパーを装着する前に、取扱説明書「AC電源の接続」の項を参照すること。[正しくAC電源の接続を行わずケーブルストッパーを装着した場合、AC電源ケーブルの抜けを防止する機能が働かない。]

**・ケーブルストッパーを装着した状態でAC電源ケーブルのコネクターは回さないこと。[AC電源ケーブルを破損させる可能性がある。また、ケーブルストッパーの金属部分で本体の塗装に傷がつくことがある。]

・流量コネクターは血液流出ポートの直後に接続すること。[それ以外の場所に接続すると、正確な流量測定ができないことがある。]

・ハイフロー設定値が9.9L/min、ローフロー設定値が0.0L/minの場合は、警報が作動しないので注意すること。

・各種[MODE]設定値変更後は、必ず[MODE](モード切り換え)スイッチを押すこと。[[MODE](モード切り換え)スイッチを押さないと記憶されない。]

・循環終了時は必ず[STOP](ストップ)スイッチを押して、ドライブモーターを停止した後に、[POWER](電源)スイッチを押し電源を切ること。


(セパレート型ハンドクランク)

・セパレート型ハンドクランクを使用する場合には、クランクを無理なく回転させるのに十分なスペースとチューブの長さを確保してから確実に取り付けること。[循環を維持することができなくなる可能性がある。]

・最大回転数3000rpmを超えて使用しないこと。[遠心ポンプのトラブルや、血液損傷を起こす可能性がある。]

**使用上の注意

重要な基本的注意

(装置全般)

・本医療機器を用いた体外循環回路の接続・使用に当たっては、学会のガイドライン等、最新の情報を参考とすること。

<参考>
日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本人工臓器学会、日本体外循環技術医学会、日本医療器材工業会:人工心肺装置の標準的接続方法及びそれに応じた安全教育等に関するガイドライン


・併用する医薬品及び医療機器の添付文書を確認後、使用すること。

・本品は、開心術における体外循環が適用される術式に熟達した医師又は医師の監督、指示を受けた有資格者が常に監視しながら使用すること。

・本品の使用前、及びしばらく使用せず再び使用するときには、必ず使用前点検を実施し、正常にかつ安全に作動することを確認すること。異常が認められた場合には、本品は使用せず、点検、修理を依頼すること。[本品が有する機能、性能が得られない可能性がある。](使用者による保守点検事頃の項参照)

・本品への供給電力が十分であることを確認してから使用すること。[供給電力が不十分な場合、バッテリーで作動するため、緊急時に使用できなくなる可能性がある。また、本品を接続して供給電力を超えた場合には、他の機器にも影響を与える可能性がある。]

・本品には、専用のドライブモーター(コード番号:ME−SP101M)、セパレート型ハンドクランク(コード番号:XX−SP05)、流量センサー(コード番号:ME−FS38)以外は使用しないこと。

・付属のAC電源ケーブルを使用すること。AC100Vコンセント(アース付)等に接続して必ず接地を行うこと。[指定外のAC電源ケーブルを使用した場合、本品が故障する可能性がある。また接地を行わずに使用した場合、本品の電気的安全性が保証できない。]

・使用条件下であっても、急激な温度変化を避けて使用すること。[装置内部での結露発生により、損傷や経時劣化が生じ、本品が有する機能や性能が得られない可能性がある。]

・本品で使用されるケーブル(モーター、流量センサー)やAC電源ケーブル等は、鉗子等で挟んだり、針等で刺したり、また床等に這わせた場合にはキャスター等で踏んだりしないこと。[ケーブル等が破損した場合、感電や火災の可能性がある。また本品が有する機能や性能が得られない。]

・本品の分解、改造(表示部や可動部へのテープ留め等、機能や性能を阻害する行為含む)、修理をしないこと。[本品の故障や破損、装置性能の劣化を引き起こす可能性がある。]

**・バックアップキットボックス内の機器は、長時間保管状態がつづき使用頻度が極端に低いことが予想されるため、定期的に保守・点検を実施すること。保守点検の際には、バックアップキットボックス内のドライブモーター及びAC電源ケーブルを使用すること。

・ドライブモーター、セパレート型ハンドクランクの遠心ポンプ装着面には衝撃を加えないこと。[内部磁石の破損の可能性がある。]

・遠心ポンプ、流量コネクター、流量センサーの窓にクラック等の異常がある場合には使用しないこと。

・コントローラーにドライブモーターや流量センサー、又はバックアップコントローラーにドライブモーターを取り付ける(又は取り外す)ときは、[POWER](電源)スイッチを切ること。[装置が故障する原因となる。]

・コントローラーにドライブモーターや流量センサー、又はバックアップコントローラーにドライブモーターを取り付ける前に、コネクターが損傷していないか確認すること。コネクターピンが損傷していたり曲がっていた場合には、予備の装置と交換するとともに、その装置は使用しないこと。

・液体(血液や薬液等)の滴下によってコネクター(ドライブモーター、流量センサー)に液体がかかってショートすることがあるので、コネクターを接続する際には接続部分がぬれていないことを確認すること。また液体等のぬれを確認した場合、AC電源ケーブルを本品及びAC100Vコンセントから抜いた状態、かつ電源を切った状態で速やかに乾いた布等で拭き取ること。[本品は防水構造ではなく、内部の電子部品に影響を与え、装置故障の原因となる。]

・本品は、振動、塵埃、噴霧、腐食性ガス等の発生する場所や液体がかかる場所で使用しないこと。本品に液体(薬液や血液等)がかかった場合は、乾いた柔らかい布等で水気をよく拭き取ること。[本品が有する機能や性能が得られず、また故障の原因となる。]

・強い静電気が加わらないように注意すること。[故障や誤作動の可能性がある。]

・本品の使用中、移動する場合はスイッチ等に不用意に触れないようにすること。[本品の意図しない作動(停止、開始、電源の入、切)が生じる可能性がある。]


(コントローラー、バックアップコントローラー)

・[START](スタート)スイッチ(コントローラーの場合)又は電源スイッチ(バックアップコントローラーの場合)を押すときは、モーター回転数調節ツマミが「0」に設定されていることを確認すること。[モーター調節ツマミが「0」でないと、直ちにその設定値でモーターが回転する。]

・ベッド等の柔らかいところに置かないこと。[落下や転倒の可能性がある。本体底面の通気口がふさがれる可能性がある。]

・本品の表示部や操作部(スイッチ等)を強く押さえたり、ボールペンやツメ等、硬いもの、先の尖ったものでつついたり操作したりしないこと。[表示部や操作部の破損や故障の原因となる可能性がある。]


(コントローラー)

・購入後初めて使用する場合や、しばらく使用しなかった場合は、AC電源に接続し、電源ONで十分に充電(約12時間以上)を行うこと。[充電が不十分な場合、停電発生時等にバッテリーでの作動ができなくなることがある。]

・内蔵バッテリーで使用している場合、充電状態表示の緑色がすべて消灯したら直ちにAC電源を接続し、充電を行うこと。

・ヒューズを交換しても、すぐに切れてしまう場合は、装置の故障が考えられるため、直ちに使用を中止すること。


(ドライブモーター)

・固定フックにケーブル(モーター、流量センサー)やAC電源ケーブル等を掛けないこと。[固定フックが破損する可能性がある。]

・遠心ポンプを使用しないときはドライブモーターの遠心ポンプ装着面にマグネットカバーを着けておくこと。


(セパレート型ハンドクランク)

・フレキシブルシャフトには、重いものを載せたり、無理な力を加えて曲げたりしないこと。

相互作用

(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること)

併用注意

(併用に注意すること)

(コントローラー、バックアップコントローラー)

・電気メスの周辺で使用する場合:医用電気メスは高いエネルギーの高周波電流により、生体の切開や凝固を行う手術用機器である。電気メスの周辺で本品を使用すると、高周波雑音により誤作動する可能性がある。電気メスを併用する場合には、以下の事項について使用前に確認すること。

1)
電気メスは、その種類により高周波雑音の発生度合いが異なり、特に古いもの(真空管ギャップ式)から発生する雑音は大きくなるので併用は避けること。

2)
**電気メスのコード(メスホルダ、メスコード及び対極板コード)及び電気メス本体と、本品の距離をできるだけ離すこと(25cm以上)。

3)
電気メスと本品の電源は、別系統のコンセントからとり、確実に接地を行うこと。


(コントローラー)

**・本品を他の医療機器、医療用モニタと接続する際には、システムとしての安全を確保するため、JIS T0601-1-1:2005に適合していることを確認して使用すること。

・本品を医療用モニタと接続する際には、モニタのメーカーと仕様の確認を行うなど、安全に注意すること。また、接続ケーブルはEMI対策品を使用すること。

・外部通信機能を使用中は電気メス、携帯電話、無線機器、除細動器等に十分注意すること。また、本品が正常に作動していることを定期的に確認すること。[影響を受けやすくなる可能性がある。]

・外部通信機能を使用中は、内蔵バッテリーでの作動時間に注意すること。[作動時間が短くなる。]

貯蔵・保管方法及び使用期間等

貯蔵・保管方法

・水ぬれに注意し、日光及び高温多湿を避けて保管すること。

保管条件 :周囲温度 -20〜45℃ 相対湿度 10〜95%RH(ただし、結露なきこと)

[保管上の注意]
・日光や紫外線照射下に長時間放置しないこと。[外装が変色、変形、変質することがある。]

・振動、塵埃、噴霧下、腐食性ガス等の多い場所に保管しないこと。

・気圧、温度、湿度、風通し、塩分、イオウ分を含んだ空気等により悪影響の生じる可能性のある場所に保管しないこと。

・化学薬品の保管場所やガスの発生する場所に保管しないこと。

・ドライブモーター、セパレート型ハンドクランクは磁石を使用しているため、フロッピーディスク等の磁気媒体を近づけないこと。

・高温多湿化での保管は避けること。

・保管の際は、コントローラーの電源を切るとともに、ドライブモーターコネクターをコントローラーから外しておくこと。[内蔵バッテリーが徐々に放電し続ける。]

有効期間・使用の期限(耐用期間)

・指定の保守、点検並びに消耗品の交換を実施した場合の耐用期間:6年(自己認証による)

**保守・点検に係る事項

・安全に使用するために、定期的に保守点検を実施し、各点検で異常が認められた場合は、直ちに使用を中止すること。

[保守・点検上の注意]

・使用前、使用後に本品の清掃を行うこと。消毒を行う際は、滅菌器等は使用せず、消毒液を浸したガーゼ等をよくしぼってから本体を軽く拭き、その後、水又はぬるま湯を浸してよくしぼったガーゼ等で、消毒液を拭き取り、更に乾いた柔らかい布等で水気をよく拭き取ること。なお、希釈率はその製品の添付文書の記載に従うこと。使用可能な消毒液(成分名)例は以下のとおりである。

クロルヘキシジングルコン酸塩/ベンザルコニウム塩化物


・本品に血液がかかったり汚れがひどい場合は、水又はぬるま湯を浸したガーゼ等で速やかに拭き取ること。

・ドライブモーター又はセパレート型ハンドクランクのポンプヘッド装着部に薬液が固着していると、スライドフックが動かなくなることがある。薬液が付着した場合は、速やかに汚れをよく拭き取るなどの清掃を行うこと。

・清掃するときは、必ず本品の電源を切り、AC電源ケーブル、ケーブル(モーター、流量センサー)を抜いてから行うこと。[本品の故障や感電等を起こす可能性がある。]

・本体を、流水や水没させての洗浄は行わないこと。[本品は防水構造ではないため、破損、故障する可能性がある。]

・アルコールやシンナー等の有機溶剤やポビドンヨードでは拭かないこと。[有機溶剤や使用可能な消毒液以外を使用した場合、本品の破損や故障の原因となる。]

・本品はEOG滅菌や高圧蒸気滅菌等にかけたり、消毒薬液に浸さないこと。

**・本品やアクセサリーに麻酔剤等の薬剤を付着させないこと。[本品やアクセサリーが破損する可能性がある。]

・ドライヤー等を使用して乾燥させないこと。[本品が破損する可能性がある。]

・交換部品は指定部品以外使用しないこと。[本品が有する機能や性能が得られない可能性がある。]

・スイッチの接触状況、表示類等の点検を行い、機器が正確に作動することを確認すること。

・バッテリーは放電状態で保管しないこと。[放電状態のまま保管するとバッテリーが劣化し、緊急時に使用できなくなる可能性がある。]

**・毎回の点検によってバッテリーの劣化状態を確認すること。[バッテリーの劣化状態によっては、AC電源接続時に[BATTERY](バッテリー)充電状態表示が全て点灯していても(バッテリー電圧は正常)、バッテリー容量が不足し、バッテリー駆動できない場合がある。]

使用者による保守点検事項

(1)
コントローラー
点検項目 点検時期 点検内容(概要) 
外観、ツマミ、プラグ 毎回 外観のキズ、ツマミの回転、プラグの接続とロック 
電源投入機能 毎回 電源投入動作 
モーター駆動 毎回 モーター回転、回転数設定、停止 
**アラーム、バッテリー 毎回 各種エラー発生時のアラーム発報、バッテリーによる駆動 
流量センサー 毎回 チェックコネクターによる点検 
タイマー 6ヶ月に1回 タイマー作動 
プライミング 6ヶ月に1回 プライミング機能設定の確認、プライミング機能設定の変更 
バッテリー 6ヶ月に1回 バッテリーの充電、バッテリーを電源とする作動 

※詳細については、取扱説明書の点検の項を参照すること。


(2)
バックアップコントローラー
点検項目 点検時期 点検内容(概要) 
外観、ツマミ、プラグ 1ヶ月に1回 外観のキズ、ツマミの回転、プラグの接続とロック 
電源投入機能 1ヶ月に1回 電源投入動作 
モーター駆動 1ヶ月に1回 モーター回転、回転数設定、停止 
24時間連続運転 6ヶ月に1回 24時間連続運転 

※詳細については、取扱説明書の点検の項を参照すること。


(3)
セパレート型ハンドクランク
点検項目 点検時期 点検内容(概要) 
外観 毎回 外観のキズ、接続部のナットの緩み、クランクの回転 
作動 毎回 回転、回転数設定、停止 

※詳細については、取扱説明書の点検の項を参照すること。

業者による保守点検事項

点検項目 点検時期 点検内容(概要) 
定期点検 1年に1回を目安 専用工具・測定器を使用した点検調整及び補修 

包装

・1台/箱

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等

製造販売業者

氏名又は名称

テルモ株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等

東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号

電話番号

0120-12-8195 テルモ・コールセンター