SARSコロナウイルス核酸キット

ID NOW 新型コロナウイルス2019


作成・改訂年月

**2021年 10月改訂(第3版)

*2021年 2月改訂(第2版)

薬効分類名

体外診断用医薬品

一般的注意事項

この添付文書をよく読んでから使用してください。

承認・届出等

販売名

ID NOW 新型コロナウイルス2019

添付文書管理コード

30200EZX00073000_A_01

製造販売承認番号

30200EZX00073000

承認・認証年月等

令和2年10月

一般的名称

一般的名称
84014000
SARSコロナウイルス核酸キット

警告

重要な基本的注意

重要な基本的注意
1. 本品の判定が陰性であっても、SARS-CoV-2感染を否定するものではない。陰性の場合、臨床症状等から SARS-CoV-2 感染がなお疑われる場合は、別の既承認核酸検出法での測定を考慮すること。

2. 検査に用いる検体については、厚生労働省より公表されている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」を参照すること。

3. 鼻腔ぬぐい液を検体とした場合、適切な検体採取が行われないと正しい結果が得られない可能性があるため、【操作上の注意】を熟知し、1本のスワブで両鼻孔から採取された十分な量の検体を用いること。

4. 診断は厚生労働省より発表されている医療機関・検査機関向けの最新情報を参照し、本製品による検査結果のみで行わず、臨床症状も含めて総合的に判断すること。

5. 検体採取および取扱いについては、必要なバイオハザード対策を講じること。

全般的な注意

1. 本品は体外診断用医薬品であり、それ以外の目的に使用しないこと。

2. 本品は医療機器 ID NOWインスツルメント専用である。機器の添付文書およびユーザーガイドをよく読んでから使用すること。

3. 添付文書以外の使用目的および使用方法については保証できない。

4.唾液、下気道由来検体(喀痰もしくは肺胞洗浄液)に対する分析性能を担保する試験成績は取得していない。

形状・構造等(キットの構成)

1. テストカートリッジ (BASE) ・・・24 個

SARS-CoV-2 RNAの標的増幅のための凍結乾燥試薬を反応チューブに含むオレンジ色のプラスチック容器

(反応チューブ 1)

SARS-CoV-2 テンプレート1

SARS-CoV-2 テンプレート2

SARS-CoV-2 モレキュラービーコン

切断酵素

DNAポリメラーゼ逆転写酵素

dNTPs

2. サンプルカートリッジ(RCVR)・・・ 24 個

2.5mL の検体抽出液を含む青色のプラスチック容器

*本品の鼻腔または鼻咽頭ぬぐい液懸濁後の検体抽出液残液は、ID NOW インフルエンザA&B 2(承認番号:30200EZX00009000)にも使用可能である。詳細は技術資料”「ID NOW 新型コロナウイルス2019」と「ID NOW インフルエンザ A&B 2」を使用し同一検体から連続してテストを実施する場合の検査方法”を参照すること。

付属品

・分注カートリッジ( CARTRDG)

(サンプルカートリッジのアルミホイル袋に同梱)・・・24個

検体抽出液をサンプルカートリッジからテストカートリッジへ分注す

るための白色のプラスチック容器

・鼻腔ぬぐい液用滅菌綿棒

(1本は陰性コントロールスワブとして使用)・・・24本

・陽性コントロールスワブ(Positive(+) Control Swab)・・・ 1 本

使用目的

生体試料中の SARS-CoV-2 RNA の検出

(SARS-CoV-2 感染の診断の補助)

【使用目的に関連する使用上の注意】

【臨床的意義】、【操作上の注意】の内容を熟知し、本品の有用性を理解した上で、検体種を選択すること。

測定原理*

本品は、検体抽出液を含むサンプルカートリッジ、凍結乾燥試薬を含む密封された2つの反応チューブからなるテストカートリッジから構成され、専用機器 ID NOWインスツルメントを使用してSARS- CoV-2 のRNAの検出を行う。テストカートリッジの一方の反応チューブには、SARS-CoV-2 RNAのRdRpセグメントの特定領域増幅に必要な試薬、一方に内部コントロールが含まれている。

サンプルカートリッジに添加された SARS-CoV-2は、検体抽出液により、RNAが溶出される。この検体抽出液を試料とし、逆転写反応、増幅、および検出を行う。

本品の核酸増幅は、等温核酸増幅法の1つである NEAR(Nicking Enzyme Amplification Reaction)法を測定原理としている1)。本法では標的配列を挟むような2つのテンプレート(本法では一般的にプライマーと呼ばれる核酸複製時の起点となるオリゴヌクレオチドのことをテンプレートと表現する)を使用する。テンプレートには2本鎖を安定化する安定化領域、ニッキングエンドヌクレアーゼ(切断酵素)結合・切断部位、標的配列に相補的な領域(認識領域)の3つが存在する。安定化領域と切断酵素結合・切断部位は標的に相補的な配列は持たない。

反応液中のRNAはまず逆転写酵素によりDNAに逆転写される。その後、2つのテンプレート、DNAポリメラーゼ、切断酵素により、まず標的配列を含み、両末端に安定化領域、切断酵素結合・切断部位が付加された2本鎖生成物Ampli?cation Duplex が得られる。切断酵素がこのAmpli?cation Duplex の切断酵素結合・切断部位の片鎖に切れ目(ニック)を入れ、その部分を起点にして、DNAポリメラーゼが既にある相補鎖を乖離させながら、新しい相補的配列を伸長させることで、標的領域を含む特異的生成物が増幅する。この切断、および伸長は一定温度で繰り返し行われ、結果として特異的生成物は幾何級数的に増幅する。

核酸増幅の検出には、リアルタイム蛍光標識モレキュラービーコン検出システムを使用している。モレキュラービーコンはヘアピンループ構造をもつ一本鎖DNA配列であるが、増幅された標的配列へ結合することで、DNA の両末端に結合した蛍光物質と消光物質の距離が物理的に乖離し、蛍光シグナルが発せられる。そして、反応液中の蛍光強度が専用機器で経時的に計測されることにより、サンプル中のSARS-CoV-2 RNAが検出され、判定結果が専用機器画面に表示される。尚、本品は定性検出キットであり、定量測定目的に開発されたものではない。

操作上の注意

測定試料の性質、採取法

本品では、検体採取後の綿棒は、ウイルス輸送培地に希釈しないで、直接検出に用いること。正しい結果を得るため、適切な検体採取、保管および輸送を実施すること。

その他は、厚生労働省より公表されている「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」を参照すること

1)検体採取の準備

(1) 鼻腔ぬぐい液の採取は、付属の滅菌綿棒またはレーヨン、フォームの綿球の滅菌綿棒、HydraFlockR Flocked swab (mini tip)、Copan Mini Tip Flocked Swab、Copan Standard Flocked swabを使用すること。Puritan PurFlock Standard Tip Ultra Flocked Swab、Puritan PurFlock Mini Tip Ultra Flocked Swab、Copan Standard Rayon Tip Swab は使用しないこと。

(2) 鼻咽頭ぬぐい液の採取は、レーヨン、フォーム、ポリエステルまたはフロックの綿球で軟性シャフトの鼻咽頭ぬぐい液用滅菌綿棒を使用すること。

2)検体採取方法

(1) 鼻腔ぬぐい液

滅菌綿棒を鼻孔に回転させながら挿入していき、最初に抵抗を感じる部分(鼻甲介部、2.5cm未満の挿入)まで到達させ、鼻腔壁を擦る様に数回回転させた後ゆっくりと引き抜く。同じ綿棒を用いて、もう一方の鼻孔で検体採取を繰り返す。



(2)鼻咽頭ぬぐい液

綿棒を挿入する鼻孔は、鼻汁がより見えている鼻孔、鼻汁が見えない場合は鼻つまりが激しい鼻孔を選択する。

滅菌綿棒を外鼻孔から下鼻甲介に沿って回転させながら挿入し鼻咽頭部まで到達させた後、数秒間放置し、回転させながらゆっくりと引き抜き採取する。

3)検体の保存方法

検体は採取後できるだけ早く検査すること。直ちに検査ができない場合は、検体を綿棒の元のパッケージにもどし(または綿棒に合った容器に入れ、しっかりキャップをする)、15〜30℃で保管し、採取してから2時間以内に検査すること。2時間以上保管する場合は、2〜8℃で冷蔵し、検体採取時から24 時間以内に検査すること。

検体を元のパッケージに戻す場合は、パッケージを広く開けて綿棒の頭部が包装の下部にのみ接触するように慎重に戻すこと。滅菌綿棒で被包の外側に触れないようにすること。必要な場合は、あらかじめ滅菌綿棒が保管可能なチューブを用意し、検体採取後に検体を保存する。この際、チューブ内に滅菌綿棒がしっかりとはまり、キャップがしっかりと密閉していることを確認すること。

妨害物質・妨害薬剤*

検体に存在、鼻腔または鼻咽頭に添加される可能性のある以下の物質について、表中の濃度において測定結果へ影響はなかった。

交差反応

交差反応の可能性がある下表に挙げたすべての微生物との交差反応の可能性についての in silico分析を、NCBIおよびGISAIDデータベースからダウンロードした配列に、本品の標的核酸配列のテンプレートおよびプローブ配列をマッピングすることにより実施した。SARS-CoV-2 の特異的検出のためにデザインされた本品は、潜在的に偽陽性が予測されるヒトゲノム、他のヒトコロナウイルス、または微生物との有意な相同性を示さず、交差反応の可能性はないと予測された。

用法・用量(操作方法)

試薬の調製方法

構成試薬は全てそのまま用いる。

必要な器具・器材・試料等

専用機器(ID NOWインスツルメント)

使い捨て手袋

測定(操作)法

機器の操作についての詳細は ID NOWインスツルメントのユーザーガイドを参照すること。

1)試験開始前

(1) 全検体を室内温度に戻すこと。

(2) 全検査キットを室内温度に戻すこと。

2)検体の測定

(1) ID NOWインスツルメントの電源を入れる。ユーザーID をスキャンまたは入力してログインし、ホーム画面を立ち上げる。

※機器操作については ID NOWインスツルメントのユーザーガイドを参照すること。

(2) ホーム画面で“テスト実行”を選択する。

(3) “COVID-19”を選択する。

(4) 検体種(スワブ)を選択する。(選択画面が表示された場合)

(5) 患者IDをスキャンまたは入力する。

(6) カバーを開き、オレンジ色のテストカートリッジをオレンジ色のテストカートリッジホルダーに挿入する。



注意:力を入れすぎないこと。力の入れすぎは機器を損傷する可能性がある。

10 分以内に、正しい検査項目がスクリーンに表示されていることを確認し、ホーム画面の“OK”を押す。

注意:10 分を超えるとテストがキャンセルされ、構成試薬を破棄しなければならない。

(7) 青色のサンプルカートリッジを青色のサンプルカートリッジホルダーに挿入する。

注意:力を入れすぎないこと。力の入れすぎは機器を損傷する可能性がある。

注意:サンプルカートリッジをホルダーに挿入してから、10 分以内に検査を開始すること。

サンプルカートリッジが温まるのを待つ(約3分間)。加温が始まったら、サンプルカートリッジを取り出さないこと。

注意:機器の指示があるまでホイルシールをはがさないこと。機器の指示があるまで、カバーを閉めたり、検体を加えないこと。



(8) 画面で指示が表示されたら、ホイルシールをはがし、検体採取後の綿棒をサンプルカートリッジの液体中で 10 秒間混ぜる。綿球を側面に押し付けて溶液をしぼりながら綿棒を取り除き“OK”を押す。

注意:ホイルシールをはがす際、サンプルカートリッジが機器からはずれないようサンプルカートリッジの外縁を2本の指で押さえる。ウォームアップ後にサンプルカートリッジの液体がこぼれた場合はホームボタンを押してテストをキャンセルする。サンプルカートリッジとテストカートリッジを取り外して廃棄し、機器を清掃する。新しい試薬を用い、(2)から新しいテストを実施する。



(9) サンプルカートリッジに分注カートリッジを押し込む。

正しく押し込まれた場合は、分注カートリッジ上面のオレンジ色のインジケーターが上がる。オレンジ色のインジケーターが上がっていない場合は、上がるまで分注カートリッジを押し込むこと。

注意:オレンジ色のインジケーターを注意深く確認すること。オレンジ色のインジケーターがきちんと上がっていない場合、十分な検体量が分注されない可能性がある。

次に、分注カートリッジを持ち上げて、テストカートリッジに押し込んで接続する。分注カートリッジがテストカートリッジに正しく接続されると、オレンジ色のインジケーターが下がる。オレンジ色のインジケーターが下がらない場合は、下がるまで分注カートリッジを押し込むこと。

注意:オレンジ色のインジケーターが完全に下がらない場合、十分な検体量が分注されない。これにより、無効や誤った結果になる可能性がある。



(10) カバーを閉じる。

カバーを閉じると自動的にテストが開始される。テスト結果が画面に表示されるまで、カバーを開けないこと。

注意:分注カートリッジの接続を確認後 30 秒以内にカバーを閉じること。カバーが閉まったことが検知されない場合や、カバーを閉めて検知された後にカバーを開けると、テストがキャンセルされ、全ての構成試薬を廃棄しなければならない。またテスト結果は表示されず、記録もされない。



(11) 測定は自動的に終了し、判定結果が画面に表示される。

注意:テスト結果が画面に表示されるまで、結果は保存されない。結果が表示されるまで、カバーを開けないこと。

(12) テストカートリッジと分注カートリッジを接続したまま機器から取り外し、サンプルカートリッジに押し込んで接続し、そのまま廃棄する。

注意:検体が漏出する可能性があるため、追加検査実施時を除き、他の方法でサンプルカートリッジを取り外さないこと。

廃棄前に、分注カートリッジとテストカートリッジを分解しないこと。



測定結果の判定法

ID NOW インスツルメントの画面に表示された結果を読み取る。

画面表示 判定 

COVID-19:陽性 
SARS-CoV-2 陽性(+)
SARS-CoV-2 の標的 RNA が検出された
陽性であっても、細菌感染や他のウイルスとの重感染を否定するものではない 

COVID-19:陰性 
SARS-CoV-2 陰性(−)
SARS-CoV-2 の標的 RNA が検出されなかった 

COVID-19:無効 
判定不能
以下の手順で直ちに再試験をすること。
繰り返しこの結果が得られる場合は、別の方法で確認すること。 

無効の結果が得られた場合、同じサンプルカートリッジを使用して追加検査を実施することが出来る。以下の手順に従うこと。

(1) テストカートリッジと分注カートリッジを接続したまま機器から取り外し、未使用のホイルシールをはがしたサンプルカートリッジに接続する。接続したテストカートリッジと分注カートリッジは廃棄前にサンプルカートリッジに接続する必要があるため、新たな分注カートリッジに同梱されたサンプルカートリッジを使用する。

(2) 青いサンプルカートリッジを慎重に機器から取り外す。内容液がこぼれないよう直立に保持する。

(3) ホーム画面から、新しい検査を開始し、画面の指示に従う。ただし、サンプルカートリッジを挿入する指示については、サンプルカートリッジを再使用し、綿棒検体の再溶出はしないこと。

「判定上の注意」

1) SARS-CoV-2 の標的領域の遺伝子突然変異により、本品で検出されず、偽陰性となるリスクがある。

2) 検体の採取、輸送や取扱いが不適切な場合、偽陰性となる可能性がある。検体中に増幅阻害物質が存在する場合、またはウイルス量が不十分な場合に偽陰性となる可能性がある。

3) 本テスト結果は、他の病原体の感染を否定するものではない。

4) 本品では、検体採取後の綿棒は、ウイルス輸送培地に希釈しないで直接検出に用いる。

5) ウイルス輸送培地に保存した綿棒検体は本品の検出には使用できない。

【品質管理】

<内部コントロール>

・本品には内部コントロールが組み込まれている。内部コントロールの結果は画面に表示され、テスト結果とともに自動的に保存され、確認することができる。

・本品には検体阻害、増幅および試薬の品質を確認するための内部コントロールが含まれている。標的増幅が強い陽性検体では、内部コントロールではなく、標的増幅により臨床検体による阻害がなく、検査試薬が適切に機能したことを確認する。非常に低い頻度で、阻害物質を含む臨床検体で結果が無効となることがある。テスト結果表示画面の「内部コントロール 有効」表示は、試薬が品質を維持し、検体が反応を阻害しなかったことを示す。

<外部コントロール>

・本品の陽性コントロールスワブと陰性コントロールスワブ(付属の滅菌綿棒を使用)を用いて、試薬の品質の確認、またテストが正しく実施されていることを確認することができる。初めて本品を使用する場合には必ず実施が必要となるが、新しい試薬ロットを使用する場合や新しい検査者が使用する場合も、確認のために使用することができる。実際の使用頻度については検査室の管理手順に従うこと。

・陽性および陰性コントロールスワブによる検査を行うには、ID NOWインスツルメントの画面から“QC テスト実行”を選択し、画面の指示に従ってテストを実施する。詳細については、ID NOWインスツルメント ユーザーガイドを参照すること。

注意:ID NOWインスツルメントはQC 結果を“合格”もしくは“失敗”で表示する。

臨床的意義*

臨床性能試験成績
本品の性能は、疑似陽性検体により評価した。

呼吸器疾患の徴候および症状を有する個人から得られた鼻咽頭ぬぐい液を検体抽出液で抽出し、SARS-CoV-2(USA_WA1 / 2020) から精製されたRNAをスパイクして調製した疑似陽性検体30検体と個々の陰性鼻咽頭ぬぐい液30検体を用いて性能を評価した。

検体濃度別の推定結果との一致率

検体濃度 一致数 / 検査数 一致率 [95%信頼区間 ] 
2 X LOD 20/20 100%[83.9%-100%] 
5 X LOD 10/10 100%[72.3%-100%] 
陰性 30/30 100%[88.7%-100%] 

性能

性能

1)感度試験

既知濃度の陽性管理検体を用いて試験する時、陽性の反応を示す。

2)正確性試験

既知濃度の陽性管理検体および陰性管理検体を用いて試験する時、陽性管理検体は陽性および陰性管理検体は陰性を示す。

3)同時再現性試験

既知濃度の陽性管理検体および陰性管理検体を用いて 3 回繰り返し試験する時、陽性管理検体は陽性および陰性管理検体は陰性を示す。

4)最小検出感度(例示)

500 copies/mL(検体抽出液中)

較正用基準物質

ATCC VR-1986HK

使用上又は取扱い上の注意

取扱い上(危険防止)の注意

1)検体を取扱うときは感染の危険性を考慮して標準予防策に準じ、防護服、マスク、使い捨て手袋およびゴーグル等の適切な防護具の着用、手指消毒を行うこと。また、COVID-19 が疑われる検体を扱ったときは、手袋を交換すること。

2)コントロールスワブ中のウイルスは不活化されている。しかしながら、患者検体、コントロールスワブおよび構成品は感染の危険があるものとして扱うこと。使用および廃棄にあたっては、必要なバイオハザード対策を実施すること。

使用上の注意

1)アルミホイル袋は使用直前まで開封しないこと。

2)使用前または使用後に構成品に手を加えないこと。

3)使用期限を過ぎたキットを使用しないこと。

*4)異なるロット、または他品目の構成品を混同して使用しないこと。

(同一検体による他品目連続測定の場合を除く)

5)構成品が落下したり、ヒビ割れたり、破損していることに気づいたり、受け取り時に開封していた場合は使用せず、廃棄すること。ア

ルミホイル袋を開けるときは、構成品の損傷を避けるためハサミや鋭利なものを使用しないこと。

6)機器に設置する前に、サンプルカートリッジのホイルシールをはがさないこと。検体抽出液が適正温度に達するのを妨げ、検査に影響を及ぼす可能性がある。

7)サンプルカートリッジのホイルシールを開ける際に検体抽出液がこぼれた場合は、検査を中止し、機器のユーザーガイドに従って機器を清掃し、新しいサンプルカートリッジで検査を行うこと。

8)全ての構成品は単回使用である。複数の検体に使用しないこと。

9)一度反応すると、テストカートリッジには大量の増幅産物(アンプリコン)が含まれる。テストカートリッジと分注カートリッジを分解しないこと。カートリッジの分解は、陽性検体の場合にアンプリコンの漏出、潜在的な偽陽性結果につながる可能性がある。

10)稀に、臨床検体は結果が無効になりうる阻害物質を含むことがある。無効(判定不能)の頻度は施設により変動する。

11)高感度のため、前に実施した陽性検体の汚染により偽陽性となる可能性がある。標準的な検査基準に従って検体を取り扱うこと。機器のユーザーガイドに従い、機器や周辺を清浄すること。機器メンテナンスとクリーニングの詳細についてはユーザーガイド セクション 1.6 を参照のこと。

廃棄上の注意

1)機器の画面に表示されている指示に従い、すべてのカートリッジを取り外し、廃棄物に関する規定に従って医療廃棄物として処分すること。組み立てられたカートリッジは分解しないこと。

2)使用済みの滅菌綿棒、検体に接触した器具などは感染の危険があるものとして、オートクレーブ(121℃、20 分以上)などで滅菌するか、または次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度 1,000ppm)に1 時間以上浸すなどの処理をすること。

3)検体の採取および取扱い時に、検体が飛散したりこぼれたりした場合には、すぐに消毒用アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウム

(有効塩素濃度 1,000ppm)等によるふき取りと消毒を行うこと。

貯蔵方法、有効期間

貯蔵方法

貯蔵方法:2 〜 30℃に保存

有効期間

**有効期間:9 箇月(使用期限は外箱に記載)

包装単位

24テスト用

主要文献

主要文献

*1) Nie S. et al. Evaluation of Alere i Influenza A&B for rapid detection of influenza viruses A and B, J Clin Microbiol. 2014, 52(9), 3339-3344

2) Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Informs Public About Possible Accuracy Concerns with Abbott ID NOW Point-of-Care Test, https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/ coronavirus-covid-19-update-fda-informs-public-about-possible- accuracy-concerns-abbott-id-now-point

製造販売業者の氏名又は名称及び住所

氏名又は名称(製造販売業の種別)

アボット ダイアグノスティクス メディカル株式会社 

体外診断用医薬品製造販売業

住所等

〒270-2214 千葉県松戸市松飛台357

電話番号

047-311-5750

問い合わせ先

氏名又は名称
アボット ダイアグノスティクス メディカル株式会社 お客様相談室

住所等
〒163-0807 東京都新宿区西新宿2-4-1

電話番号
0120-1874-86

その他の安全性情報

備考

**【承認条件】
承認時のデータが極めて限られていることから、製造販売後に臨床性能を評価可能な適切な試験を実施すること。