2007年6月作成(第1版)
薬効分類名
体外診断用医薬品
一般的注意事項
この添付文書をよく読んでから使用してください。
承認・届出等
販売名
A/G B-テストワコー
添付文書管理コード
16100AMZ04258000_A_01
製造販売承認番号
16100AMZ04258000
承認・認証年月等
昭和61年9月
一般的名称
一般的名称
全般的な注意
(1)本製品は体外診断用であり、それ以外の目的に使用しないで下さい。
(2)この添付文書に記載された使用方法に従って使用して下さい。記載された使用方法および使用目的以外での使用については、測定値の信頼性を保証しかねます。
(3)測定機器は取扱説明書に従い適切な条件下で使用して下さい。なお、詳細については機器メーカーに問い合わせて下さい。
(4)測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果と併せて担当医師が総合的に判断して下さい。
形状・構造等(キットの構成)
構成試薬
(50回用)
(1)アルブミン発色試液 250mL 1びん
こはく酸緩衝液 pH4.2
ブロムクレゾールグリーン
界面活性剤を含有
(2)総タンパク発色試液 250mL 1びん
硫酸銅五水塩
酒石酸カリウムナトリウム
水酸化ナトリウムを含有
(3)標準血清 3mL用 1びん
ウシ血清由来表示値はロットごとに異なりラベルに記載しています
(4)アルブミン盲検用試液 25mL 1びん
こはく酸緩衝液 pH4.2
界面活性剤を含有
使用目的
血清中アルブミン・グロブリン比(A/G)の測定
測定原理
(1)アルブミンの測定方法(BCG法)
試料にアルブミン発色試液を作用させますと、試料中のアルブミンはブロムクレゾールグリーン(BCG)と結合し、青色を呈します。この青色の吸光度を測定することにより試料中のアルブミン濃度を求めます。
(2)総蛋白の測定方法(ビウレット法)
試料に総タンパク発色試液を作用させますと、試料中の蛋白は銅イオンと錯塩を形成して青紫色を呈します。この青紫色の吸光度を測定することにより試料中の総蛋白濃度を求めます。
総蛋白濃度からアルブミン濃度を差引けば、グロブリン濃度が求められ、アルブミン濃度とグロブリン濃度の比がアルブミン・グロブリン比となります。
操作上の注意
測定試料の性質、採取法
(イ)採取後の検体は速やかに測定して下さい。
妨害物質・妨害薬剤
(イ)ヘパリンは、アルブミンの測定値にわずかに負誤差を与えますので使用しないで下さい。
(ロ)しゅう酸塩、EDTAおよびふっ化ナトリウムは通常使用量では測定値に影響を与えません。
(ハ)高度乳濁血清は正誤差を与えます。
(ニ)アルブミンの測定では、溶血はわずかに正誤差を与えます。
(ホ)ビリルビンは測定値にほとんど影響を与えません。
その他
(イ)指定された反応温度、反応時間以外での使用は避けて下さい。
(ロ)アルブミン発色試液を添加後10分で呈色は最高となり、1時間は変化ありません。
(ハ)総タンパク発色試液を添加後30分で呈色は最高となり、2時間後も変化ありません。
(ニ)アルブミンを呈色させた場合、試薬盲検値は温度の上昇に伴って高くなってきますが、呈色度の変化は5℃当り1.5%に過ぎません。しかし、正確な測定値を得るためにその都度標準を立てるようにして下さい。
(ホ)総蛋白測定の場合は温度による影響は受けません。
(へ)高脂血清の補正法
(1) アルブミン測定において、高度乳濁血清の場合は次のようにして検体盲検値を測定し、検体の吸光度Esから差引いて補正して下さい。
検体盲検の測定法
血清0.02mLにアルブミン盲検用試液5.0mLを加え、よく混合したのち、水を対照として630nmにおける吸光度を測定します。
(2) 総蛋白測定において高度乳濁血清の場合は次のようにして検体盲検値を測定し、検体の吸光度Esから差引いて補正して下さい。
検体盲検の測定法
血清0.1mLに生理食塩水5.0mLを加え、水を対照として540nmにおける吸光度を測定します。
(ト)バイアル瓶の中は減圧になっていますので、開栓時は内容物を飛散させないよう静かに開けて下さい。
用法・用量(操作方法)
試薬の調製方法
アルブミン発色試液:そのまま使用して下さい。
総タンパク発色試液:そのまま使用して下さい。
アルブミン盲検用試液:そのまま使用して下さい。
標準血清:標準血清(3mL用)1びんに蒸留水またはイオン交換水を正確に3.0mL加えて溶解した後、(4)検量線作成法に従って使用して下さい。
調製後は凍結保存して下さい。
必要な器具・器材・試料等
・試験管
・ピペット(標準血清調製用、試料採取用、試液分注用)
・分光光度計または540nmおよび630nmのフィルターをもつ比色計
測定(操作)法
〈標準操作法〉
※1 水0.02mL添加の有無による吸光度の差は実際上ありませんので水の添加は省略しました。
(4)検量線作成法
表1、表2に従って標準血清を蒸留水またはイオン交換水で希釈します。
これを試料として用い、標準操作法の標準の項に従って操作して下さい。
吸光度を縦軸に、濃度を横軸にとり検量線を作成して下さい。
※1 標準血清(アルブミン5.0g/dL)を使用する場合
※2 試料の採取量は通常0.02mLですがこの場合は0.04mL使用します。
このとき液量の変化はわずかですので補正は省略しました。
※3 標準血清(総蛋白8.0g/dL)を使用する場合
※4 試料の採取量は通常0.1mLですがこの場合は0.15mL使用します。
そのため液量が増加しますので補正した値です。
(5)計算法
(イ)検量線から求める方法
あらかじめ作成した検量線から吸光度Esに相当するアルブミン濃度、または総蛋白濃度を求めます。
(ロ)計算式から求める方法
※1,2 標準血清の表示値はLotにより異なります。
(ハ)アルブミン・グロブリン比を求める方法
測定結果の判定法
参考正常値 アルブミン(4) 3.7〜5.2g/dL
総蛋白(3) 6.5〜8.0g/dL
アルブミン・グロブリン比(4) 1.2〜1.8
性能
性能
アルブミン
(1)感度
(イ)精製水を試料として操作した場合の吸光度は、0.120〜0.220の範囲内です。
(ロ)特定濃度の標準血清(アルブミン5.0g/dL)を試料として操作した場合の吸光度は、0.480〜0.810の範囲内です。
(2)正確性
既知濃度の管理用血清を測定するとき、既知濃度の±12%以内にあります。
(3)同時再現性
同一検体を5回以上同時に測定するとき、吸光度のCV値は1.0%以下です。
(4)測定範囲
アルブミン 0.10〜6g/dLです。(標準操作法による)
総蛋白
(1)感度
(イ)精製水を試料として操作した場合の吸光度は、0.050〜0.100です。
(ロ)特定濃度の標準血清(総蛋白8.0g/dL)を試料として操作した場合の吸光度は、0.300〜0.500です。
(2)正確性
既知濃度の管理用血清を測定するとき、既知濃度の±10%以内にあります。
(3)同時再現性
同一検体を5回以上同時に測定するとき、吸光度のCV値は1.0%以下です。
(4)測定範囲
総蛋白 0.40〜12g/dLです。(標準操作法による)
相関性試験成績
使用上又は取扱い上の注意
取扱い上(危険防止)の注意
(1)試薬が誤って目や口に入ったり、皮膚に付着した場合には、直ちに大量の水で洗い流し、必要があれば医師の手当等を受けて下さい。総タンパク発色試液はpH11以上のアルカリ性溶液です。
(2)ピペットをご使用の際は直接口で吸わないよう、必ず安全ピペッター等を使用して下さい。
(3)バイアル瓶の開栓はアルミキャップ部分で怪我をしないよう慎重に行って下さい。
使用上の注意
(1)試薬は指定された条件で保管し、使用期限を過ぎたものは使用しないで下さい。
(2)誤って凍結させた試薬は使用しないで下さい。正しい結果が得られないことがあります。
(3)試薬の開封後はなるべく早く使用し、保存する場合は蓋を閉めて指定の条件で保存して下さい。
(4)本品中の容器、付属品は他の目的に転用しないで下さい。
(5)標準血清はウシ血清を凍結乾燥させたものです。他の目的には使用しないで下さい。
廃棄上の注意
(1)廃棄に際しては廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)及び排水基準に従って適切に処理して下さい。
総タンパク発色試液中に硫酸銅五水和物を3g/L(銅として760mg/L)含有しています。
アルブミン発色試液中にフェノール類のブロムクレゾールグリーンを120mg/L含有しています。
(2)検体と接触した試薬及び試薬容器等は、感染の危険性があるものとして処理して下さい。
(3)標準血清は、防腐剤としてアジ化ナトリウムを0.1%(3mLに溶解時の濃度)含有しています。アジ化ナトリウムは、銅や鉛などの重金属と結合してアジ化物を形成します。重金属のアジ化物は、乾燥状態で衝撃により爆発する性質がありますので、排水後は、排水管に残留しないように十分量の水で洗い流して下さい。
貯蔵方法、有効期間
貯蔵方法
2〜10℃保存
有効期間
製造後1か年間
包装単位
(コード番号)(品 名)(包 装)
274−24301 A/G B-テストワコー 50回用
主要文献
主要文献
(1)Doumas, B.T., Watson, W.A. and Biggs, H.G. : Clin. Chim. Acta, 31, 87−96 (1971).
(2)Gornall, A.G., Bardawill, C.J. and David, M.M. : J. Biol. Chem., 177, 751−766 (1949).
(3)柴田 進,和嶋 毅:日本臨牀,27,710−719(1969).
(4)柴田 進,北村元仕:「日常臨床生化学定量法」,24−32(中山書店)(1963).
製造販売業者の氏名又は名称及び住所
氏名又は名称(製造販売業の種別)
富士フイルム和光純薬株式会社
体外診断用医薬品製造販売業
住所等
大阪府大阪市中央区道修町三丁目1番2号
電話番号
06-6203-3741
問い合わせ先
氏名又は名称
富士フイルム和光純薬株式会社 臨床検査薬 カスタマーサポートセンター
住所等
〒103−0023 東京都中央区日本橋本町二丁目4番1号
電話番号
Tel:03−3270−9134 (ダイヤルイン)