事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 皮下用ポート及びカテーテル
販売名 DewX CVポートシステム
製造販売業者名 テルモ
購入年
事例の具体的な内容 約8ヶ月前にCVポートを留置したが、血液の逆流がみられないため使用していなかった。末梢血管を使用し化学療法を行っていた。末梢血管の確保も困難となったためPICCを挿入した。PICCカテーテルが安全な部位に挿入されたか確認するため胸部単純X-Pを撮影したところカテーテルが肺動脈に写っていた。PICCカテーテルを引き抜いて再固定したが、カテーテルの先端位置は変化なかった。PICCカテーテルが断裂したと考え、放射線診断科に依頼し画像を詳細に検討した。肺動脈に迷入していたのはPICCカテーテルではなく、今回使用していないCVポートカテーテルが断裂した先端であると判明した。頸静脈的に断裂したカテーテルを回収した。
事例が発生した背景・要因 血液の逆流が認められないCVポートをそのままにして経過を見ていた。 患者は腹部の疾患であり、CVポート挿入後は胸部X-P検査を行っていなかった。 CT所見を確認する際も全体像であるTopogramを観察していなかった。 CVポートが断裂するとは予想していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 CVポートの破損が疑われるときは速やかに抜去する。 治療過程において、胸部CTを撮影する機会があった際は、CVポート挿入部も撮影し、CVポートカテーテルの断裂を早期に発見する。 CT撮影時、医師から依頼があった場合は必要な撮影終了後、腕を降ろした状態で胸部撮影を追加するよう放射線科に周知。 CVポートの破損事例が院内で発生していることを周知する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。 なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約8か月であった。