事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 単回使用気管切開チューブ
販売名 スピーチカニューレ
製造販売業者名 株式会社 高研
購入年
事例の具体的な内容 気管カニューレから発声できる段階に進めるため、気管カニューレ複管タイプに14時頃変更し、複管の内筒を抜いた状態で、スピーチバルブを装着していた。痰が多い状態で、吸引を頻回に実施していた。準夜になり18時15分吸引しようとしたところ、スピーチバルブのシートが付いていないことに気が付いた。前回吸引は17時50分でそのときバルブシートはあったことを確認している。周囲を探したいがシートは見つからなかった。20時30分再度バルブシートを探すが見つからず、当直医師に報告し、気管支鏡を施行すると、右の主気管支壁に貼りついているシート発見した。CCUの気管支鏡では除去できず、内視鏡室で呼吸内科医師が気管支鏡実施しシートを除去した。
事例が発生した背景・要因 ・スピーチバルブ装着時の吸引方法の間違い スピーチバルブの装着時の吸引は、バルブの接続部から外し吸引しなければならなかったが、スピーチバルブの上部を回転させ分解し 外して吸引していた。吸引後シートを戻しバルブ上部を回して固定した。 ・スピーチバルブの管理方法について、説明書に沿った方法ができていなかった。 ・使用頻度の少ない器具を使用する際の、事前の学習会などスタッフ教育がなされていなかった。 <業者の再現試験の結果> バルブシートが迷入した原因は、はっきりしないが、吸引チューブでシートを気管内に押し込んだ可能性があると報告された。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・使用頻度の少ない器具を使用開始する際の器具について、事前に学習会等開催する。  急に使用しなければならない場合、説明書を十分に理解する。または、業者などから説明を受けるなどする。 ・スタッフに周知できるよう掲示や情報を共有し注意喚起する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については企業から薬機法に基づく不具合報告が提出されており、調査の結果、バルブシートが脱落した原因は、気管カニューレにスピーチバルブを接続したまま吸引操作を実施し、バルブシートを吸引チューブで気管内に押し込んでしまった可能性が推察されるとのこと。 なお、高研式気管カニューレの添付文書においては、従来からスピーチカニューレの付属品であるスピーチバルブを接続しないよう記載していたが、当該事例を受け、改めて情報提供文書を配布し、スピーチカニューレ使用者についても、吸引チューブを使用する際は、スピーチバルブを取り外すことについて合わせて注意喚起を行ったとのこと。