事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 加圧式医薬品注入器
販売名 クーデックバルーンジェクター
製造販売業者名 大研医器株式会社
購入年
事例の具体的な内容 投与開始1時間後に意識の混濁と痙攣を来した。直ちにホリゾンを投与。下顎呼吸であったため、バック換気で呼吸アシストを開始。その後気管挿管を行い、血圧は200mmHg台、鎮静のためプロポフォールを投与開始。バルーンジェクターのボトルを確認すると、残が空になっており急速投与による局所麻酔薬中毒と判断し、脂質製剤の投与を開始した。
事例が発生した背景・要因 クーデックバルーンジェクターPCAセットを準備する際に、PCA装置側の青色コネクターとポンプ側の患者接続コネクターを接続してしまい、ポンプ側の青色コネクターを患者に接続してしまった。ポンプ側にある3つのコネクターは色分けがしてあるが、すべて同じ形状であるため、誤接続が出来てしまう。 また同様の事例は他院でも発生しており、誤接続に関する注意喚起文書がメーカーから公表されていたが、直接周知されていなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 間違えて接続しようとしても、接続部出来ないように、3つのコネクターそれぞれの構造を別々にし、誤接続が起こらない構造が必要。 メーカーからは誤接続の防止策としてコネクターの形状を変更するとのことであるため、変更後のものが入るまで、現行の物品は使用しない。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については企業から薬事法に基づく不具合報告が提出されており、PCA装置に接続するコネクターを誤って患者に留置されたカテーテルに接続したために、薬液が急速投与されたとのこと。 当該企業は、当該事例の他に同様事例が複数報告されていることから、2014年3月より、ポンプ側およびPCA側のコネクター形状を変更し、誤接続を防止する対策が実施されている。