事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 末梢静脈挿入式中心静脈用カテーテル
販売名 PICC キット
製造販売業者名 日本コヴィディエン株式会社
購入年
事例の具体的な内容 透視下に左肘正中静脈よりPICCカテーテルを挿入した。カテーテルの先端は腕頭静脈内に留置し,逆血を認め血管内に留置されていることを確認した。翌日より輸液を開始した。輸液投与時に問題は認めなかった。その後、食道がんに対し手術を施行し,術後も輸液を継続した。術後5日目の午前2時頃に頸部腫脹を認めた。ドレーンからの排液が多く乳び漏の可能性を考えて,経腸栄養を中止した。同日11時頃更に頸部腫脹が増強した。ドレーンを抜去したところ,無色透明の液体が大量に排出された。炎症反応高値であったため,CTを撮影したところ,PICCカテーテルの先端を血管外に認めたため,直ちにPICCカテーテルを抜去した。
事例が発生した背景・要因 手術中に体位を変更する必要があり,PICCカテーテル・先端が移動することを認識していなかった。頸部腫脹,ドレーン排液増加の原因を術後の乳び漏と判断しており,PICCカテーテルの血管外逸脱であると判断していなかった。また術後のX線撮影によるカテーテルの位置確認を怠った。
実施した、若しくは考えられる改善策 PICCカテーテルの先端を上大静脈内に十分な長さで留置する。PICCカテーテル挿入時に造影剤を使用した血管内留置を確認する。手術後・異常出現時にもX線撮影によるカテーテルの位置確認を行う。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については企業から薬事法に基づく不具合報告が提出されており、患者の体動等によりカテーテルが血管外に逸脱、血管穿孔となった可能性が考えられるとのこと。 なお、当該製品の添付文書には、留置中の血管穿孔について記載されている。