事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 再使用可能な内視鏡用能動処置具
販売名 不明(再使用可能な内視鏡用能動処置具関連)
製造販売業者名 エム・シー・メディカル株式会社
購入年
事例の具体的な内容 腹腔鏡下胆嚢摘出術目的にて入院。9時手術室入室、全身麻酔下にて9時45分手術開始した。10時頃腸把持鉗子の不具合を医師より指摘され別の腸把持鉗子に交換した。不具合のあった腸把持鉗子を業者が点検したところ、先端部分についている金属片が欠けている可能性があると言われX-P撮影施行。腸把持鉗子の破片らしきものを確認したため腹腔鏡下にて摘出することとなった。17時45分家族へ腹腔鏡下では取れなかったため開腹してよいか説明を行い、家族の了承を得て開腹となった。19時20分破片を摘出する。X-P撮影にて破片がないことを確認した。
事例が発生した背景・要因 1.6年前に機器購入後メーカーによるメンテナンスを実施していない。 2.機器の組み立て、作動チェック等をスタッフで実施していたが、取り扱い説明書通りにできていなかった。 3.取り扱い説明書があることをスタッフは知らなかった。 4.取り扱い説明書が6年後に更新されていたがメーカーより情報提供がなされていなかった。 5.同様の事故が6年前より6件発生していたがメーカーより情報提供がなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 1.日々の医療機器の取り扱いに対して取り扱い説明書通りの組み立て、作動チェックを行う。 2.メーカーなどと連携を密にし点検を適宜依頼する。また学習会などを開催し知識の習得、取り扱いなど学び業務に活かしていく。 3.器械洗浄後の組み立て時、看護師の準備時、直接術者医師の点検と3回のチェックを行い異常の早期発見につなげる。 4.今後このような事例が発生した場合は、家族に対してこまめに状況説明を行い医療者として責任の持てる対応をする。

事例検討結果
事例検討結果 当該企業に確認したところ、当該事例と考えられる事象は情報入手されておらず、腹腔鏡下手術において把持鉗子の先端が破損し体内遺残したと考えられるとのこと。破損の原因は不明であるが、6年前の購入以来、メンテナンスを実施せず、耐用期間(1年)を超えて当該鉗子を使用したことも要因と考えられるとのこと。 なお、当該企業は2003年2月から添付文書に耐用期間について記載し、情報提供しているところ。