【記述項目】 | |
一般的名称 | 弾性ストッキング |
販売名 | 着圧ハイソックス CTN |
製造販売業者名 | 株式会社ナチュラルネットワーク |
購入年 | |
事例の具体的な内容 | 1年前より右乳癌のため化学療法開始。化学療法中の5ヵ月後に四肢のしびれ出現し、徐々に悪化した。化学療法終了。しびれから1ヵ月後より、放射線療法開始し、計50Gyで終了。その後しびれは徐々に改善するが、両足部および手指先端のしびれは残存。その後、右乳癌再発し、その後、皮下乳腺全摘術、腋窩リンパ節郭清+遊離腹直筋皮弁による再建術を実施。手術時間14時間7分。手術直前より、DVT予防目的で弾性ストッキング着用。術後の帰室時、下肢の末梢冷感がなく、指の動きがあること確認しAVインパルス装着。その後、下肢のしびれ強いと訴えがあり医師が診察した結果、術前からの抗がん剤の副作用のしびれと判断し経過観察となる。膝の屈曲を促しマッサージ等を実施するがしびれは継続。医師と共に歩行開始するがしびれ持続。右足の痛みと左足背が上がらないとの訴えあり、整形外科を紹介受診した結果、左腓骨神経麻痺と診断された。 |
事例が発生した背景・要因 | 腓骨神経麻痺の原因として、術前の化学療法によるしびれ、長時間の手術であったことやDVTの予防目的で着用した弾性ストッキングによる圧迫などが考えられる。術後も、マッサージを施行したり、膝の屈曲を促したり、また足指の運動が可能かどうかの確認等も実施していた。そのため、さけえない偶発的な事象であったと判断された。 |
実施した、若しくは考えられる改善策 | ベッド上安静期間に足関節の背屈運動を確認する。 |
事例検討結果 | 当該企業に確認したところ、当該事例と考えられる事例は情報入手されておらず、術前から弾性ストッキングと間欠型空気圧式マッサージ器を装着し、術後に左腓骨神経麻痺を認めたとのことである。
当該弾性ストッキングにおいては、添付文書に、過度の締め付けによる、神経障害について注意喚起を実施しているところ。
なお、当該間欠型空気圧式マッサージ器については、装着部位から腓骨神経の障害は考えられないとのこと。 |