【記述項目】 |
一般的名称 |
ポリエステル縫合糸
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販売名 |
エチボンド ポリエステル スーチャー
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製造販売業者名 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
僧帽弁置換術及び左房メイズ手術予定で入院の患者。手術開始、上行大動脈を遮断し心停止後、硬化した弁尖を切除、弁輪に糸を順次かけていく中で、不意に針が糸から外れ所在不明となった。肉眼で術野周辺、床、心腔内を丹念に探したが見つからなかったため、内視鏡で左房側からと大動脈切開しA弁越しからの2方面から探したが見当たらず、胸部レントゲンでも針は映っていなかった。これ以上の探索は心停止の延長をきたすため、メイズ手術を中止、人工弁置換を型どおり行って手術を終了した。終了と同時に術者の足元の床に問題となった2-0の針と思われるものを発見、残糸と比較し所在不明となった針であると確認した。術後、家族、患者に説明、経過良好、退院となった。
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事例が発生した背景・要因 |
僧帽弁狭窄症で左房径は45mmであったが、伸展が悪く僧帽弁の視野は不良であった。使用した針は2-0、糸は22mmで、普通は引っ張っても外れないものであり、せっしに接触し切れた可能性も考えられる。
メーカーからの調査結果によると、接合部をかしめているため糸が抜けることない。糸の一部が針に接合されており、針穴の縁付近で切断されていたことから、針穴の縁付近で糸の一部が損傷を受けたことにより糸の一部が切断され、糸と針の接合部が負荷を受けた際に、切断箇所をきっかけに糸と針が外れた可能性があるが、針から外れた糸について調査を行えず直接の原因の究明には至らないとのこと。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
視野が不良な場合には視野展開に工夫をし慎重に運針を進める。看護師と連携をとり、針を1本ずつ呼称しながら看護師に返す作業を実施する。
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