【記述項目】 |
一般的名称 |
超電導磁石式全身用MR装置
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販売名 |
インテラ アチーバ 1.5T
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製造販売業者名 |
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
MRI入室時MRI担当放射線技師は患者に金属・義歯・補聴器の有無の確認を行い検査台に仰臥位になってもらった。下腹部には4つ折りのタオルを置き、臍部から大腿部3分の1まで覆うボディコイルを設置し、検査を実施した。患者の検査衣は寝間着タイプであり、股から、両大腿部にかけてタイルなどは入れなかった。13時5分、単純撮影終了時患者から「股の間が熱い」と訴えあり、放射線技師はボディコイルを外し、金属がないかの確認をしたが、大腿部内側や股の皮膚の観察は行わなかった。その後造影剤の検査も実施した。4日後、RI検査のため患者は再来院した。この検査時先日のMRIの時股が熱かったが、家に帰りみたら、やけどのような跡があった、と訴えた。RI担当放射線技師が確認し、両大腿部内側股下5cmに3cm発赤と1cmの褐色のの瘢痕を認めた。すぐに内科医師の診察受けるが、内科医師もただの低温やけどで、MRI高周波ループ火傷とはわからなかった。その後、放射線技師・医療安全係長が文献確認し、MRIによる高周波ループ火傷であることが分かった。
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事例が発生した背景・要因 |
MRI実施時、放射線技師は患者に股が熱いと言われたが、熱いと言われた皮膚の部位は確認していない。高周波ループによる火傷のことは知っていたが、事例発生時はまれに起こる現象であり、結び付けることができず、確認をしなかった。MRI検査時の衣が寝間着タイプであり、皮膚が接触する可能性が高かったが、ガードするものは刺しこまなかった。2011年7月に日本医療機能評価機構からMRIによる同様の医療事故の情報が発信されていたが、放射線技師・医師には記憶がなかった。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
MRI検査時の衣を寝間着タイプからパジャマタイプに変更し、皮膚の接触を避ける。皮膚の接触の危険性がある場合、乾燥したバスタオルや非伝導性パッドを挟むことを放射線科内で周知する。日本医療機能評価機構から、発信された情報がいつでも閲覧できるように各部署でファイリングすることを指導する。MRI検査時の注意について、日本医療機能評価機構から配信された情報を全部署に再配布する。
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