事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 体内植込み用カテーテル
販売名 IV カテーテル
製造販売業者名 株式会社パイオラックス メディカルデバイス
購入年
事例の具体的な内容 右鎖骨下にCVポートを造設した。 挿入後5日目、CVポートより化学療法を実施。実施中は異常がなかったが、最後の抗ガン剤を投与終了後に穿刺部周囲の皮下に液漏れが生じた。 すぐに抜針し、皮膚にはリンデリンVGクリームを塗布しクーリングを実施した。翌日に腫脹は消失し皮膚の変化は見られなかった。そのご予定通り退院した。 化学療法目的で入院。 挿入後20日目、15時頃CVポートに針を留置し点滴を開始したところ皮下膨隆が生じた。カテーテルの離脱を疑い、透視下で確認したところ、心・大静脈に脱落していることを確認した。
事例が発生した背景・要因 ・なぜカテーテルが離脱したのか不明。医療機器の不具合の有無について販売業者に調査を依頼中。 ・CVポート留置時にポートとカテーテルをしっかり接続したが、生理食塩水を流して漏れがないか確認しなかった。 ・CVポートから点滴を開始する前に、スムーズに注入できるか確認しなかった。 ・確認する適切な方法を統一していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVポートのマニュアルを作成し、統一した方法で挿入から挿入後の管理が実施できるようスタッフを教育する。 ・CVポートの学習会を開催し知識を深める。 ・CVポート挿入に関わる合併症などの患者への説明内容をわかりやすく改善する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については企業から薬事法に基づく不具合報告が行われており、解析の結果、カテーテルがセプタムポートのコネクタの根元まで挿入されておらず勘合不足により離脱してしまったとのこと。 当該製品の添付文書には、セプタムポートのコネクタの根元までカテーテルを確実に差し込む旨を記載している。なお、当該企業では当該事象を受け、2012年2月から製品に同様の注意を記載したラベルを貼付し出荷しているところ。