事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 皮下用ポート及びカテーテル
販売名 バードX・ポート
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 FOLFIRI5クール目施行するため入院。11:20アバスチン投与開始時、「ポートの挿入部が少し痛い気がする」との訴えあり。刺入部、発赤、腫脹、熱感、疼痛など無いため経過観察した。12:45アバスチン投与終了時、「ちょっと痛いかもしれない」と訴えあり。ポート挿入部に腫脹があるのを発見したため投与一旦中止し、医師に報告、診察を依頼した。しばらくすると腫脹軽減してきたため、経過観察の指示にて投与再開。13:00レボホリナート、カンプト同時投与開始。ポート挿入部の腫脹軽減。疼痛無し。13:35腫脹消失。14:05「やっぱり痛くなってきた」との訴えあり。右前胸部から右側胸部にかけて腫脹あり。投与一旦中止し、医師に報告、診察依頼。病棟科長に報告。
事例が発生した背景・要因 断裂したカテーテルは右室から右房に移動していた。 XP画像(添付資料参照)から見ると、カテーテルの血管挿入部は右胸郭外側で右に屈曲している所で、抜去したカテーテルの長さから、切断はこの部分で起きたと推察される。
実施した、若しくは考えられる改善策 バードX・ポートはシリコン製のため切れやすく、本事例のようなケースが時おりあると認識されていたため、現在、素材がポリウレタン製のオルカCVカテーテルキット(住友ベークライント)と併用で採用器材を検討中。 兆候については、患者確認したところ時おり動悸があったとのこと。 当院ではCV挿入専用同書を使用しており、これにカテーテル断裂の可能性と説明を追記して皮下ポート埋め込み時にも共用できるよう改訂した。 また、CV挿入ガイドライン、患者に渡している皮下ポート使用の説明冊子にもカテーテル断裂の可能性と兆候の説明を追記した。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテル断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されているところ。