【記述項目】 |
一般的名称 |
ヘパリン使用中心静脈用カテーテルイントロデューサキット
|
販売名 |
プリセップCVオキシメトリーカテーテル
|
製造販売業者名 |
エドワードライフサイエンス株式会社
|
購入年 |
|
事例の具体的な内容 |
8:18 人工血管置換術のために手術室入室
8:57 硬膜外チューブ挿入
9:02 麻酔開始
9:08 気管チューブ挿管
9:23 右内頸CVカテ(トリプルルーメン8.5Fr、留置長14cm)挿入
10:09 術前タイムアウト施行
10:11 手術開始
12:01 CVルートが流れにくくなるが経過観察
12:43 ACT136
12:46 ACT116 ヘパリン投与するもACTが伸びない状況があり、トリプルルーメンの遠位側から注入(注入可能)
12:58 ACT249と延長 「人工血管置換術」施行
16:47 手術終了。体位を戻し、ドレープをはがすと右頸部から下顎にかけて腫脹あり固定したテープ周囲に水泡が形成された。CVカテが抜けて皮下に薬液が漏れていた可能性あり。
16:48 直ちに点滴を中止し、右内頸CVC抜去。
17:48 右大腿にCVカテーテル留置(トリプル:12G、留置長20cm)
18:10 抜管せずCU入室 SIMV 40% BP117/65 HR84 Hb10.2
18:45 CT施行「皮下に輸液が多量に貯留しているが気管圧迫までには至らず」
皮膚科にコンサルト 「局所のたまりはないため切開は不要・二次感染予防にゲンタシン軟膏を予防的に使用」
麻酔部、血管外科医師より家族に説明
翌日気管チューブ抜管 呼吸状態問題なし
ICUより病棟へ帰室。その後軽快退院
|
事例が発生した背景・要因 |
1、点滴が落ちにくかったり、トリプルルーメンの近位側からのヘパリンの投与後もACTが伸びず、遠位側から投与したエピソードがあったが、確認や早期の問題発見のための行動がとられていない。
2、患者の体格が大きくまた、手術のための体位が上肢を頭側にして右側臥位であったため、術中の刺入部の観察が困難であったがそれを踏まえた対応ができていなかった。
3、体格上ルートの固定が困難な事例ではあったが、固定が不十分であった可能性がある。
|
実施した、若しくは考えられる改善策 |
1、中心静脈カテーテルの固定に関して、針と糸を用いて麻酔科レジデント全員で上級医の指導の下、マンツーマンで技術の実施訓練を施行した。
2、ヘパリンの投与は、血液の逆流を確認してから行い、逆流がない場合にはヘパリン投与は行わず術者へ報告し協力を得て刺入部の確認を行う。
3、検討中、このルートは水に濡れると滑りやすく固定が滑りやすいとの意見や、トリプルルーメンの近位側の穴(ポート)は遠位側の穴(ポート)から7cmと離れたところに位置しているため少しでも引き抜かれると血管外に穴が出てしまう可能性があるとの意見があったため、製造元へ改善策があるか検討を依頼した。
|