事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 自然落下式・ポンプ接続兼用輸液セット
販売名 セイフアクセス輸液セット
製造販売業者名 日本コヴィディエン株式会社
購入年
事例の具体的な内容 患者は、口腔粘膜障害により経口からの食物摂取困難なため、中心静脈ラインにて高カロリー輸液が投与されていた。深夜1時30分、ナースコールにて患者から「咳が出て止まらない」との報告をうけ、呼吸状態を観察したところ、呼吸困難感があり、末梢酸素飽和度が89%に低下していた。 同時に、点滴ラインのフィルター部分より患者側のライン内に所々空気が混入していることを発見した。直ちに点滴を止め、ルートを交換すると共に、当直医の指示で酸素投与を開始した。患者が呼吸困難感を訴えてから約10分後、呼吸状態は落ち着いた。その後、同様の症状は出現していない。 本輸液ラインは、クローズドシステムであり、ラインの途中から外すことが出来ないシステムである。事例発生時、輸液ラインのフィルター上部(点滴側)には異常は見られていなかった。また、23時、1時に看護師が患者の点滴ラインの接続等を確認した際には異常は発見されていない。更に患者は自力での歩行及び移動は困難な状態であり、ベッドからの移動等は行っておらす、破損につながる機会はなかった。
事例が発生した背景・要因 ・何らかの原因により、点滴のフィルター部分に破損が生じた可能性がある。 ・点滴ラインの破損により、ライン内に空気が混入し、患者が身体的症状を起こした可能性がある。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・輸液セットの変更を検討中。 ・日中・夜間問わず、輸液ラインの設置位置及びライン内の異常の点検の徹底。

事例検討結果
事例検討結果 当該企業に問い合わせたところ、フィルタ側の三方活栓を開いた状態でセイフTポートから薬液を注入したためにフィルタに過度な陽圧がかかり破損に至ったものと推察されている。当該製品の添付文書には、フィルタ破損のおそれがあることからフィルタ下部からの加圧は避けるよう記載されているところ。