事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 BARD X-ポート isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 化学療法実施の為2年9ヶ月前に右内頚静脈より穿刺、鎖骨下にポートが造設された。ポート造設後、2年5ヶ月前まで抗がん剤はポートより投与されていた。以後ポートを使用しなかった2ヶ月前までの期間は、へパフラッシュ100単位を用いて約4週間毎にフラッシュを行っていた。2ヶ月前よりポートからの化学療法を再開し、前月に入院にてベクティビックス+5FU/LV1コース目を実施した。退院時、右頚部のチクチクする痛みの訴えがあったが、皮膚の変化等は認めなかったため経過観察となっていた。当日、外来受診時に右頚部の痛みが持続しており、疼痛部位に皮膚の糜爛を認めた。同日ポートからの造影検査を実施し、カテーテルの破損が認められたため引き続きポートの抜去を行った。抜去したポートカテーテルを確認し、画像上造影剤の漏出部位にカテーテルの捻じれと破損を認めた。頚部の糜爛は抗がん剤の漏出の可能性が高いと判断された。皮膚糜爛に対しては皮膚科専門医への紹介となった。
事例が発生した背景・要因 2年9ヶ月前から前月までの長期間ポートが留置されていたが、破損の可能性を予知できず、患者の自覚症状のみで破損の有無を判断していた。今回破損の原因は明らかではないが、長期間の留置と体動による屈曲などカテーテルへの負荷が可能性と考えられた。ポート挿入後の破損等を予知した検査などについてはルールはなく、主治医の判断に任されている。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・破損の可能性も考慮したポート部位の観察。・長期間留置されているポートを使用する場合は、造影検査による安全確認を検討する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約2年9ヶ月であった。