事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 人工内耳
販売名 ハイレゾ ウルトラ
製造販売業者名 日本光電工業株式会社
購入年 不明
事例の具体的な内容 両側進行性感音難聴に対し,4年前に左人工内耳埋め込み術を施行。インプラントはハイレゾ ウルトラを用いた。術後は特に問題なく人工内耳を使用していたが,2年経過後から聞き取りが悪化。直後の外来受診の際に不具合の訴えがあり,翌月,メーカーの担当者立会いの下,インプラントのテストを実施したところ,インピーダンステストにて6チャンネルでショート,1チャンネルオープンとなり,何らかの不具合が発生していると考えられた。海外で人工内耳インプラントの電極接合部に体液が侵入し,人工内耳が使用できなくなる事例が報告されており,2022年4月以降,同様の事例が日本でも報告されていた。本事例も同じ症例が発現しているため,同様の原因が考えられた。現在は改良された製品が発売されているため,入れ替えを行った。
事例が発生した背景・要因 製品不良(インプラントの構造上の欠陥)。
実施した、若しくは考えられる改善策 製品上の問題であり,行われた医療行為に問題はないため,特になし。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、薬機法に基づき、不具合報告が提出されている。調査の結果、本事象は、電極接合部内への体液侵入により、ショートが発生し、聞こえが悪くなったと考えられた。製品の出荷停止、使用者への情報提供及び密閉性を向上させる設計変更がされていることから、既に製造販売業者等による対策がとられているものと判断する。