事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 マイクロニードルポート
製造販売業者名 カーディナルヘルス株式会社
購入年
事例の具体的な内容 2年3ヶ月前、右内頚アプローチでCVポート造設した。AAVD(6コース)を同月-1年8ヶ月前まで施行。外来で経過観察していた。CVポートは外来受診の際、生食でフラッシュしていた。当日、看護師がポートフラッシュの際、逆血を確認し生食を注入したところ、右鎖骨部がやや腫脹してきた。患者に症状を確認したところ圧迫感を覚知したため、医師に報告。CVポート抜去の方針となり、8日後に入院し、ポート抜去したところ、CVポートの穿刺部から約5cm、5.5cm、6cmの3か所に亀裂を認めた。
事例が発生した背景・要因 CVポート挿入から2年3ヶ月で、使用していない期間も定期的にポートフラッシュしていた。製造元に報告し、原因究明を図る予定である。
実施した、若しくは考えられる改善策 CVポートは、断裂・破損する可能性のあることを認識し、注入開始時の逆血確認とフラッシュを徹底すること、カテーテルの走行に一致した疼痛、腫脹が認められた場合、胸部X-Pなどで確認すること。断裂・破損により抜去したポートは、検証のため、捨てずに医療安全部に報告することを全職員へ周知した。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約2年3か月であった。