事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポート MRI isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 造影CT検査にてCVポートより造影剤を投与したところ、ポートカテーテルが断裂しており、皮下への造影剤の漏出を認めた。単純CT検査に切り替えて撮像すると、カテーテルの断裂片が心臓内に迷入していることが判明した。緊急IVRにて断端片を回収し、新たなCVポートを再留置した。
事例が発生した背景・要因 ・明確な原因は不明。・穿刺経路が鎖骨と第一肋骨の接点を通過することにより、カテーテルが骨と靭帯により圧迫されて断裂しやすくなっていた可能性がある(ピンチオフ)。・上肢挙上等の体動によりカテーテルが屈曲していた可能性がある。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVポートカテーテルの断裂事例は限定された診療科で発生しており、上記のピンチオフや屈曲を生じない方法に変更するよう指導する。・セーフティーマネージャー委員会において、重大事例報告として院内に広く注意喚起する。・PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」の再配布を検討する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約3ヶ月であった。