事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポートMRI isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 5週間前に前医でCVポート造設術施行。当院での治療を希望し、1か月前に当院消化器内科紹介受診となる。3週間前に入院化学療法導入時、ポート穿刺時逆血はあるが痛みあり。ヘパリン10mL投与後、念のため生食10mLを滴下されたが滴下スムーズであり穿刺部頭側に腫脹軽度認めたが、逆血あるため血管外漏出では無いと判断されCVポート使用可能と判断された。外来化学療法初回投与時、キイトルーダ100mg+生食100mLを投与中にポート周囲に腫脹を認めた。診断目的にポートからの造影検査を施行。ポートカテーテルの一部が離断し一部が右心内に迷入している可能性が判明した。IVRセンターで右内頚静脈よりカテーテル挿入されスネアで心房内異物が回収された。2週間後、今後の化学療法で使用するため当院でCVポート再留置した。
事例が発生した背景・要因 ・他院で留置されたCVポート初回使用時のトラブル。・逆血確認や生食のフラッシュなど様々な方法で確認されていたが、事前にポートの異常を察知できなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 前医と情報共有し、販売元には前医から事例報告予定としている。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約5週であった。