事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポートMRI isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 2年9か月前、右鎖骨下静脈アプローチでのCVポート造設。6か月前までCVポートからの外来化学療法を継続していた。7日前に腹部膨満、食欲不振、貧血進行、低アルブミン血症にて入院加療必要となるが、当院の入院病床がなく、他院へ入院し、点滴加療していた。5日前よりポート挿入部周囲腫脹認め、ポートの使用を中止し末梢ルートを確保し点滴投与していた。当日、当院転院し、入院時の胸部X-P、CTでポートの破損は認められなかったが、ポートのフラッシュを試みたところ、右前胸部のカテーテル挿入部周囲の腫脹を認め、翌日抜去。CVポート針の穿刺部から4.5cmの部位のカテーテルの破損が確認された。破損したCVポートの抜去を行った。
事例が発生した背景・要因 CVポート挿入から2年9か月で、使用していない期間も定期的にポートフラッシュしていた。破損した位置でのピンチオフは考えにくく、製造元に報告し、原因究明を図る予定である。
実施した、若しくは考えられる改善策 CVポートは、断裂・破損する可能性のあることを認識し、注入開始時、逆血確認、フラッシュを実施すること。カテーテルの走行に一致した疼痛、腫脹が認められた場合、胸部X-P等で確認すること。断裂・破損により抜去したポートは決して捨てずに保管し、医療安全部に報告すること。これらについてセーフティマネージャーを通し、全職員へ通知した。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約2年9ヶ月であった。