【記述項目】 |
一般的名称 |
手術用ロボット手術ユニット
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販売名 |
da Vinci Xi サージカルシステム
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製造販売業者名 |
インテュイティブサージカル合同会社
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
ロボット支援腹腔鏡下悪性腫瘍切除術中、医師Aがサージャンコンソールでカメラの視野をダウンからアップに切り替える操作を行おうとしたところ、カメラや鉗子は術者が意図する方向とは上下と左右が反転して動いていることに気が付いた。鉗子が意図する方向とは逆方向に動いた影響で患者の心臓が圧排され収縮期血圧が60台まで低下した。鉗子による心臓の圧排を解除することで循環不全は改善したが医師Aは当該の状況を手術チームと共有してダヴィンチを緊急でロールアウトし胸腔鏡手術に移行した。その後の手術は滞りなく進捗し術式変更による患者不利益はなく終了した。
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事例が発生した背景・要因 |
・医師Aは機器を適切に使用していたが突然誤作動が発生した。・ロボット支援手術中に不測の事態が起こることは予見されるため緊急ロールアウトの訓練は日頃から行っていた。・当該事象をメーカーのコールセンターに問い合わせたが、ダヴィンチは物理的にカメラが上下反転することで視野のアップとダウンを切り替えるがシステム上の上下の認識と物理的な上下の反転がうまく連動しなかった可能性があるとの回答であった。・システム上の記録ではエラーの検知はないとのことであったが、このような現象の再現性がないかを検証するためにメーカーには機器の点検を依頼した。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
・ロボット支援手術中に発生したインシデントとして医療安全と手術部の委員会で報告した。・自施設のみでは改善は困難だが、警鐘事例として緊急ロールアウトの訓練に活かしていく方針とした。
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