事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 ヘパリン使用長期的使用注入用植込みポート
販売名 P-U セルサイトポート
製造販売業者名 東レ株式会社
購入年
事例の具体的な内容 CVポートは問題無く抜去できた。特に本体とチューブも外れておらず破損も認めなかった。しかし術後Xpで小さなリング状の異物が残存していることを放射線技師から指摘あり、確認すると残存がありそうで、元の画像と比べるとチューブと本体を接続する箇所にある構造物に見えた。抜去したCVポートを確認するとあるはずのリング状の構造物は認めなかった。異物残存と判断し、本人に説明後(未成年であったため電話で家族に説明し再手術の同意を得た)同日局所麻酔で異物除去手術を行った。小さなリング状の物体が皮膚切開部のやや頭側の皮膚の裏側(皮下)に癒着して残っており除去した。
事例が発生した背景・要因 ・異物として除去した構造物は(患者カルテクライオに写真あり)CVポート本体と血管内に留置するチューブを連結する際に使用するものであった。CVポートを抜去しチューブも一体で抜去した場合はリング状のものは一緒に抜去される構造であるはずである。もし外れていればチューブが外れている可能性がある。しかしながら本件ではそのような状況にはなくリング状のもののみが異物として認められた。・当事者は問題無くCVポートが抜去できていたため全く異物が残存しているものとは考えもしなかった。・初回手術時には残存がないかも確認していたが皮膚の裏までは確認していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVポートの構造を再確認し抜去後も残存物がないかどうかを慎重に確認して閉創する必要がある。・CVポートの構造上連結部の部品が残存してしまうようなものは今後も異物残存の危険性があるため医療機器の問題としても対応を考慮すべきである。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については薬機法に基づき、不具合報告が提出がされている。また、本事例を受けて、ロックリングの体内遺残について注意喚起する目的で、添付文書の【使用上の注意】重要な基本的注意に「システムを抜去した際は、ポート、カテーテル及びロックリングが揃っていることを確認すること。[ロックリングが体内に残るおそれがある。]を追記し、添付文書改訂が行われている。