事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポートMRI isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 9年前発症の悪性リンパ腫の治療のため、右鎖骨下よりCVポートを留置し化学療法を継続。治療後寛解となり、寛解を維持できていたが、ポートは時に使用する事があり、本人の希望もあり留置したままにしていた。事例発生日、肺癌フォローのために撮影をしたCTでポートの断裂が判明した。同日にポート抜去のために入院し、造影剤アレルギーのため予防処置を行い、翌日ポート抜去を行った。抜去後は問題なく、抜去翌日退院した。ポートはパワーポイントMRIisp8Fr グローション(メディコン)。
事例が発生した背景・要因 ・ポート留置後9年、化学療法終了後も本人希望もありそのままポートを留置し、点滴時などに適宜使用していた。・3か月前の胸部X線では破断のないことが確認されている。・カテーテルがシリコン製であり、断裂しやすい素材であった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・長期に留置されたポートカテーテルについては、適宜胸部X線撮影で確認する。・治療上ポートが不要となれば、抜去を考慮する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約9年であった。