事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 CVポート
製造販売業者名 日本コヴィディエン株式会社
購入年
事例の具体的な内容 3ヶ月前の○月5日初回化学療法施行。○月7日14時過ぎCVポート周囲に疼痛があり、残り10mlは中止し、生食に切り替えたが、滴下は良好で腫脹の増強はなし。○月8日退院。○月18日、T38.4℃発熱あり救急外来受診。CT施行。この時は発見されず、今回入院した後のX線で発見された。今見直すとカテーテルの最頭側で断裂が確認できる。CTでは最頭側のスライスまでにカテーテルすべてが含まれず確証には至らない。○月21日TS-1の副作用による倦怠感で入院した際は、逆血があり、輸液に使用した。夕方穿刺部の腫脹あり、フラッシュはスムーズであった。20:30頃腫脹増強していたので、CVポート針は抜去し、末梢に変更した。○月26日退院。○月28日ポート部周囲腫脹があったため、末梢で化学療法施行。2ヶ月前△月20日CT施行。後日の確認で、カテーテル最頭側の断裂が確認できる。先端はSVC内に存在。今回手術目的で入院。胸部レントゲンでCVカテーテルが断裂し、破片が右心室に迷入しているのが確認できた。この経緯を患者に説明し、循環器内科医に相談の上、カテーテル抜去した。妻は来院できないとのことで、電話にて経過説明を行った。
事例が発生した背景・要因 ・3ヶ月前の○月5日CVポート造設直後のX線ではカテーテルに屈曲や断裂はなかった。・○月7日14時過ぎ、CVポート周囲に疼痛があり、生食に切り替えたところ滴下は良好で腫脹の増強はなかった。・○月18日T38.4℃発熱あり救急外来受診。CT施行するが、この時は発見されず、今回入院した後のX線で発見された。今見直すとカテーテルの最頭側で断裂が確認できる。CTでは最頭側のスライスまでにカテーテルすべてが含まれず確証には至らなかった。・○月21日、28日はレントゲン撮影していない。・今回の部位で断裂が起こるとは考えていなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVポート造設している患者の刺入部位の疼痛、腫脹の有無を観察し、使用する。・CVポート造設患者のレントゲン撮影時、カテーテルの断裂や接続不良などの異常がないか確認する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は3ヶ月であった。