事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポート
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 14:30皮下植え込み型ポートの定期(2週間毎)のポートフラッシュ施行時、鎖骨下周囲の皮下の皮膚膨張あり。ここ数回ポートフラッシュでの抵抗感があっていた。CVカテーテルの破損の可能性ありと考え、胸部レントゲン・CT施行し、右鎖骨下でのCVポートのカテーテル断裂を確認する。CT上では断裂部の断端が血管外にぎりぎり残存しておらず、専門的な血管内異物除去処置が必要と考え、外科医師へコンサルト。皮下植え込み型ポートを造設した病院の小児外科医師へ相談し、転院にて精査・除去予定となる。15:25主治医より電話にて母親へ状況説明し、「分かりました」との返答あり。
事例が発生した背景・要因 ・いつの時点で断裂に至ったかは不明。・CT上でカテーテルの位置確認を行うと、鎖骨上をカテーテルが通り内頚静脈へ入っておりその付近で断裂しているのが確認できた。・患者自身の頭部の横振りの動きが強い患者である事を考えると、鎖骨上でカテーテルとの摩擦が生じ断裂に至った可能性が考えられた。・CVポートの増設は3年5ヶ月前(他院)で、当院転院後は継続使用しておらず、CVポートフラッシュを2週間毎に実施し管理していた。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・引き続き、CVポートフラッシュ時、違和感や異常を感じた場合はレントゲンでの確認を行い、異常の早期発見に努める。・CVポートの留置期間が長期になる患者については、使用状況や治療方針等を考慮し、カテーテルの必要性や管理方法等について検討する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約3年5ヶ月であった。