事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 マイクロニードルポート
製造販売業者名 日本コヴィディエン株式会社
購入年
事例の具体的な内容 外来化学療法で約半年使用していたCVポートが、外来化学療法施行のためポート針穿刺すると疼痛あり、生食フラッシュでポート部の腫脹あり。主治医へ報告し、翌日CVポート造設した医師に診察してもらうこととなる。翌日CVポート造設した医師の診察とCT撮影にて、CVポートのカテーテルが断裂しており、カテーテルの先端側が右心房に迷入していることが判明した。心臓血管外科がなく自院でカテーテル除去の処置ができないため、他院に搬送となり、右大腿静脈よりカテーテルが除去された。翌日患者は他院退院し、自院にてポート側カテーテルが除去された。
事例が発生した背景・要因 CVポート留置時のレントゲンでカテーテルが一直線に見えない部位があったがTangent方向への走行による見え方で同様に見えることもあり、今回も平面での屈曲ではないと考えた。カテーテルのルートが骨の間のやや狭いところに入っており、腕の上げ下ろしに伴いカテーテルが挟まれやすくなる可能性があった。患者の職業が肉体労働で腕の上げ下ろしは頻回にあったことから、鎖骨と肋骨の間に挟まれたカテーテルが断裂してしまったカテーテルピンチオフの状態になったと考えられる。自院ではCVカテーテル穿刺について明文化されたマニュアルがない。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVカテーテル穿刺時に骨の間隔の広いところに穿刺できるよう、外側から穿刺を行う。・CVカテーテル穿刺について明文化されたマニュアルを作成する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約半年であった。