【記述項目】 |
一般的名称 |
長期的使用注入用植込みポート
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販売名 |
パワーポート
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製造販売業者名 |
株式会社メディコン
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
1.患者は外来で化学療法(カドサイラ)の実施で来院した。2.CVポートの穿刺時には逆血はあり、生理食塩水の注入もスムーズで自然滴下は良好。疼痛はなかった。3.化学療法中にトイレの移動はなかった。4.化学療法終了後の生理食塩水をフラッシュして抜針時にCVポートの周囲の皮下腫脹を発見した。5.抗がん剤の血管外漏出を考え、抜針前に逆血を確認したがなかった。6.主治医に報告し、胸部レントゲン撮影を行うと、CVポートカテーテルが断裂し、末端のカテーテルが右房内に入っている状態であった。7.緊急入院をし、経静脈的カテーテルによる回収術を施行された。8.抗がん剤の皮下漏出については、皮膚科コンサルトし、翌日ストロイド局注し、デルモベード軟膏を塗布していくことになった。入院8日目、右前胸部皮膚は蜂窩織炎となった(抗がん剤による炎症か、二次的な細菌感染かは不明)。9.入院15日目、自宅での抗生剤内服、処置を継続の上で退院となった。
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事例が発生した背景・要因 |
1.CVポート留置後(パワーポート)、3年が経過。患者は運動習慣がなく、右腕の上げ下ろしの動作が日常的に多くない。患者の動作やポート使用期間からすると断裂する可能性は低いと考えていた。2.断裂したCVポートは業者に提出し確認したが、断裂部分にキンク痕があるため、キンクなどの繰り返しの負荷によるものとの回答であった。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
1.CVポートの使用では、キンク等による断裂があることを認識して、化学療法中の定期的な観察を行う。2.リスクマネージャー会議で抗がん剤の血管外漏出について写真で伝え、定期的なCVポートの位置確認(今回の事例も1ヶ月前には実施している)と観察を行うように再度周知した。
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