事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 パワーポートMRI isp
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 骨肉腫の化学療法時にCVポートを挿入し、合計18クールの化学療法を施行した。経過中に肺転移が出現したため、他院呼吸器外科で肺転移手術を行なった。術後の再発や転移の検索で定期的におこなった胸部CTでCVカテーテルが途中で破断し、先端が心房に遺残していることが放射線読影医の連絡で判明(挿入1541日)した。後方視的に確認すると8ヶ月前からカテーテルが破断していることが分かった。循環器内科医により経皮的にスネアカテーテルにより断裂カテーテルは抜去した。
事例が発生した背景・要因 ・転移性肺腫瘍がありCVポートを継続使用する可能性があったため抜去せず経過をみていた。・定期検査の胸部CTで病変の肺へ着目し、CVポートが断裂するはずもないという思い込みがあった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・原疾患治癒後は早期にCVポートを抜去する。・放射線科医へCVポートカテ先について読影レポートへ言及してもらう。・当該製品を販売元へ分析依頼した結果、キンクによる断裂とのことであった。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約3年半であった。