事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 バード パワーポート
製造販売業者名 株式会社メディコン
購入年
事例の具体的な内容 1年9ヶ月前にCVポート留置。カテーテル留置後、現在は使用していないため、カテーテルの劣化や破損のリスクを考慮し、ポート抜去を推奨していた。しかし、本人からポート抜去の希望がなく、3ヶ月ごとにフラッシュを施行し、ポートトラブルの有無を確認していた。今回フラッシュのためポート針をセプタムへ刺入し、ヘパリン生食を5ml注入した時点で左頸部皮下に膨隆形成し疼痛を認めた。カテーテル断裂を疑い、胸部レントゲンおよび造影CT検査を施行したところ、カテーテル断裂が認められた。カテーテル先端は右心房内に滞留していた。2日後、入院し、入院翌日にポート抜去、ポート抜去3日後にIVRにてカテーテル先端を回収した。
事例が発生した背景・要因 ・長期留置による経年劣化。・定期的なカテーテル状況の確認不足(X線撮影による)。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・CVポートが不要になった場合は、可及的速やかに抜去を検討する。・定期的なフラッシュに加えX線撮影でカテーテルキンクなど、断裂の原因になるものをチェックする。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は約1年9ヶ月であった。