事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 高度管理医療機器
販売名 Safe Guide マイクロニードルポート
製造販売業者名 日本コヴィディエン株式会社
購入年
事例の具体的な内容 炎症所見上昇にて輸液開始のため主治医にて造設していたCVポートよりヒューバー針刺入しヘパリン生食注入するが抵抗あり閉塞状態であった。主治医より母親へ状況説明後、外科医師よりCVポートが閉塞状態で局所麻酔下でCVポートを抜去し、再度CVCルートを確保する上での合併症も含め手技を説明し納得・同意される。術中閉塞していたCVポートは左前胸部にあり、CVポートを摘出。ポートはスムーズに抜けるも、カテーテルがポートより5cmで破綻しており、カテーテルの遺残あり(約14.7cm)。透視下で離断している先端を追うも不明。静脈壁への癒着も考慮し、さらなる探索は出血リスクもあり、そのまま閉創。手術後、CT撮影し、内科医師にて心エコー実施。離断していたカテーテルは心内で、先端は右心室にあり。断裂した根元部分の位置は不明。外科医師より母親に状況説明。翌日、臨時の医療安全管理委員会開催し、今後の対応について検討し、3日後に再度、主治医・外科医師にて母親へ状況説明し、カテーテルの遺残による合併症も考慮し今後の処置の必要性を含め、他病院での精密検査の必要性を説明し同意される。
事例が発生した背景・要因 ・CVポートカテーテルが離断した原因は不明(CVポート造設:3年6ヶ月前)。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・離断したCVポートのカテーテルをメーカーへ提出し検証依頼中のため、カテーテルの検証結果をもって今後の対応策を検討する。・カテーテルに注視して過去の画像を検索すると約1年前からCVポートカテーテルの断裂が確認できるため、画像確認の見落としがないよう注意する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。また、これまで同様の事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は3年6ヶ月であった。