【記述項目】 |
一般的名称 |
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販売名 |
不明
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製造販売業者名 |
GEヘルスケア・ジャパン株式会社
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
心房細動に対するアブレーション治療目的で入院し、カテーテル治療を施行。右大腿動脈からシースを1本、右大腿静脈からシースを2本挿入し、心房中隔穿刺後、左房内にクライオアブレーション用のリング状カテーテルを挿入しようと、同カテーテルのインサータをシースイントロデューサに挿入したところ、空気が引かれる音がしたため、直ちにインサータを抜去。透視で確認すると左房内、左室内、上行大動脈内に空気が認められた。左房内の空気をシースイントロデューサで可及的に吸引。ほぼ同時に心電図の下壁誘導でST上昇、血圧低下、高度徐脈に移行したため心肺蘇生を開始。エピネフリン1/2A静注後、血圧および脈拍が回復。循環動態の安定後に透視で確認すると左室内、上行大動脈の空気は消失していた。左前頭葉に出血性梗塞を来したが、一過性の痙攣、症候性てんかんを起こしたのみで、永続する神経障害はない。なお、予定していたPCI治療は行うことができなかった。
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事例が発生した背景・要因 |
・空気塞栓は起こりうる合併症として事前に文書で説明されており、説明していた合併症である。
・リング状カテーテルをシースイントロデューサに挿入する際に使用するインサータの隙間から空気が入ったと考えられる。
・2018年9月に日本不整脈心電学会から、心房細動カテーテルアブレーションでカテーテルとシースの間から空気が入る合併症の緊急注意がなされており、これと同様の現象が発生したと考えられる。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
リング状カテーテルをシースイントロデューサに挿入する際は、インサータを使用せず、用手的にカテーテルを直線化し挿入する。
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