【記述項目】 |
一般的名称 |
長期的使用注入用植込みポート
|
販売名 |
テルモインプランタブルポートセット
|
製造販売業者名 |
テルモ株式会社
|
購入年 |
|
事例の具体的な内容 |
患者は70歳代男性、疾患名は胸部食道癌で4年2ヶ月前に当院へ紹介受診された。受診1ヶ月後にCRT目的で入院し初回化学療法(FP)を実施し、以後入退院を繰り返した。3年9ヶ月前にCVポート留置し、3年5ヶ月前に最後の抗がん剤治療を終えて、その後は6ヶ月毎にCTでフォローしていた。2年10ヶ月前に肺転移指摘され、その2ヶ月後に胸腔鏡下右上葉部分切除を施行。現在は、食道癌の再発はなく経過している。CVポートカテーテルが断裂し心臓内に残留していることが確認されたのは、2ヶ月前のCT検査においてであった。担当した読影医より主治医に連絡が入り、循環器医師にコンサルト。他院を受診。カテーテル回収の治療が提案されたが、患者は経過観察を希望。CVポートは、1年6ヶ月前の胃カメラ検査時に使用した際は異常を認めなかった。しかし、1年前の胃カメラ検査の際、CVポート穿刺時に疼痛と閉塞のため末梢静脈血管を使用している。また、CT画像を振り返ってみると、1年3ヶ月前と8ヶ月前の所見においてもカテーテルが断裂し右心室内に残留していることが確認された。
|
事例が発生した背景・要因 |
・化学療法を終了したが、ポートカテーテルが抜去されていなかった。・胃カメラの検査の際、疼痛と閉塞があり使用できなかった情報が主治医に伝わっていなかった。・2回目の胃カメラの際にも、看護師は情報を得ていたが、主治医へ報告していない。・内視鏡検査の看護記録には記載があったが、医師と共有されていなかった。・ポート設置時、患者にはリスクなども説明され同意書を取得していたが、長期留置時、カテーテルが損傷しうることを理解されていなかった。・やむを得ず長期留置する際の管理方法については病院としてルールはなく、主治医任せとなっていた。
|
実施した、若しくは考えられる改善策 |
・「医療安全情報」、「PMDA」情報を紹介し、職員に周知した。・外部調査委員会の検討内容と提言を踏まえ、当院としての方針・管理方法について検討し周知していく。
|