事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 皮下用ポート及びカテーテル
販売名 バードX-ポートisp(グローションカテーテルタイプ)
製造販売業者名 メディコン
購入年
事例の具体的な内容 4年5ヶ月前より右腎腫瘍(小細胞癌)、多発リンパ節転移のため全身化学療法を開始した。3年8ヶ月前に末梢ルート確保が困難となってきたため永久留置型CVポートを留置し治療を継続していた。約1年前に転移巣縮小がみられ、原発巣のみPET集積がみられたため、右腎、副腎摘出術を行い病理結果では副腎小細胞癌の結果であった。その後経過は良好で外来で半年ごとの画像フォローとなっていた。今回、PET造影CTにてCVポートから体内に穿刺されているカテーテル部分が断裂し、心臓内迷入が認められた。自覚症状無く、状況発生時期は不明である。循環器科コンサルトし心臓カテーテル操作で抜去することになった。
事例が発生した背景・要因 進行性悪性腫瘍(副腎小細胞癌、リンパ節転移)で繰り返される全身化学療法にて血管確保が困難となり永久留置型CVカテ留置となっていた。化学療法により、転移巣がわからなくなったため、原発巣の摘除手術を行ったが、元々が悪性度高く再発が予想されていた。思いのほか、経過がよくこれまで術後の追加治療なく経過されていた。患者も元気になってきたためか、ゴルフなどができるようになり、CVポートから血管内に留置していたカテーテル部分がはずれ、血管内に迷入したものと考えられる。
実施した、若しくは考えられる改善策 永久留置型CVポートであっても、このような合併症が起こる可能性があるので使用しない場合は速やかに抜去する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年 5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機 発0525第1号連名通知「皮下用ポート及 びカテーテルに係る添付文書の改訂指 示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、 医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。 また、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。 なお、当該事例におけるCVポートカ テーテルの留置期間は3年8ヶ月であった。