【記述項目】 |
一般的名称 |
インスリンペン型注入器
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販売名 |
不明(インスリンペン関連)
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製造販売業者名 |
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購入年 |
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事例の具体的な内容 |
患者Aは朝食前のインスリンを処置室で自己注射した。その時、一緒の時間に処置室に来ていた患者Bのペン型インスリンの薬液量が必要量に満たない状況であった。すでに食事が来ていたため、看護師Cは焦り、他に同じ種類の注射を使用している人がいないか探した。患者Aが同じ種類を使用していることに気付いた。看護師Cは、患者Aのペン型インスリンのゴム栓の部分を消毒して患者Bに渡し、患者Bはそのペン型インスリンを使い自己注射を行った。
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事例が発生した背景・要因 |
看護師Cが、ペン型インスリン剤の複数患者での使用禁止と、その根拠の理解ができていなかった。また、病院からの情報の周知はしていたが、職員の根拠の理解についての確認が不十分であった。ペン型インスリンの薬液量が少なくなっていることを事前に把握できていなかったため、追加処方がされていなかった。インスリン施行時に、毎回残量を確認する必要があるが、明文化したマニュアルになっていなかったため、看護師の認識が薄かった。当日も、準備の時点で確認していないため事前に発見できなかった。使いまわし禁止について、患者への指導が不十分で、理解できていなかった。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
・ペン型インスリンを使用している場合は、日勤担当看護師が薬液の残量確認を行う。特に週末に切れることがないように、金曜日は月曜日までを考慮して確認する。また、注射の準備の時点で事前に必ず残量確認を行う。このことを業務手順に明記する。
・医療技術の手技の変更や統一を行う場合、その根拠を必ず情報提供し、職員の理解や実施状況の確認を行う。
・職員研修の内容や方法について、根拠が押さえられるように、実技や実験を踏まえて行うよう検討する。
・ペン型インスリンは、患者ごとで使用し、複数での使いまわし禁止であることを患者指導で徹底する。
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