事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 電気メス
販売名 不明(電気メス関連)
製造販売業者名
購入年
事例の具体的な内容 上部消化管癌術後の患者が、重症の術後肺炎のため呼吸困難に陥り、人工呼吸器管理・ICU管理となった。呼吸管理が長期に及ぶため、経口挿管から気管切開部からの挿管へ切り替えることとなり、気管切開術を施行した。消化器外科の医師が、電気メスを用いて気管を切開している際、すでに挿入していた気管チューブの一部に引火し、患者は気道熱傷を起こした。
事例が発生した背景・要因 患者の血小板数が約2万と非常に少なかったため、前日に血小板輸血を行った。それでも、血小板数が約6万であり、出血の危険性が高かったため、電気メスを使用した。患者は手術後の重症肺炎のため人工呼吸器管理下を行っていた。気管切開術は、患者に負担を与えるため、酸素濃度は100%で行っていた。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・本事故内容については、院内全体に早急に周知を行った。 ・今後、事故調査委員会を含めて、具体的な再発防止策について検討を行う予定である。

事例検討結果
事例検討結果 電気メスの添付文書には、【警告】欄に酸素などの支燃性ガスの存在下では使用しないことと記載されており、また、気管チューブの添付文書には【警告】欄等に電気メスを使用する際には気管チューブに接触させないことがすでに記載されている。なお、これまでに同様の引火事例が集積されており、PMDA医療安全情報No.14を作成・配信するとともに、関係業界団体も本事例に関する安全情報等で注意喚起を実施しているところ。