事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 気管切開チューブ
販売名 不明(気管切開チューブ関連)
製造販売業者名 不明
購入年
事例の具体的な内容 気管切開を行った患者。吸引を行おうとした所、カフ漏れと低TVアラームがなり、TVが2桁まで低下していた。患者のエコー中であった医師に伝え、カフ圧を確認し、圧を高めたがカフ漏れと低換気状態は変らず顔面の腫張を認めた。呼吸器からジャクソンリースに接続するが入らないため、他の医師の応援を要請した。開口せず経口挿管困難と医師が判断し気切口を確認するために肩枕を挿入したところ、両肩に皮下気腫認めた。鎮静投与後救急要請を行い、マスクベンチを行っている際にHR低下し、CPRを開始した。心臓マッサージ、経口挿管施行。緊張性気胸となったため、両側胸腔ドレーン挿入となった。
事例が発生した背景・要因 気切直後の合併症についての認識の甘さ、対応の仕方や応援の要請の仕方に問題があった。また患者の体型からくる「カニューレの抜け、迷入のしやすさ、再挿入の困難さ」といったリスクアセスメントが十分ではなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・気切術直後のリスクについて再認識し、他のメンバーへの声出しやリーダー、周囲への状況報告をしっかり行い、関わるスタッフが現状を把握して迅速に処置が行えるようにする。

事例検討結果
事例検討結果 本事例は気管切開術後に気管切開チューブを皮下に異所留置したことにより皮下気腫を生じたものと考えられる。気管切開チューブの抜けや再挿管時のリスク等に関しては、添付文書でも注意喚起されているところ。