事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 輸液ポンプ
販売名 テルフージョン 輸液ポンプ  TEー161
製造販売業者名 テルモ
購入年 2003
事例の具体的な内容 腹腔鏡下胆嚢摘出術直後にICUへ入室した。透析をしている患者であり、K値が上昇していたため、12時よりGI療法を開始していた。14時BS値62まで低下し、50%ブドウ糖液を付加するが改善せず、GI療法中止して20%ブドウ糖液を静注することで、BS値90まで上昇した。その後(翌日)3時に再びK値の上昇みられGI療法を再開することになった。5時にルートチェックをすると、200ml投与されているはずが、残量が全く減っていないことに気がついた。すぐに輸液ポンプを取替え、その後は問題なく予定量が投与された。
事例が発生した背景・要因 ・輸液ポンプの積算量が加算されていたため、投与されているものと思っていた。・積算量に頼って、残量の確認を怠った。・ローラーの回転だけで積算量をカウントしてしまうため、ルートが確実に輸液ポンプにセットされていないと、積算は増えても薬液は注入されない状況が起こる。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・輸液ポンプの取り扱い方について、再度確認する。 ・点滴実施時の確認方法を、原則どおり行う。

事例検討結果
事例検討結果 本事例については、企業への報告がないため原因の特定が出来ないが、積算量が加算されていることから、ポンプは作動していたが、ラインに閉塞が生じたことが考えられる。また、投与が全く行われていないことから、輸液セットのチューブセットミス又はクレンメを閉じたままだったことが考えられる。しかしながら、当該機器は、チューブが正しくセットされていないと、ドアが閉まりにくくなるアンチイレギュラーセット機構を有しているので、チューブ誤セットによる閉塞の可能性は低く、また、クレンメについては、ポンプの下流側に配置されたものの開放忘れであれば、閉塞警報が鳴るため、クレンメがポンプ上流部にあり閉じられていたことが原因であると考えられる。なお、添付文書では、ポンプ上流でのクレンメの開け忘れ等があった場合、薬液の未投与状態が検出されないこと、輸液開始時には、輸液状態や穿刺部位を必ず確認すること等が注意喚起されているので、これらを遵守することが重要である。