【記述項目】 |
《関連した薬剤》 |
一般名 |
肺炎球菌ワクチン
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販売名 |
ニューモバックスNP
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剤型 |
注
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規格単位(含有量、濃度) |
0.5mL
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製造販売業者名 |
MSD
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《医薬品の取り違え事例の場合、本来投与すべき薬剤》 |
販売名 |
プレベナー13水性懸濁注
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剤型 |
注射液
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規格単位(含有量、濃度) |
0.5mL
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製造販売業者名 |
ファイザー株式会社
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事例の具体的な内容 |
1.医師は、簡易予約一覧で予防接種枠に入力した。
2.A看護師は、5日後の予防接種予約患者一覧表を確認し、電子カルテ端末の物品請求より、ワクチン請求入力をした。
患者個々にIDを入力して薬品を選択する際、『PCV』がわからなかったため、C看護師に聞き、『プレベナー』であると教えてもらい、薬品選択画面の項目をクリックした。この時、誤ってプレベナーではなくニューモバックスを選択していたが気づかなかった 。
3.2日後、小児科外来にワクチンが到着。B看護師は、受け取ったワクチンをC看護師に指導を受けながら物品請求一覧表と照合、合っていたので小児科外来の冷蔵庫に保管した。
4. 予防接種当日。小児科外来看護師Cが、医師が接種する双胎児2名の薬品各3種を一人分ずつトレーに準備し、医師の診察室に届けた。
5.その日は健診予定者が非常に多く、看護師が予防接種の介助ができなかったため、担当Dr一人で接種することにした。
6.医師がワクチンをバイアルから吸い上げ、看護師Dが接種時に、児の固定を手伝い、実施した。
7.医師が、問診票の実施欄にプレベナーと記録、ニューモバックスのロットナンバーシールを貼付して終了した。
8.接種当日は誤投与に気づかず、そのまま会計も終了した。
9.10日後、近医受診時に、医師が母子手帳の予防接種欄のロットシールを見て誤投与の可能性に気づき、当院に連絡があった。
9.担当医及び事務、薬剤、外来等で確認し、誤投与の事実がわかった。
10.連絡を受け、医師、薬剤科で製薬会社への問い合わせ、添付文書の確認等を行い、身体への影響を確認。重篤な有害事象がおきる可能性は低いと思われること、2歳未満では免疫機能獲得の機序から有効な免疫機能獲得が期待されないことを確認した。
11.その後、ご両親に電話にて経緯と誤投与の事実を報告し謝罪した。
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事例が発生した背景・要因 |
1.ワクチンは、看護師が物流請求システムで請求を行っている。医師のオーダーが直接薬剤へ届いて薬剤が払い出されるシステムになっていない。
2.看護師のワクチン請求入力時、入力後の再確認が行わなかった。
3.薬剤科での払い出し時、生年月日が十分に確認されていなかった。
4.ワクチンが個人別に分けられておらず、外来分としてまとめて払い出されていた。
5.外来での薬剤より払い出されたワクチンの確認時、予約患者一覧表で内容確認をすべきところ、物品請求一覧表で確認してしまった。
6.ワクチン投与時のダブルチェックを実施しなかった。一人の確認で実施をしたが、医師もプレベナ-と思い込んでおり、確認が不十分だった。
7.肺炎球菌ワクチン、小児の予防接種について知識が不十分であった。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
1.ワクチンのオーダー、請求について
医師のオーダーが直接薬剤に飛び、会計ができ、指示がカルテに残るように、電子カルテシステムでどこまで可能なのか、病院として検討する。
2.ワクチンの払い出し
・個人別に薬剤を払い出す。薬剤部で方法を検討する。
・払い出し時は、生年月日から年齢の確認を行う。
3.ワクチンの実施
・医師と看護師でダブルチェックを必ず実施する。
・家族にも薬剤を見せて薬剤名、量、使用期限を確認して実施する。
・上記を確実に実施できるよう、環境改善する。部屋を別にする、実施時間や、枠数の見直しなどワクチン実施環境を小児科医師と外来、薬剤科で検討し、改善する。
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