事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 シルニジピン
販売名 アテレック錠10
剤型
規格単位(含有量、濃度) 10mg
製造販売業者名 EAファーマ株式会社
《医薬品の取り違え事例の場合、本来投与すべき薬剤》
販売名 アレロック錠5
剤型
規格単位(含有量、濃度) 5mg
製造販売業者名 協和発酵キリン株式会社
事例の具体的な内容 アレルギー性鼻炎があり、他院からアレロック5が処方され内服をしていた。入院中にアレロックを飲み切ってしまったため、当院からの処方を希望された。 回診時にアレロックの空シートを読み上げ、口頭にて医師に処方を依頼した。オーダリング入力をした際、「アテレック錠(10)0.5錠 5回分」と入力されてしまっていたが、確認をせずに指示受けを行った。 内服自己管理中であったため、薬局から届いた薬剤を夜勤看護師が患者に渡した。内服をした患者から「いつもと薬が違う気がする」と言われ、内服薬が間違えていることに気が付いた。
事例が発生した背景・要因 他院で処方されたアレロック5は、アレルギー症状が出現した時だけ内服していたという患者の申告により、屯用で5回分の処方であった。 入院時、担当した看護師が内服状況を確認し、持参薬、お薬手帳を預かり、薬剤科に検薬を依頼することになっていたが、今回は患者からの情報提供がなく、検薬用紙が作成されていなかった(当院にはアレロックがないため、同効薬を処方するためにも検薬を行っておく必要があった)。 検薬は、土日祝日の日中は平日と同じく薬剤科で対応するが、夜間は翌朝の処理となる。 オーダリング入力の際、3文字入力での入力だが、看護師もしくは医師が薬剤名を勘違いし、“アテレ”と伝えたか入力をしてしまった。 回診前に別件で不満の訴えがあり、すぐに対応しなければという焦りがあった。 処方依頼を行った看護師は、アレロック錠・アテレック錠の薬効を知っており、処方間違いしやすい薬剤という認識はあった。 持参薬の切り替え時に検薬結果用紙を医師に見せながら依頼するというルールがあったが、検薬されていなかったため、医師から薬剤名を問われ、口頭で伝えた。 空のシートを残してあったが、医師に見せて処方の依頼をするというルールはなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 持参薬の処方希望があった時、検薬されていない場合には検薬後の処方とする(医師は検薬用紙を見ながら処方の入力を行う)。 オーダリング入力の際、処方間違いをしやすい薬剤については薬剤名の後に種類などの注意書きがあるため、アテレック(降圧剤)と注意書きを入れる。 自己管理の内服を患者に渡す際には、薬剤情報用紙を患者に見せながら説明し、薬剤について理解されているか評価を必ず行う 理解されていない場合には、自己管理を中止する。

事例検討結果
事例検討結果 アレロック錠及びアテレック錠の販売名については、名称が類似しており、薬剤取違え事例等が複数報告されていることから、製造販売業者は医療機関へ注意喚起を実施している。