事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 メトトレキサート
販売名 メトトレキサート錠2mg「タナベ」
剤型
規格単位(含有量、濃度) 2mg
製造販売業者名 田辺三菱製薬株式会社
事例の具体的な内容 患者は、入院前からメトトレキサート(2mg)を週1回 朝1錠夕1錠服用していた。内服が開始になるため医師より院内処方された。医師は、紹介先からの薬剤情報を参照し、メトトレキサート2mgを1日2回(朝・夕)で院内処方した。薬剤師が調剤する際、メトトレキサートは週1回服用する薬剤であることを医師へ疑義照会し、薬剤師が入力内容を変更した。2日後、院内処方を中止のうえ持参薬再開の指示があり、看護師は、メトトレキサートを含む他の内服薬を医薬品識別依頼書・指示書と一緒に薬剤科に提出した。薬剤師は、持参薬の処方箋を参照し、医薬品識別依頼書・指示書にメトトレキサート(2mg)1日2回朝夕食後と入力した。医師は、医薬品識別依頼書・指示書にメトトレキサート(2mg)1日2回朝夕食後のまま指示をした。看護師は、医薬品識別依頼書・指示書のとおり、患者に6日間メトトレキサート(2mg)を与薬していた。患者は、その後に肝機能悪化と白血球減少をきたし、集中治療を行った。
事例が発生した背景・要因 持参薬は、医薬品識別依頼書・指示書(紙指示)で運用されており、スキャナで取り込んでいたが、医師が分かるように取り込めてない状態であったため、医師は患者が与薬している薬を電子カルテで把握できなかった。その後、持参薬の指示書の取込方法を統一し、医師も看護師も識別依頼書・指示書が電子カルテのどこに取り込まれたか分かるようにした。 消化器内科の主治医は、メトトレキサートの薬効は理解していなかった。薬剤部が医師に院内処方の疑義照会した際も、薬剤師がメトトレキサートの用量・用法の入力を変更した。 消化器内科の医師は、メトトレキサートの薬剤の包装シートに投与日を記載せず内服準備していた。 薬剤科から疑義照会あったが、医薬品識別依頼書・指示書には、メトトレキサートの用量、用法が反映されていなかった。 過剰投与があった時に、血液内科にコンサルトしておらず、対応が遅れた。 病棟担当薬剤師や薬剤部への確認や相談は、いつでも実施できるようにはなっている。 内服日を包装シートに記載すると薬剤が返却された場合に再使用ができないため使用していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 メトトレキサートの服用について、各病棟に医療安全情報を再度配布し、カンファレスや会議でメトトレキサート過剰投与の事例を報告し、メトトレキサート服用量、方法について指導した。 薬剤師から、メトトレキサート服用について学習会を開催し、看護師全員に周知をした。 メトトレキサートなど特殊な服用方法をする薬剤を払い出す際は、処方箋の薬剤名は赤で表記し、注意喚起する。 薬剤の包装シートを活用し、看護師が服薬する日を記載する。 メトトレキサートなど特殊な服用をしている患者の薬剤指導を徹底する。 持参薬の指示書が紙運用のため、院内処方と同じように電子カルテに表示されるようにする(後発薬品の入力業務量が課題)、さらに処方カレンダーを導入し、医師が処方入力を正しく実施し、服用薬が経過表に反映されるように進めるなど、電子カルテで対応できるようにシステムを見なおす。

事例検討結果
事例検討結果 平成20年8月29日付薬食安発第0829001号通知「抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)に関する 医療事故防止対策について」、PMDA医療安全情報 No.6「抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)について」より、医療機関等に注意喚起等しているところである。