事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 マレイン酸メチルエルゴメトリン
販売名 メテナリン錠0.125
剤型
規格単位(含有量、濃度) 0.125mg
製造販売業者名 あすか製薬株式会社
《医薬品の取り違え事例の場合、本来投与すべき薬剤》
販売名 ウテメリン錠5mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 5mg
製造販売業者名 キッセイ薬品工業株式会社
事例の具体的な内容 12:30 入院後直ぐの羊水検査の前処置として、ストック薬からウテメリン1錠を準備した。 13:30 頃、羊水検査後にストック薬を確認するとメテナリンを内服させた事に気づいた。直ちに主治医へ報告、エコーとウテメリン内服。主治医らから事の経緯を説明した。2回目のエコーでも児心音は良好であった。ウテメリンは通常、3錠3日のところ4日内服の指示となった。その後も、大過なく退院された。羊水検査の前処置として切迫早産治療薬を内服すべきところ、子宮収縮剤を与薬してしまった。
事例が発生した背景・要因 入院直後の検査で前投薬をストック薬で準備した。 緊急の検査で焦っていた。 ストック薬はウテメリンとメテナリンが同じ引き出しにあった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・ ストック薬はウテメリンとメテナリンは一方を別の箱にする(上からも見えやすい蓋付のBOXを準備)。 ・ 声だし、指差し確認の励行 ・ ストック薬を使用する場合はダブルチェックを行うことを検討。 ・ 可能な限り、薬剤科の処方とする。

事例検討結果
事例検討結果 ウテメリンとメテナリンの名称類似については、平成15年11月27日付医政発第1127004号・薬食発第1127001号連名通知「医療機関における医療事故防止対策の強化について」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」により、医療機関に注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤用防止のために製品に関する情報提供を平成20年12月に実施し、平成22年1月には、メテナリンの製造販売業者であるあすか製薬が、「メチルエルゴメトリン「あすか」」に名称変更を行った。 また、平成22年10月8日付薬食安発1008第1号通知「産婦人科領域における医薬品の誤投与に係る医療安全対策について(メチルエルゴメトリンマレイン酸塩製剤及びリトドリン塩酸塩製剤)」に基づき、PTPシートのデザインも、変更している。