事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 イブジラスト
販売名 ピナトスカプセル10mg
剤型 カプセル
規格単位(含有量、濃度) 10mg
製造販売業者名 大正薬品工業株式会社
事例の具体的な内容 18:40準夜担当看護師は、夕の与薬のために夕1回分の内服薬(1個づつに切り離されたピナトスカプセル10mg1CAP , VEニコチネートカプセル1CAP、セロクエル1包)を持ってベッドサイドに訪室した。常時はヒートから薬剤を取り出し、患者の口中に入れ飲み込みを確認していたが、その時は家族の面会があり、「お願いします」とヒートのままの内服薬をそのまま手渡した。たまたま通りかかった他チームの看護師が、患者がむせ込み家族が薬を吐き出させているところを発見した。家人によると『分包された薬だけを破ってヒートの薬はそのままテーブルの上に置いた。まだ食事を食べていたので、大丈夫と思い少し患者のところから離れた。(部屋は出ていない)振り返ったらむせていた。あわてて吐き出させた。』という。 テーブルには開封したセロクエルの薬袋とVEニコチネートカプセルのヒートが見つかったが、ピナトスカプセル10mgのヒートは、ベッドサイドやベッドの中患者の衣服など探したが見つからなかった。18:55 主治医及び当直師長へ報告した。当直医の指示でCT実施した。食道でのひっかかりはなく、異常なければ経過観察の指示を受ける。当日翌日に排便あり観便行うが、異物発見せず、外科医師指示にてGIF実施。胃内に異物確認できず。以後経過観察となる。
事例が発生した背景・要因 患者は認知症があるため必ず、PTPシートから出し直接与薬していたが、発生時は家族が面会に来られていたため大丈夫と思い、家族に渡してしまった。
実施した、若しくは考えられる改善策 1.看護師管理の内服薬は、できるだけ薬剤科に依頼し一包化する。 2.やむを得ずPTPシートを1錠ずつカットする場合は、必ずシートから出し与薬する。 3.配薬前に必ずシートから出してから配薬する。(病室までは持参しない) 以上を徹底し、事故を防ぐ。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。