事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 センノシド
販売名 センノサイド錠12mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 12mg
製造販売業者名 大正薬品工業株式会社
事例の具体的な内容 1.就寝前20時に、一包化された薬剤(2種1錠づつ)とPTP包装シートの薬剤(2種1錠ずつ)を患者に渡した。患者は障害はなく、自己にて開封し内服可能である。 2.その後しばらくして、患者が自己にて内服した。 3.20時50分に、「ビニールを飲んだ。袋にまとめて口に入れて、あっと思ったら喉に入った。喉が痛い。死んじゃう。」とパニック状態になる。 4.看護師が口腔・咽頭部内の見える範囲を確認したが、見あたらなかった。 5.薬剤の空袋を確認すると、PTP包装シートの空が1錠分ないことに気づいた。 6.誤飲した可能性があり、21時に当直看護師長に報告した。 7.吸引するが何も引けず。バイタルサインは問題なし。 8.当直医師の指示により、気管支ファイバー施行のため主治医(呼吸器内科医師)に連絡する。
事例が発生した背景・要因 1.ミュンヒハウゼン症候群により、意図的に誤飲した可能性がある。精神科医の診察の結果、その可能性が高いとの判断であった。(長谷川式認知症スケール23点 認知症の問題は少ない。) 2.事故時は上記疾患が疑われていたが確定はしていなかった。精神科の診療を当患者が拒否したため、精神科医の助言が得られなかった。患者の精神状況のアセスメントについて、主治医・看護師ともに苦慮していた。この行動を予測できなかった。 3.そのため、薬剤管理は看護師が行っていたが、薬剤を渡した後の患者の行動を確認していなかった。 4.訴えが多く話しが長めであるため、夜勤時の業務が滞ることがあり看護師は対応に困ることがあった。 5.1包化の薬剤とPTP包装シートとで与薬をしていた。すべてを1包化していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 1.PTP包装シートの誤飲の危険性を患者に説明する。事故防止のために、以下の内服方法に変更することを説明する。 2.内服薬は1包化する。できない場合は、PTP包装シートから看護師が取り出して、患者に渡す。 3.他の方法での自傷行為の危険性があるため、危険物の除去等の環境整備と患者の行動、精神状況を観察する。 4.定期的に精神科受診をする。精神科医に相談し、助言を得て対応をする。 5.再度、PTP包装シート誤飲事故について防止策も含めて広報する。(他院の事故ニュースとして広報していた。)

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼しているところである。