事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名
販売名 ヒューマリンR注100単位/mL
剤型
規格単位(含有量、濃度) 100単位1mLバイアル
製造販売業者名 日本イーライリリー
事例の具体的な内容 悪性リンパ腫で化学療法中の患者。ソルデム3A500mLにヒューマリンR8単位と塩化ナトリウム注10%シリンジ20mLを混注し、60mL/hで持続投与の指示があった。調製時、看護師AがヒューマリンRを8単位のところ、インスリン専用シリンジを使用せず10mLシリンジで8mLを準備して混注した。混注した後に看護師Aは間違いに気付いた。同時に調製台の向かい側で調製していた看護師Bはインスリン混注時のダブルチェックを依頼されなかったため、インスリンはダブルチェックが必要な薬剤だと指摘した。看護師Aは調製の過程を説明し、ヒューマリンを800単位混注したことが判明した。誤って調製した薬剤は破棄し、新たに調製し直して患者に投与した。
事例が発生した背景・要因 ・1.単位とmLが異なること、2.インスリン専用シリンジがあること、3.ダブルチェックが必要な薬剤であることについて看護師Aは新人研修で指導を受けていたが、1、2、3のいずれも忘れていた。・看護師Aは新人看護師で1ヶ月前から独り立ちしていたが、ヒューマリンRの調製は初めてだった。・看護師Aは看護師Bの担当患者の注射薬を調製していた。看護師Bは近くで作業していたがダブルチェックを依頼されていないため気付いた。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・インスリンバイアル製剤の調製時はインスリン専用シリンジを使用する。・研修で行ったヒューマリンRの内容を復習する。・全病棟管理者へ新人看護師に対してインスリン専用シリンジとダブルチェックの必要性について再周知を依頼する。

事例検討結果
事例検討結果 インスリンバイアル製剤については、汎用注射器を用いて調製することで、誤った量を調製し、投与する事例が繰り返し報告されていること、また、平成30年12月28日付事務連絡「医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアルの改訂について(別添)」により、「インスリンについては、単位とmLの誤認により重大な有害事象に繋がる危険性が高いため、専用シリンジの管理、使用についても併せて周知されたい。」ことが求められており、再発防止の観点から、インスリンバイアル製剤を調製する際には、汎用注射器では無く、インスリン専用注射器を用いる注意喚起が必要であることから、令和2年5月19日付薬生安発0519第1号「「使用上の注意」の改訂について」により添付文書改訂を指示したところ。また、PMDA医療安全情報No.23(令和2年11月改訂)「インスリンバイアル製剤の取扱い時の注意について(インスリン注射器の使用徹底)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。