事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 メコバラミン0.5mg錠
販売名 メコバラミン錠500「トーワ」(0.5mg)
剤型
規格単位(含有量、濃度) 0.5mg1錠
製造販売業者名 東和薬品株式会社
事例の具体的な内容 術後10日目18時15分、患者よりナースコールがあり、「薬の殻を飲んだ」と洗面台で吐き出そうと嗚咽していた。夕食後の薬を確認するとリパクレオンカプセル150mg4CP、アスパラカリウム錠300mg2錠、メコバラミン500mg1錠のところ、メコバラミンのPTPシートのみ不明だった。患者より「喉のつっかえは取れた」と発言があった。PTPシート誤飲の可能性があり、主治医へ報告をした。レントゲン・CT施行。CTにて、胸部下部食道遠位端にPTPシートを確認した。消化器内科へコンサルトを行い、胃カメラで回収された。粘膜損傷はみられなかった。内視鏡終了1時間後より飲水開始し、食事も通常通りとした。食事再開後も著変なかった。
事例が発生した背景・要因 患者は独居であり、入院前より薬の管理は自己で行っていた。また、薬は一包化ではなくPTPシートで管理されていた。リハビリも進み、独居への生活へ戻る予定であり、認知機能の低下は認めない。看護師は患者がPTPシートを誤飲すると想定していなかったため、薬を配薬しその場を離れた。患者自身も殻ごと飲んでしまうとは思っていなかった。PTPシートははさみで切らないことが推奨されるが、看護師が配薬をする上では1錠ずつに分ける必要性があり、切らざるを得ない。
実施した、若しくは考えられる改善策 誤飲後、薬剤師より自宅で薬を管理するにあたりPTPシートをはさみで切らないよう指導した。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。加えて、令和元年9月12日付事務連絡「内服薬等の包装の誤飲の発生について(情報提供)」が発出されており、継続的な注意喚起がなされているところである。